仙人の祈り

ジャクソンホールは日本時間夜11時から

本日は明日のジャクソンホールを前にリスク回避の進んだ一日となりました。

相場の重しとなったのは、スペインの首相が財政支援を求める計画は現段階ではないと発言したこと、またスロバキアの首相がユーロが崩壊する可能性は50%と発言したことなどが挙げられると思います。ただしこれらは後付けの理由で、本当のところはジャクソンホール前の単なるリスク調整かと思います。

8月の小売各社の月次データが発表されましたが、先日書いたように、すべての会社が市場予想を大きく上回る好調な結果となりましたが、市場のリスク回避のセンチメントを変える材料にはならなかったようです。

明日のバーナンキの講演は日本時間夜11時から1時間程の予定です。時間軸の延長は述べますが、QE3に関しては言及なしというのがコンセンサスですが、前回の議事録の文言はかなりQE3に関して強いトーンで書かれており、バーナンキが議事録と同じ内容を口頭でなぞるような場合、近頃の市場の不安感を払拭するような展開になるかも知れません。

Back to schoolは好調な見通し

本日は10時発表のコンシューマコンフィデンスが市場予想の66に対して60.6と大幅に下回ったことで、一瞬更に売り込まれましたが、すぐに買いが入り値を戻し、結局前日比フラットの水準まで値を戻しました。

ちなみにBack to schoolの売上げの感触は、どの消費関連企業も良好なスタートを切っているとコメントしています。BTSの強さと年末商戦の結果は高い相関性を持っていることが知られているので、現状からは米国消費が弱くなるという兆候はないと言ってよいと思います(少なくとも上場企業は)。

この他、熱帯性低気圧「アイザック」がハリケーンに発達し、今夜にでもニューオーリンズに上陸する可能性から同地域の製油所が相次いで閉鎖。原油価格は小幅上昇しています。

金曜日のジャクソンホール講演に関しては、市場は追加緩和に関する具体的なコメントが出る可能性は少ないと見ています。むしろ、本日、ジャクソンホールに出席予定であったECBのドラギ総裁やその他の理事が欠席するという発表があったことで、ECBが債券買取のスキームなどの最終の詰めに入っている可能性を伺わせることとなっています。

また本日米国時間の早朝に、北東部のカタルーニャ州が中央政府に約50億ユーロの支援を要請する方針を固めたことが明らかになっており、9月や10月に、スペイン政府が、全面的な支援要請に踏み切らざるを得なくなるとの観測も高まっており、一連の動きがECBが債券買取へ動く可能性が高いことを示唆する内容となっています。

投資家の間では、出尽くし、下落と考えている考えている人もいるようですが、私はそうは思えません。FRB、ECB、中国は、日本の政治家とは違い、市場の心理の上を行く言動をしてきた実績があります。ヘッジファンドはショートを解消したところであり、この状況で新規で売りを仕掛けてくるとは思えません。

FRBに逆らうな

「FRBに逆らうな」という言葉がよく聞かれます。バーナンキ先生が金融緩和をもう一発「やります」と、議事録の行間で明言している限り、QE3はやるでしょう。FRBがリスクを取って行けと後押ししている中で、それに逆らう選択肢はなくした方がよいでしょう。ジャクソンホールで何も喋らないからと言って、失望することもないでしょう。彼は議事録でやると書いているつもりなので、講演で再び言う必要はないと考えているかも知れません。

為替はユーロや豪ドルをショートするのは短期であってもやめましょう。中国が最近やけに静かですが、いつものようにまさかのタイミングで金融緩和を発表してもおかしくありませんし、欧州ではECBが「やる」と言っている限り、FRBと同様にやるでしょう。世界の3極が金融緩和の発射準備をしている中での、リスク資産の売りは割に合わない勝負です。

ドル円は上昇中との見方も維持しています。QE3はドル安に繋がると考える人は多いですが、政治力・実行力のある米国の信任が高まることで、ドル高へ向かう場合ももちろんあります。今回は後者の方ではないかと考えています。大統領選でも、オバマもロムニーも将来へ向けて良いことを言いまくるので、ドルの売り方は劣勢になりそうです。

シャープは倒産する - 先の読めない経営者たち

「シャープは倒産する」と5年程前に発言した時は、同僚でさえあまり信じていなかった記憶がありますが、今ようやくそれが現実味を帯びて来ました。

液晶は今後どんどん世の中から消えてなくなり、OLED(有機EL)に置き換わります。私は何故シャープがOLEDの開発を行っていないのか、疑問でなりませんでしたが、恐らくは日の丸ジャパン連合で部材から最終製品から完結している液晶に過信をしていたのでしょう。明らかに経営者の判断ミスでした。

