仙人の祈り

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投資信託の真実 - 合法的な詐欺商品

ファンドマネージャーである私が言うのもなんだが、投資信託という金融商品を買ってはいけない。

巷では投資信託の広告や勧誘で溢れかえっている。証券会社の営業マンもやたらと投資信託の購入を勧めて来るはずだ。「プロのファンドマネージャーが運用する」「小額でリスクを抑えた分散投資が出来る」「これから注目の投資テーマに投資できる」「配当が毎月もらえる」などが宣伝文句であるが、これらはすべてが善良なる個人投資家から資産を搾取するための罠であると考えてよい。合法的な詐欺と言っても過言ではない。

理由は主に以下のようなものがある。

1)コストが高すぎる。投資信託は購入時に2-3%の販売手数料を証券会社に取られる。そして年間1%程の運用報酬を運用会社に毎年取られる。更に途中で解約した場合には、迷惑料として1-2%を支払う必要がある。この世界的に低金利の時代に、これらのコストを支払って余りあるパフォーマンスを出せる投資信託(ファンド)など、世の中に数える程しかない。
[ 2012/10/31 21:28 ] 投資全般 | コメント(8)

日本滞在レポート - 過剰な消費者サービスがデフレ圧力に

日本へ滞在して数日が過ぎたが、確実に太っている。その昔、「スープに改良の余地があるんじゃないか」と、ラーメンチェーン店の「日高屋」の社長に苦言を呈したことがあるが、それすら飲み干す勢いだ。米国生活のせいで、かなりハードルが下がっている。

スーパーのダイエー行ったが、あまりの品目の多さに目が回ってしまいそうだった。ニューヨークのTrader Joe'sでは使う必要のない頭を使ってしまった。食品小売業ではロス率(売れ残り)は収益性を左右する重要なファクターだが、日本のスーパーやコンビニはこの数値が世界一高いことで知られている。品揃えが多すぎて、結果的に在庫管理と流通コストも高くなっており、収益性を悪化させている。

レジへ行くと、パートのおばさんが深々と一礼したので、思わずこちらも一礼してしまった。モンスターコンシューマーが増えていると聞いたことがあるが、たかがスーパーでもこの調子だと、日本の消費者はつけ上ってしまうのではないだろうか。「Next!!」と客を呼びつける米国の店員に慣れている私としては、何ともむず痒い気持ちになる。

最も驚いたのは、石鹸や洗剤に「詰め替え用」というのがあることだ。スターバックスの2杯目が安くなる方式が、日本では日用品でも採用されている。確かに、洗剤などのボトルはPET(ポリエチレン テレフタレート)という高級樹脂で作られているため、実はかなりのコストがかかっている(例えば、150円のペットボトルのうち、容器のコストは30円程)。詰め替え用はエコでもあるし、値段も安くできるので一石二鳥であるが、これらの過剰な消費者視点のサービスが、全体から見ればデフレ圧力の一因となっているというのは、何とも皮肉な話だ。
[ 2012/10/30 20:51 ] 経済社会 | コメント(0)

日本へ帰国中 - ガラパゴスの夜空は美しい

現在、所用のため日本へ来ています。実に2年振りの帰国です。成田へ着くと、何だか辺りが全員日本人で、逆に変な違和感を感じてしまいました。本当にすべてが日本語、日本仕様、日本の話題で、到着後、しばらくはアウェイでした。

日本へ帰って一番したかったことは、夜空を見上げることでした。マンハッタンでは星空はまったく見えないので。原発が止まっているせいか、景気が悪いせいか、、、街は私の記憶よりも暗くて侘しいと感じましたが、それとは対照的に星空はより輝いているように見えました。

真っ暗な田舎道では、セブンイレブンが煌々と光を放っています。駐車場に腰かけて缶コーヒーを飲んでいると、昔の自分をそこに見つけて、ようやく帰って来たんだなと実感しました。この国の行く末や将来のことを考えると暗雲が漂いますが、寒空の星空ばかりは、いつ見ても言葉が出ないくらい美しいです。

美しいものを見て、ただそれを美しいと感じられるココロがある。ふと、それで十分じゃないか、と思いました。私は今、ほんの一時の休息を楽しんでいます。
[ 2012/10/28 15:55 ] 雑感 | コメント(4)

