仙人の祈り

Amazonへの対抗策 - Macy'sに学ぶオムニチャンネルの重要性

世界最大の百貨店であるメーシーズは、長らく続いた経営不振からの脱却を図るべく、07年頃から徐々に経営改革に取り組み始め、現在では株価が示しているように完全に復活を遂げた。

その戦略は店舗の統廃合や、「My Macy's」と呼ばれる顧客の囲い込み策、「Magic」という従業員の接客力の向上策などがあるが、中でも目覚しい成果をあげているのが「オムニチャンネル」という戦略である。

Macy'sオムニチャンネルとはOmni(全ての)チャンネルを使用して顧客のニーズに応えようとする取り組みである。Macy'sは膨大なシステム投資によって、店舗と自社ECサイトの区別をなくし、在庫や顧客情報を一元化させ、顧客のニーズの取りこぼしをなくすことに注力してきた。

マルチチャンネルという言葉は日本でも一般的であるが、これは複数の販売チャネルを持っているというだけで、それぞれは独立していた。クロスチャンネルになって初めて店舗やEC間のサービスの連携が見られるようになったが、これも顧客がECでオーダーしたものを店頭で受け取れる程度の連携でしかなかった。
[ 2013/04/29 18:00 ] 投資全般 | コメント(6)

バリュエーションの嘘ホント - 証券会社の予想にご用心

株式投資をしている人ならバリュエーションという言葉を聞いたことがあるかも知れない。

バリュエーションとは、株価が高いか安いかを推し量ったり、同業他社比較をしたり、妥当な株価は幾らくらいかを算出する時などに使用する。

最もよく使われる指標はPERというもので、「株価÷一株当たりの利益」で算出する。例えばトヨタ自動車の場合、株価が5,800円、来期(14/3期)の一株当たりの利益が438円と証券会社のアナリストが予想しているので、PERは13倍ということになる。

ギリギリの戦いこれは一年で稼ぐ利益に対して、何倍の株価で市場はトヨタを評価しているのかということを意味する。だが、当然ながらこれは万能ではない。

例えば、トヨタのPERというのは決して一定ではなく、時と場合によって評価が全然違う。PERは市場がリスク選好になるほど拡大しやすく、逆にリスク回避になるほど縮小する傾向がある。つまり、結局はマクロ環境やお金の流れを予想しなければ妥当なPERの水準はわからないということだ。
[ 2013/04/26 18:00 ] 投資全般 | コメント(7)

素朴な疑問 - 靖国参拝の何がいけないのか?

麻生副総理が靖国神社に参拝したことに抗議して、韓国の外相が訪日を中止すると発表したそうだ。

韓国の当局者は「内閣のナンバー2である麻生副総理まで参拝したのは誠に遺憾。日韓関係を改善させようという意思があるなら、歴史認識を改め、相手国への誠意を持った対応が必要だ」と語った。

靖国参拝断っておくが、私は右翼でもなければ、何かしらの宗教の信者でもない、極めてプレーンな日本人であるが、この靖国神社に行った行かないに関して、何故、毎年恒例のイベントのように韓国や中国が遺憾の意を表明してくるのかがわからない。

靖国神社に祀られている戦死者に哀悼の意を捧げるのは、慰霊碑に献花するような感覚であって、あれだけ悲惨な出来事があったのだから、年に一度くらいは政府閣僚が訪問して戦争のない世の中を誓うようなことがあっていいような気がする。それくらい日本は多大な犠牲を払って今に至るのだから。

A級戦犯も合祀されているとか言うが、大部分は戦争の犠牲となった一般人であるだろうし、参拝している人もその人たちへ祈りを捧げているに決まっている。というか、最も違和感があるのは、何故それを韓国政府が(政権が変わっても)目の敵のように突いてくるのかということである。
[ 2013/04/24 18:00 ] 経済社会 | コメント(19)

「お金持ちは長財布を持っている」 - 妙な都市伝説にご用心

「お金持ちは長財布を持っている」という記事をよく目にする。先日も、数々の経営者を見てきたという税理士が、「今まで会ったお金持ちの社長さんは全員が長財布を使っている」と述べる記事をたまたま読んだ。