ちなみにOLEDの量産を行えるのは、サムソン、LG、日系では住友化学がもしかしたら可能となります。日本の化学企業はこれまで液晶の部材を売り潤ってきましたが、それもどんどんなくなっていきます。

クラレの“ポバールフィルム”、ダイセル化学の“TACフィルム”、それらを貼り合わせてつくる日東電工の“偏向フィルム”の他、複雑な構造のほぼすべての液晶部材は日系化学企業が世界シェアを独占していますが、これがすべてなくなってしまいます。最新鋭の安川の多軸ロボットを自慢していた"世界の亀山"は、一度も世界から振り向かれることなく終わるでしょう。

サムソンが液晶に参入しなかったのは、液晶は部材が多く、最終メーカーに利益が残りづらい製品であると分かっていたからです。それよりも、モニターの最終進化系であるOLEDの研究を行った方が良いと判断し、何年も前から莫大な研究開発費を計上し、今や量産体制を確立しています。OLEDは部材が少なく、究極的には新聞紙のように印刷技術で作れる可能性があるため、量産をすると莫大な効率化のメリットが得られます。

OLEDの時代になった時、サムスンとLGは値段を下げずに、十分な利益が取れる水準でしか販売してくれないでしょう。デバイスでライバルとなっているアップルや日系電気メーカーにOLEDを売らなければ、ほぼすべてのデバイスで世界の覇者となることが確定します。そこまで見据えて彼らは事業を展開しているのです。

OLEDの開発を行っていなかった日本勢の本当の苦しみは今始まったばかりです。融資を受けて延命しても、エルピーダのようにいくらお金を援助しても復活せず、多くの化学メーカー、素材メーカーを道連れに、潰れていくでしょう。円高が競争力の減退の主因と考えるのは本質的に誤りがあります。消費者が求めているものを創っていれば、高くても買ってくれます。

私は数え切れない程の日本の経営者と話をしてきましたが、日本では今でも多くの企業が技術力の高さが競争力につながると勘違いしているところが多く、ゲームのルールが変わっていることに気付いていません。そしてクリエイティブなアイディアを持つ会社にオセロのようにシェアをひっくり返されているのです。

何とも憂鬱になる話です。

(追加情報) 市場の誤読の可能性あり

本命は時間軸か、多くが延長に同意して9月に決定延期との記述
FOMC議事録によると、
① 経済見通し:経済状況と見通しに関する議論で、委員会の参加者は、経済活動がここ数ヶ月で減速し、委員の予想よりも緩やかなペースとなった。設備投資は回復しているものの、家計の消費は年初から大幅に減速した。先行きについて、多くのメンバーは、2014年の終盤でも失業率は長期的に望ましい水準よりも非常に高く、インフレ率は2%の委員会の長期目標と同じかそれ以下に留まるとみている。
② 追加緩和のタイミング:多くの委員は、新しい指標が、経済回復ペースがかなり持続的な強さを見せない限り、追加の金融緩和はかなり早い時期(fairly soon)に正当化されると判断した。
③緩和手段:3段落にわたって議論されており、段落ごとに1)2014年終盤までの時間軸の延長、2)新規の大規模な資産買取プログラム、3)付利金利の引下げ・BOE型の貸出スキーム。弊社米国チームは、9月にBOE型の貸出スキームが決定されるとみている。
1)2014年終盤までの時間軸の延長 多くのメンバーは、時間軸の延長を支持したが、その決定は9月まで延期するとした。理由は個々のメンバーの経済見通しと委員会の更なる政策オプションの検討を配慮するため(9項)としており、時間軸の優先度が高いようにみられる。景気が回復してきても緩和スタンスを継続するとの文言を加えれば、更に効果的になる可能性を示唆した。
2)資産買取プログラム(QE3)の政策効果については、金利低下や企業や家計の信頼感の回復といったプラス面の指摘の一方、出口戦略が困難になることや長期の期待インフレ率の上昇や金融の不安定性が増すといったマイナス面の指摘もあった。最近問題になっている米国の旱魃による影響については、参加者は今年後半に消費者物価の食料価格に影響があるものの、一時的なものに留まるとの見方をしている。今のところ緩和の大きな障害にはなっていないとみられる。
3)付利金利の引下げ:複数の参加者(a couple of)は付利金利引下げに好意的である一方、何人かの参加者(several)はマネーマーケットへの悪影響を指摘した。悪影響の具体例としては、ECBのゼロ預金金利低下後の状況に言及されており、金利低下→MMFのリターンが低下→流動性の低下などの問題が生じるとの見方であるとみられる。
BOE型の貸出:米英の違いに考慮しつつ、銀行が家計や企業への貸出を増やす方策として検討余地があるとした。