QE3は本当に効果があるのか

QE3発表後、株価は軟調な展開となっているが、QE3の効果について懐疑的、批判的な見方を今回まとめてみた。

1) 失業率の高止まりや成長率の低下が構造的なものなのか循環的なものなのかといった議論は以前からされていた。失業率の高止まりが産業構造の変化などによる構造的要因によるものが大きい場合は、金融政策にて総需要を刺激しても失業率を低下させる余地は限定的となる。むしろ過度な金融緩和がインフレリスクを高めることにつながってしまう。

2) 過剰債務を抱えた経済主体は、金融緩和が実施されても、債務を適正水準に戻すことを最優先するため、新たな借入を行ったり、支出を増やそうとする動きは弱くなる。現在の米国では、依然として家計がバランスシート調整中であることを考えると、QE3を通じた消費刺激効果は限られてくる可能性がある。

3) QEを通じて発生する余剰マネーが、インフレやバブルを引き起こすとの意見もある。実際、過去実施されたQEでは、中国など新興国、特に固定的な為替レート制の国々のインフレやバブルの一因となったとも言われている。加えて、原油価格上昇に伴うガソリン高が、米国の企業収益や中低所得者層の消費を圧迫したという批判もある。
[ 2012/10/26 02:56 ] 投資全般 | コメント(1)

米国第3四半期決算 - 下方修正相次ぐが市場想定内

米国株市場は昨日ヘッド&ショルダーが完成しており、本日はセオリー通り、大きく下落。株というのは上昇する時も下落する時も、その時々によって解釈は後付されるものだが、ここ最近の下落はファンダメンタル相場への転換の可能性を示唆していると言えるだろう。

3Q決算は全体の2割程が発表しているが、EPSビート率は60%とまずまず。しかし売上ビート率が38%と低いスタートとなっている。ただ、2Qも同じように売上ビート率が最初は40%付近であったので、まだまだ見極めが必要だ。

4Qの増益率については、直近でコンセンサスが+9.5%となっている。テクノロジーやインダストリアルなどは下方修正が相次いでいるが、金融など内需系は逆に上方修正されており、今のところ大きな変化はない。ポイントはこの4Qの増益率が下方修正されずに済むかどうかというところだろう。3Qが減益というのはすでに織り込まれていることであるが、4Qが想定通りの増益に戻るのであれば、米企業業績に対する懸念は一定程度で収まるだろう。

企業の設備投資計画はどんどんと下方修正されているので、企業は来年以降も世界経済が急に強くなるようなことはないと見ているということだ。主要な中央銀行の政策を見ても、歴史的な超緩和状態が続いている。資本主義世界が長期の低成長期に入っている可能性は誰もが認めるところであり、リーマンショックから4年経った今でも出口戦略すら議論に上っていない段階である。
[ 2012/10/24 02:41 ] 投資全般 | コメント(0)

職場の人間関係を良くするために - 3つのタイプに分けて考えてみる

サラリーマン共通の悩みと言えば、人間関係があるだろう。個人主義色の強い海外の職場ではそれ程でもないが、軍隊というか、村社会的というか、日本の職場というのはとかく人間関係で悩むことが多いと思う。

学生時代なら、気の合わない人とは距離を置けば済むが、仕事となるとそれが出来ない。会社では上司も同僚も選ぶことが出来ず、もがいた果てに、結局は自分が大人になって与えられた環境に合わせるしかないことに気付く。

私も日本の組織で働いている時は特に上司に悩んだ。相手の方が明らかに自分よりも知識や経験がなく、ディスカッションしていても得るものがないのに、どうして形式的な会議や資料作りに労力を割かなければならないのか、とイライラした経験が頻繁にあった。

そこである日、冷静に分析したのだが、会社にはいろいろなタイプの思考回路を持った人がごちゃ混ぜになっていて、自分と違うカテゴリーの人とは話が噛み合わない傾向にあることに気付いた。それは主に以下のように大別できる。