FOMC議事録ショック

米国時間14:00に発表されたFOMC議事録にて、QE3が近いタイミングで行われる可能性が高いことが示唆されており、ドル円が大きく下落、ユーロや豪ドルなどは対ドルで爆騰しました。議事録には、「雇用に明確な改善を示すデータが出ない限り」、金額や期限を定めないQEや、景気見通しを下げ金利の時間軸効果の延長、モーゲージの買い入れなどを行うと記載されています。これにより今月末のジャクソンホールで昨年同様、バーナンキがQE3を発表するシナリオが想定されます。

米国株は上昇し、ドル円が下落したため日本株は下がるでしょう。このパターンはリーマンショック以降ずっと続いていることですが、日本株のプレーヤーは疲れてしまいますね。

市場はややパニック的にドルを売りましたが、時間とともにオーバーシュートした分の戻りはあるでしょう。QE3が実施された場合、必ずしも円高ドル安になるとは限りません。

古典派のマネタリーセオリーに従うとドル安となるというだけであって、米国景気に安心感が広がり、株高、金利高、ドル高が来る可能性も十分にあり得ます。よって本日の下げでトレンドが逆転したかどうかは、しばらく時間を置いて見る必要があると思います。ドル円も日足では上昇トレンドを未だ維持しています。

ブル相場が続く

本日はユーロがついに本格的に噴火し始めました。ECBが大きく動く可能性が出てきたことが要因です。後半利食いに押されましたが、米株が下落したことも要因でしょう。

相場は突然利食いに押されたりして下がることもあると思いますが、地合いは完全に上です。ショートは短期であってもやらない方がよいです。

逆にロングは多少押されても、しばらく待ちましょう。地合いは圧倒的にロング優位の状態ですので、ある程度のバッファーをもって臨みましょう。

ちなみに米国10年債金利は1.80%です。2.00%まで行くかどうかに注目しています。

引き続き10年債利回りに注目

先週はラスベガスとシアトルをそれぞれ1泊ずつ滞在で6社の会社訪問をしてきました。とにかく移動が大変だし、気候も45℃の砂漠から、北部の針葉樹林に覆われた街まで、アップダウンが激しかったですね。

夏のシアトルは住むには最高の街ですね。空気は高原のように清清しく、街は都会であるのに、とても綺麗です。それと比べてニューヨークはまるでゴミの中で生活しているような感じですが、、、。私はボストンも好きですし、どうやら緯度の高い街の方が好きなようです。

相場はこのところジリジリとリスクオンの動きが続いていますが、施策待ちなので、かなりスローですね。ドル円とユーロ円は先日記載した通りの動きを見せました。私が予想したように、米国10年債の利回りが急上昇してきました。引き続き、この動きに注目しています。

ラスベガスに来ています

ラスベガスに来ています。カジノ株について調べに来ました。写真は本日泊まるWynn Resortの一階にあるカジノです。現在は夜中の1時、明日のミーティングに備えてもう寝ます。



ECBのアクション待ちが続く

米国の7月小売データが上振れましたが、反応は限定的となりました。QE3の可能性が小さくなったと受け止める投資家が増えてきたということでしょう。

そろそろ欧州でECBによるLTRO3かスペイン債の買取などが出ないと、市場は痺れを切らせそうですね。可能性は低いですが、私の考えではサプライズで明日、突然来ることもあるかと思います。

スペインが300億ユーロの支援を要望する可能性があり、これをECBが引き受けると発表した場合は、かなりのポジティブサプライズになりそうです。

一方で、ECBへの期待に対して極めて懐疑的に考える人も結構います。ECBはLTRO3もすらもやらないだろう、と思っているようです。しかし、これが本当であれば、完全なリスクオフ相場となること必至ですが。

明日から週末にかけて出張に出るため、更新は出来ないかも知れません。

200MAの重要性

釣りはフナに始まり、フナに終わる。

私はテクニカル分析に関して一通りの知識がありますが、結局一番大切なのは移動平均線であることに、何度やっても回帰してきます。

特に株でもFXでも同じですが、200MAには特別なものを感じます。FXでは15分足の200MAというのはかなりのシグナルかと考えています。今日はユーロ円が何の前触れもニュースもなく、ニューヨーク時間の早朝にこの200MAを上にブレイクしてしまい、私は寝ていたので、完全に乗り遅れてしまいました。恐らく今朝の上げはどのようなテクニカルを使っている人も、説明できない突然の上げであったと言えるので、起きていても買えなかったと思いますが。ユーロは相変わらず、むちゃくちゃな動きをしていますね。

ユーロ円は96.80を越えて、長い時間それより上にあれば、その後かなりの上昇があるでしょう。100円も全然夢ではないです。逆に96.37を明確に割り込んだ場合には、しばらくユーロ円の上昇は見込めません。

ドル円に妙味あり

本日も昨日と同様、株は大きな動きのない一日となりました。

ユーロは痺れを切らして昨日は下がりましたが、レンジの範囲内の動きに留まるでしょう。ショートは短期であっても絶対にやめた方がいいです。いつ噴火するかもわかりませんし。

ドル円は上目線で攻めたいところです。8月は円高になるというジンクスがあるものの、下値は限定的でしょう。本日の入札もやや勢いがなく、米国10年金利が上昇を始めています。日足はボリンジャーの中線をブレイクしており、上の場合は意外に早くに動くはずです。

最強国家である豪ドルは下がる理由が見つかりません。こちらもショートはやらない方がいいでしょう。

上昇もやや燃料切れ

本日のS&P500は薄氷の差でプラスで引け、連日の上昇を何とか止めずに終わりましたが、1,400ポイントを抜けた後は、上昇エネルギーが弱くなってきました。

そろそろ本物のLTROなどがこないと、燃料切れかも知れませんね。米国決算もピークは過ぎ、市場はQE3やLTRO3によるカンフル剤の注入を待っています。

米国債券に魅力がなくなって来たと先日書きましたが、本日の$240億の入札も低調に終わりました。

為替は大きく動く動意に乏しいため、短期トレーダーであれば、ボリンジャーを見ながら逆張りをしてくるでしょうね。しかし上昇相場であることに疑いはありませんので、ショートは慎重に行いましょう。

ドル円の見方

ドル円の動きの捉え方が難しいとことです。日足では今日が陽線で終わったとしたら、上昇が見えてきますが、このところ毎日78円台前半で上がったり下がったりしているので、エントリーポイントは慎重になってしまいます。

私の知る限り最も当たる債券投資家はQE3は「ない」と予想しているので、この点は株などは注意が必要ですが、ドル円の場合、果たしてQE3がないからといって、上がるとは必ずしも言えません(株が下がってリスク回避で円買いかもしれません)。

ちなみに、日本の消費税増税が阻止される可能性があることが円売りを誘っているという報道がありますが、見当違いです。くどいようですが、世界の投資家は日本の政治のことなどまったく関心にありません(報じられてもいません)。

私は本日はドル円、78.30くらいでロングで待っています。これより上ではちょっと買えません。

リスクオン相場 - 債券より株の方が魅力的に

相場はリスクオンへ向けて動き始めていますが、本日はS&P500は1400をトライしつつ、一度も振れずに終わりました。市場関係者はユーロの反発を見ながら、リスクをどれだけ取りに行くかを見ているようですね。

私は米国債券利回りに注目しています。こちらも一時1.3%台まで落ちましたが、現在は1.566%まで反発してきています。米国債券はこれまで爆騰してきたため、中長期的にアップサイドの魅力がなくなってきており、投資家が株に改めて目を向け始めている可能性も考えられます。コアインフレ率に近い1.3%より下がる可能性は理論上少ないからです。

米国企業の利益がパッとしないことが玉にキズですが、それでも多くの企業がすでにリーマンショック前を遥かに上回る利益を上げており、ここから買ってもそれ程違和感のないバリュエーションにはなっています。

取り合えず、すでにリスクオンの相場に入っているということは意識したいですね。

ドラギ総裁の会見 - ユーロ売りは終了

ドラギ総裁の会見で具体策が何も出なかったため、リスク資産は失望売りとなりました。しかし市場はややミスリーディングをしていると思われます。

ドラギはLTRO3は数週間以内にやると言外に言っていますし、ECBのスペイン債買取も、スペインがEFSFなどへ資金提供を申し出た場合に、ECBも買い支える用意があると言っており、これ以上事態が悪化した場合に出動する用意があると言っています。

ユーロはヘッド&ショルダーが完成してから、随分と下がりました。ユーロ売りをオススメしましたが、私は今日の下げがクライマックスに近いと感じており、ユーロ売りは本日で終了です。
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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