1.実力を重視する人
2.礼儀を重視する人
3.建前を重視する人

皆さんも合わない人が職場にいたら、その人がどれに当てはまるのかを考えてみるとよい。

ちなみに私は1のタイプだ。仕事である以上は、実力があり成果を出せる人が評価されるべきとシンプルに考えているだけで、私の中ではそれは至極当然のことだと思っている。

しかし、例えば2の礼儀を重視する人には、いくら実力のある人でも、言葉遣いがなっていないということだけで評価がされないという場合がある。信じられないかも知れないが、これは事実だ。

3の建前を重視する人に、「この会議は生産的ではないので廃止しましょう」と言っても無駄である。例えそれが紛れのない事実であっても、会議をして決定しているという建前が最重要の人には、その言葉は永遠に届かない。

私は長らく、タイプ2、タイプ3の人たちは頭がおかしいのだと思っていたが、日本人にはこのタイプの人が多くいて、むしろ彼らからするとタイプ1の人は、宇宙人か何かじゃないかと思っているのである。

組織で働く以上は、気の合わない人が必ずいる。そんな時はまず自分から相手のツボに歩み寄ってあげて、コミュニケーションを取りやすい関係を築くことが重要である。

良い関係を築いたら、後は適時、その人の有効な利用方法を考えていけばよいだけだ。相手と同じカテゴリーに入っていると(見せかけていると)、不思議と相手は実はあなたに転がされていることに気付かない。これは断言できる。
[ 2012/10/22 00:09 ] 雑感 | コメント(0)

(アゴラ出稿)財政破綻するということ

「財政破綻するということ」というタイトルでアゴラへ出稿しました。記事はこちら。

BLOGOS版はこちら。

自国に強い産業基盤がない国の末路は決まっている、というのが今回の主題だ。ギリシアやスペイン、ポルトガルと日本では経済規模が違うので、日本がすぐに破綻するとまでは言えない。しかし、政治や国民がどこかで立ち上がり、大きな改革に乗り出さなければ、日本もいずれは破綻する。

今の20ー30代の現状を、偉い人たちは本当に理解しているのだろうか?いくら下り坂しか知らないとは言え、一番伸び代のある世代が、社会的にもっとも疲弊しているというのは、何処かがおかしいのではないだろうか?

「生ぬるい地獄」。それが現在の日本経済の状況だ。どんどんジリ貧になっていくが、何とか生きていけるレベル。ゆっくりと、しかし確実な下り坂が今後ともずっと続くことを暗示した言葉だ。
[ 2012/10/21 00:18 ] 経済社会 | コメント(0)

米大統領選 - オバマが再選されると予想

16日に行われた2回目の米大統領選公開討論会では、CNN とCBS 両テレビの調査によると、今回の討論会ではオバマ大統領が優勢との回答がそれぞれ46%、37%となり、ロムニー優勢と回答した同39%、30%を上回った。

1回目の公開討論会(テーマは内政)では、オバマ大統領は守勢に回り、CNN 調査によるとロムニー勝利が67%に対してオバマ勝利が25%に留まるという厳しい結果となり、オバマ大統領は支持率でも逆転を許していた。何としてもロムニーに大統領になってもらいたいウォール街は喜んだに違いない。

2回目の公開討論会は、1回目の討論会に外交問題などのテーマが加わったという違いはあったが、討論内容に目新しいものは見当たらなかった。変わったのは、オバマ大統領がロムニー氏に対してより強気で攻撃的な姿勢を見せたことである。

例えば、オバマ政権が石油・ガス開発許可を制限し、生産が低下しているとロムニー氏が述べたことを途中で遮り、「全く事実ではない」と否定した。また、ロムニー氏が中低所得者層を軽視する発言を取り上げたり、投資会社時代に米国から中国に雇用移転をしている企業に投資した過去を指摘し、ロムニー氏へ攻撃的な姿勢を見せた。これが視聴者にオバマ大統領優位と印象付けたようだ。

金融マンとしてはロムニーの方が何かと有難いことになりそうだが、私の「感」は最初からオバマであったので、これらの動きにサプライズはない。何というか、ロムニー&共和党では旧来のアメリカのままという印象が強いのだ。

個人的には、アメリカ経済もリーマンショック以後、根底に流れる部分からゆっくりと変わってきていると感じている。それは昨今の「Occupied Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」という運動にもよく現れている。国民は金融主導型の強いアメリカが、結果的には自分たちに何も恩恵をもたらして来なかったことに気付き始めているのではないだろうか。

ちなみに、これまで登録有権者の10%が期日前投票を実施したとされ、ロイターの調査ではそのうち55%がオバマ大統領に、43%がロムニー氏に投票した模様。ここでも、オバマ大統領の優勢が示されている。
[ 2012/10/20 02:51 ] 経済社会 | コメント(0)

スペインの救済要請 - 来週なされる可能性が高い

9月米国新築住宅着工と建築許可件数は、両指標とも、市場予想を大幅にビートした。ITやインダストリアルなどの外需が減速する一方で、住宅や金融などの内需は堅調に回復が続いている。

本日は、米国市場は債券の方が大きく動いており、住宅指標の発表後から、現時点で米国債金利は40bps以上上昇し、10年物金利は再び1.8%台となった。下図のように、米国金利とドル円の上昇に差が出始めているが、これはQE3効果を織り込んでいると言えるだろう。FEDのバランスシートは毎日風船のように大きくなっている。

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欧州ではスペイン債金利が大幅低下。先ほど、Black RockのCEOがカンファレンスで「来週スペインが救済申請を行うと確信している」とコメントしたことも要因の一つとして挙げられる。何か情報を掴んでいなければ、このようなことは言わないだろうから、一応心に留めておく価値はある。ちなみに、これ程大胆なポジショントークはないが、彼は同時に救済が発表されたらスペイン債を売るとも言っている。
[ 2012/10/18 06:52 ] 投資全般 | コメント(0)

(豪ドル)仙人均衡表

仙人均衡表で豪ドル円の動きを見てみましょう。実線は79円台後半の抵抗線で跳ね返り、基準線によって頭を抑えられている状況です。

しかし予想の基準線は下を向いており、下落の圧力が強いことを示しています。レンジがどんどんと狭くなってきており、次へ動く時は大きな動きとなることが予想されます。

20121016.png

[ 2012/10/17 02:07 ] 投資全般 | コメント(0)

「若者よ海外へ出よ」の罠 – 貧困ビジネスの論調に惑わされるな

最近、著名人などがこぞって若者に伝えていることがある。それは、おおまかに以下の3点に集約される。

1.英語を勉強しろ
2.海外に行け
3.プロマネ・プログラミング・金融などの能力を身につけろ
  
一見するとこれらは聞こえが良いように見える。しかしながら、これらには重大な罠が隠されていると感じる。何故なら、
  
1.本人が海外に行っていない。また海外で成功した経験がないのに知ったかぶりで話をする。イチローのように大成功したレアケースを上げ、あなたならできると洗脳する。

2.英語ができて専門分野に詳しい有能な人なんて海外に沢山いるのに、就職できない若者に「日本がだめだから外へ行け!」とは軽率すぎる。

3.海外でも所謂、自国バイアスがある中で、海外はフラットで自由競争だというイメージを植えつけている。
[ 2012/10/16 06:05 ] 経済社会 | コメント(2)

ココロの隙間を埋める - 孤独消費の成長性

21世紀最大の成長産業は?と聞かれたら、それは「孤独消費」と言えるかも知れない。

先進各国の人々は、歴史的な観点から見ればとても裕福な状態にある。それなのに、何故か幸福度は年々落ちてきている。彼らの頭上で忙しく時間が流れる一方で、ココロの中を覗くと孤独と不安で一杯、、、それが現代人だ。

世代の特徴なのかも知れないが、若い人程仕事が終わると一人になることを選ぶ。しかし、一人になると孤独が支配してきて時間を持て余してしまうので、SNSやソーシャルゲームで半分バーチャルの人と人との触れ合いを行い、或いはペットと遊んで孤独を癒す。

仕事場での余計な交流は面倒くさいだけなので極力避けたい。一方で、人間なので温もりは欲しい。こうして旧来は飲み屋へ落としていたお金が、孤独を埋め合わせする消費へと流れていっているのだ。
[ 2012/10/15 11:36 ] 経済社会 | コメント(0)

連邦議会選挙の行方 - 民主党は下院を奪還できるか?(和訳)

▼民主党は下院を奪還できるか?

11月6日には大統領選挙と同時に連邦議会選挙も行われる。終盤を迎え議会選挙の注目点の一つは民主党が下院を奪還する可能性である。9月に入り主要世論調査機関による「generic ballot」下院選挙調査(特定の候補ではなく党派支持を聞く)で、民主党支持が増え、共和党支持と同率か1~2%ポイントリードするようになっていることで民主党の下院勝利説が一時広がった。

ギャラップ社がUSAトゥデー紙と共同で行った最新下院「generic ballot」調査(9月24~27日)では民主党支持率が47%、共和党が46%である。ギャラップ調査では今年5月には共和党が50%で44%の民主党を6%ポイント引き離していたが、1%ポイント差とは言え9月には民主党が逆転リードしている。またラスムッセン社の下院「generic ballot」調査(10月1~5日)でも民主党44%、共和党43%となっている。
[ 2012/10/12 23:13 ] 経済社会 | コメント(0)

米国大統領選の行方 - 「CEO」と「Professor」のディベート始末(和訳)

▼「CEO」と「Professor」のディベート始末

10月3日夜、コロラド州デンバー大学で行われた、オバマ大統領とロムニー共和党大統領候補の最初のディベートは、オバマ大統領の完敗に終わった。

大統領もロムニー氏も相手にノックアウトパンチを浴びせなかったし、大きな失態も演じなかったが、ロムニー氏の優勢勝ちはかなりはっきりしていた。ディベート直後のCNNテレビ調査で「ロムニー氏勝利」の回答は67%に達している。

ディベート終了後、オバマ、ロムニー両氏の討論会におけるパフォーマンスのメ
ディア論評によく使われた言葉はロムニー氏についてはenergetic, fluent, sharp, assertive,などである一方、オバマ氏に関してはpassive, dull, detached, disengaged, defensive,などである。
[ 2012/10/12 23:00 ] 経済社会 | コメント(0)

ソフトバンクがスプリントを買収へ

スプリントがソフトバンクによる経営権取得に向けた協議を行っていることを正式にコメントし、スプリントの株価は現在18%上昇しています。

スプリントの時価総額は$17.7Bln(1兆4,000億円)です。ソフトバンクが66%なのか、100%の取得を目指しているのかで話は変わりますが、$12Bln程のキャッシュと健全なバランスシートを持っているため、銀行借入で何とか賄える金額です(銀行団がOKを出していなければ交渉はしていないはずです)。

スプリントは米国ではAT&T、Verizonに対して完全なる負け組みの会社で、P/Lも長らく大赤字で、今期2,000億円程度の赤字が見込まれています。バランスシートは$9Blnの自己資本に対して$21Blnもの巨大な負債を抱えています。

孫さんの考えとしては、スプリントの保有するネクステルや、プリペイド携帯などの足を引っ張っている事業を切り離し、純粋に携帯電話だけを低価格戦略で展開すれば、復活の可能性が高いと分析していることと思います。孫さんの実績からしたら、信憑性のある案件であると考えています。

ただし、やはり買収した直後の数年は苦しい展開が予想されます。ソフトバンク連結のP/Lとバランスシートも相当な痛手を食うことになり、かつスプリントはソフトバンクと同様に、LTEへの投資が遅れているため、今後長期間に渡って設備投資が必要です。
[ 2012/10/12 00:49 ] 投資全般 | コメント(1)

財政の壁 - 最悪シナリオは?

◆ ベースケース
・ブッシュ減税の一時的な延長
・緊急失業保険給付の段階的な短縮
・強制歳出削減の暫定的な延期
・給与税減税(1200億ドル)は年末で失効
・医療保険制度改革に伴い成立した新税(ACA Personal Taxes)が導入
・実質GDP成長率の押し下げ効果 2012年 0.75%、2013年 1.5%

◆ ネガティブシナリオ
・給与税減税失効とACA新税導入
・ブッシュ減税の失効
・緊急失業保険給付の失効
・1月に協議再開し合意に達する可能性も
・あるいは債務上限の引き上げが必要になる3月初旬まで
・実質GDP成長率の押し下げ効果 2013年初旬 2%

◆ 最悪シナリオ
・(可能性は低いが)財政の崖への対処策が合意されない
・テールリスク・シナリオ
・実質GDP成長率の押し下げ効果 2013年初旬 4%
・米経済はリセッションに陥る
[ 2012/10/11 03:18 ] 投資全般 | コメント(0)

失業率とQE3の関係

先日の雇用統計では失業率が市場予想(8.2%)を大きく下回り7.8%となった。

FOMCメンバーの失業率予想を基に考えると、7.8%というのは2013年Q4で到達するとFOMCメンバーが考えていた水準である。

失業率が予想以上に速いペースで改善していることは、“労働市場の持続的な回復が展望できるまで継続する”とされているQE3の継続期間にも影響を与えると言えるし、FRBが導入を検討しているゼロ金利政策解除期間を経済指標にリンクさせるというコミュニケーション戦略にも少なからず影響すると考えられる。

失業率は雇用の実態を表す数字としては疑問が持たれているのは事実であるが(就業を諦めた人は失業者としてカウントされないため)、逆算すると、失業率がコンセンサス予想を0.4%ポイント下回ると、QE3の継続期間は約2-3ヵ月程度縮小することになる。
[ 2012/10/10 06:18 ] 投資全般 | コメント(0)

日本企業のブランド戦略 - ニューヨークのレストランから学べ

世界的に見て日本企業はブランド戦略が下手であるのは周知の事実だが、ニューヨークでは少し事情が異なる。

お金持ちのニューヨーカーたちにとって、日本ブランドは現在でも最高級にランクされており、他の国とは明らかに一線を画すブランド価値を保持し続けている。日本製であることは、最高級の技術と丁寧さ、ホスピタリティーが担保されていることを意味しており、価格が高くても消費者は受け入れてくれる。

そのよい例が、日本食だ。ニューヨークにはチャイナタウンもコリアンタウンもあり、そこでは安価なレストランがたくさんあるが、ジャパニーズタウンなるものは存在しない。日本食レストランはたくさんあるが、そのどれもが個々に展開しており、またハイエンドの価格帯のレストランばかりとなっている。

お寿司で言えば、「Sushi of Gari」などが有名だが、私も自腹で一度行ったことがあるが、とても庶民が気楽に行けるような値段ではない。イカが一貫で$8する世界であり、本気で食べて飲んだら$300-400以上はするだろう。しかし、この店は常にニューヨークセレブで一杯である。(味は美味しいが、日本であったら有名店には決してなれない。)
[ 2012/10/08 10:51 ] 経済社会 | コメント(0)

今月から施行している違法ダウンロード刑事罰化について

インターネットに違法にアップロードされた音楽や映像を、それが本来は有料で提供されていると知りながらダウンロードする行為に対し、2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科す改正著作権法が10月1日から施行されている。

本当にどこから突っ込んででよいか分からないくらい、低レベルな話だ。私は海外から日本を見ているだけなので、より一層Afoが引き立つ。

音楽業界やコンテンツ業界が自分たちの業績が悪いことを違法DLのせいにして、行き着いた結果がこの法律だ。私が投資家として上場しているエ社やア社に会うことになったら、きっと皮肉を込めてこう言ってしまうだろう。

「これで消費者はキチントお金を出して音楽を買ってくれるので、来期から晴れて増収増益ですね。御社の株、買っちゃおうかな(*^_^*)。」

ちなみに、今のところ逮捕者が出たことは聞いたことがないので、警察は犯罪者を野放しにしていることになり、職務怠慢である。法治国家として、しっかりと犯罪者を逮捕して刑務所に送ってもらいたい。
     < (警)>
    ヘ( ゚∀゚)ノ          ヘ(; ゚д゚)ノ   
   ≡ ( ┐ノ           ≡ ( ┐ノ
  :。;  /            :。;  /
頭の悪すぎる代議士の先生に会ったときは、こう言ってあげよう。

「おそらく何十万人の逮捕者が出るので、いっそのこと日本海や南方へ島流しにすれば、領土問題も解決できて一石二鳥ですよ。ネットもないでしょうしね。」
[ 2012/10/08 00:51 ] 経済社会 | コメント(2)

日本経済の諸悪の根源 - デフレを克服するには

円高が諸悪の根源のような論調があるが、米国と日本の物価差を考えれば、正しいのはむしろ市場である。デフレは通貨高を招き、インフレは通貨安を招く。金利が0%でデフレしてきた円が世界最強なのは当然だろう。

日本はデフレスパイラルと言う現象の教科書のような存在だ。デフレが企業の収益減を引き起こし、そして給料が下がり、株や不動産も下がり、資産価格も下がり、そして消費が加速して縮小する。この下降する螺旋階段を抜けだすには、インフレ圧力を呼び起こすしかない。

だが、現在の日本の状況で、国民からインフレを起こすのは不可能だ。主たる消費世代である20-40歳台の給料はすでに新興国のレベルまで落ち込んでいる。これではもう万策尽きている。
[ 2012/10/07 13:52 ] 経済社会 | コメント(0)

ニューヨーク生活、哀歌

私は仕事場も住まいもニューヨークのシティ(マンハッタン)にあるので、生活のすべてが島の中で完結している。

言わずもがなだが、シティは大都会なので、大概のものは何でもあるが、やっぱり暮らしやすさという意味では、日本の方が遥かに良いなと今でも思う。

Wall Street第一に物価が高い。恐ろしく高い。私の住んでいるマンションなんて、もし自腹で払っていたら、給料がそれだけで飛ぶ。夕飯をデリで何でもないものを買っただけでも$10は越えるし、ウエイターがいれば15%のチップを払わなけばならない。ほとんど家にいないのに、電気代は$100を越えるし、ほとんど電話なんかしないのに、AT&Tモバイルから$120のビルが来る。挙げ句の果てには、人生で初めて歯医者に行くことになり、虫歯を1本治療したら$3,000請求される始末である(毎月$680払っている保健の適用後で)。挙げればキリがない。

最も、この国は日本と違い、安定的に毎年2%ほどインフレし続けているので、日本と比べても仕方のないことかも知れないが、もしも等価の物やサービスと比べたとしたら、3割りくらいは東京と比べても高いという印象だ(2%×失われた20年と考えると合点が行く)。

第二に、余暇の過ごし方に多様性が全然ない(庶民の場合)。私はナード(所謂、オタク)に近い人種であることは自覚しているが、それにしてもバーで飲んで休日は郊外の一軒家でBBQする以外に、何か遊びはないのだろうかと思う。私はお酒は一滴も飲まないし、肉を食いながら得るもののないジョークを飛ばし合うのも好きではない。ゲームセンターやバッティングセンター、パチンコ屋、マン喫で無心になり、腹が減ったら吉野家へ行くような、根暗な人向けのソリューションが無いのだ。
[ 2012/10/06 11:35 ] 雑感 | コメント(1)

ヘッジファンドのショートが上昇 - アップル株がキーポイント

最近後手に回ってばかりで、成績の悪いヘッジファンドですが、足元でショートを増やしてきています。
9月末までは相場の押し目にもかかわらず強気な物色が続いていましたが、先週からショートの増加が顕著です。

最近気になるのはアップル株が調整を始めてきていることです。iPhone5の発売によって、材料出尽くしとなった可能性があります。ナスダックは言うまでもなく、S&P500にとってもアップル株ひとつの下落の寄与度は大きく、近い将来やってくると私が以前に書いたように、アップル株の下落トレンドは世界のリスク資産にとっても脅威となり得ます。iPhone5にまったく魅力を感じないのは私だけではないでしょう。

本日はランドが8円台へ突入し、豪ドルなどのリスク資産が大きく調整しました。ドル円は異様なほど動かず、値を保っていますが、前原さんが日銀の金融政策決定会合に出席するなど、あり得ない自体によって、円安への期待が高まっているようです。しかし、突然に日本の金融政策が変わるとは考え難いので、こちらも一過性のものと見てよいでしょう。バーナンキがどれ程強い決意でQE3をスタートさせたかを考えれば、ドル安のトレンドがそう簡単には変わることはないと思います。
[ 2012/10/06 05:08 ] 投資全般 | コメント(0)

中国の政権交代 - 地下鉄への投資の可能性

本日はユーロ圏関係筋の話しとして、「ユーロ圏はスペイン国債を購入する投資家に損失保証を提供する形で同国を支援する案を検討している」と報じられ、ユーロ主導でリスクオンとなりました。

具体的な内容は、スペインが発行する各種国債の最初の20-30%について、ESMが保証を提供するというもので、これが決定すれば、ESMは、保証費として、年間約500億ユーロの負担で済むというものです。こういった内容ならドイツも負担が少なくなるので、許容するという発想でしょう。

これが事実であれば、確かにポジティブですので、真意を確かめる必要がありますが、流石にスーパードラギはいろいろと考えてきますね。ユーロには引き続き強気です。

豪ドルもツレ高しましたが、パワーが弱すぎですね。豪ドルは中国が何かやってくれないとどうも値が重たいようです。

市場はあまり話題にしていませんが、中国は来月前半に、10年振りに政権が交代します。私の知り合い経由の情報なので、あまり信憑性は高くないですが、中国高官たちは地下鉄への大規模投資を現在考えているようです。中国は人口500万を超える都市がいくつもあるのに、未だに地下鉄は北京に少しあるくらいです。都市部での交通状態が悪いため市民から地下鉄の開設を望む声が多く、財政拡大と合わせて一石二鳥になるという訳です。

言うまでもないことですが、これが出ればリスク資産にとってはポジティブです。特に鉄の材料である石炭・鉄鉱石によって、豪州は大きく恩恵を受けることになりそうです。建機業界なども高速鉄道への投資が一巡してしまい不況で喘いでいるので、建設、重工、素材株などの反転のキッカケとなりそうです。
[ 2012/10/05 06:21 ] 投資全般 | コメント(0)

原油は年末までに$80へ - イラクの増産が続く

原油は年末までに$80くらいまでは下がるという予想が出ていますが、なかなか興味深いです。以下のようにイラクが産油量を年初から上昇させており、来年度も更に上昇させるようです。

中国の原油輸入量が減少していることと合わせて、需給が緩むため、下落するという見通しです。

Iraq oil
[ 2012/10/04 06:50 ] 投資全般 | コメント(0)

豪州利下げは買いチャンス?

私の昨日の予想は外れてしまい、豪州が利下げを行いました。市場は織り込んでいるかと思いきや、大きく豪ドルは下落しましたが、私は豪ドル/ドルを1.0260でロングしました。少し下げすぎかと思い、反発を狙っています。

一方でニュージー/円をショートしています。ニュージーはオージーに対して少し強含み過ぎていると感じました。ついでにユーロ/豪ドルもショートしました。同じ理由です。

これらのポジションは短期勝負ですが、何れも行き過ぎの反発を狙う、あまのじゃくな性格でないと取れないポジションかと思います。逆張りですが、心理的に多くの人が豪ドルショートと思っている時こそ、チャンスがあります。短期ですので、ロスカットも早いですが。
[ 2012/10/03 06:51 ] 投資全般 | コメント(0)

ISMは予想上回るも反応は限定的

9月製造業ISM指数は51.5と市場予想平均の49.9を上回り、市場はリスクオンとなったものの、勢い続かず、売りに押されてしまいました。

同日バーナンキは講演で、金融緩和や利上げは例え景気回復に力強さが見えて来ても、早急に解除せずに慎重にみるとコメントしましたが、本日の限りでは流れは変わりませんでした。

ただ、QE3が実施されて日も浅いので、この程度はボラの範囲だと思います。依然、リスク資産は上昇トレンドの中にあると見ています。QE中に相場が大きく崩れることは、正直考え難いです。QE4という噂も出てきているくらいですので。

この後、豪州が金利を発表します。多くの市場参加者は利下げと予想しているようですが、私はあまりそうは思いません。豪州の経済にそれ程失速の影は見られていませんし、据え置きで様子見がRBAとしては妥当な判断であるように見られます。
[ 2012/10/02 06:06 ] 投資全般 | コメント(0)
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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