このお財布都市伝説とも言うべきものはいったい何なのであろうか?「長財布はお札がピンと張って気持ち良さそうにしいている」ということと、お金持ちになるかならないかは因果関係がないような気がするし、「お金を綺麗なものとして扱っている」というのも、2つ織り財布の人がそうでないとは言い切れない。

長財布の都市伝説現に私もいろいろなお金持ちを知っているが、2つ織りはもちろんのこと、マネークリップでお金を止めて雑然とポッケに入れている人など、当然人それぞれのスタイルがある訳で、必ず長財布を使っているというのはあり得ない話である。

そもそも、お金=紙幣という考え方が前提になっていることが古いし、胡散臭い。大御所の芸能人が長財布に大量の現金を入れているような、拝金主義的な薄気味悪さすら感じる。
[ 2013/04/22 18:00 ] 経済社会 | コメント(12)

街に溢れるヘルスポット - 運気の低下にご用心

熊野や伊勢神宮、出雲大社などに代表される「パワースポット」という言葉が流行って久しい。私も何年か前に休暇で屋久島に1週間滞在したことがあるが、大地に気がみなぎり、美しい自然に触れ、心身を癒すのには最高の場所であった。

一方で、我々の日常生活の中には、パワースポットの逆で、パワーを吸い取られるスポットが数多くあると感じている。それを私は個人的に「ヘルスポット」と名付けている。ヘルとは、パワーが「減る」と「Hell(地獄、ひどい体験)」を掛けている。

ヘルスポット代表的なヘルスポットはパチンコ屋である。私は仕事柄、パチンコの大型タイトルが発売されると、調査も兼ねて打ちに行く。パチンコ屋に行ったことのない人は分からないかも知れないが、店内に入ると、そこは負のオーラが渦巻いており、パチンコ厨の人々が運気を吸われ続けている。

私は新台の絵柄や操作性などを体感するのが主目的なので、5,000円程度しか投じないが、打っている間もイライラしたオジサンが台を叩いていたり、何かを叫んでいたり、タバコの煙を吐き続けており、5,000円以上に失ったものがあるような気がして気分が悪くなる。
[ 2013/04/20 18:00 ] 経済社会 | コメント(12)

投資の心構え - 相場の呼吸と逆に動く

相場の動きがとても早い時には、できるだけゆっくりと考え行動し、相場の動きがとてもゆっくりしている時には、できるだけ素早く考え行動することを心掛けた方がよい。

相場というのは一寸先は闇、しかし未来になる程、あなたの信念という名の薄明かりが灯っている。短期の変動を意識しすぎても、振り回されてお金と時間と精神を磨り減らすだけである。

一寸先は闇相場にはショックは付き物で、プチショックであれば、毎月のように起きる。しかし流れを変えるショックはライブドアショックやパリバショックなど、3-4年に一度しか訪れない。

相場が急変して暴落したり暴騰した時に、焦って投げ売ったり飛び乗ったりすると痛い目に遭う。相場が早く動いている時ほど、視点を大きく構え、ゆったり考えて行動するとよい。
[ 2013/04/18 18:00 ] 仙人 | コメント(13)

ディズニーランド潜入レポ - 30年続く夢の国

先週の金曜日、30周年を迎える東京ディズニーランドが関係者向けに夜のパレードを公開するイベントがあったので行ってきた。

東京ディズニーランドは、日本のオリエンタルランド社が、本家ディズニーよりライセンスを受けて運営している。ブランドを貸与する他は本家ディズニーが直接関与しておらず、オリエンタルランドに運営が一任されている、世界でも珍しいディズニーランドとなっている。

ディズニーランド東京 30周年 入口蛇足だが、本家ディズニーこと、世界最大のメディア企業であるウォルト・ディズニー社にとって、テーマパーク事業(ディズニーランド)は実は本業ではない。利益の7割はESPNというスポーツチャンネルが稼いでおり、パークもクルーズも映画も出版も、ディズニーにとっては小さな事業の一つでしかない。

オリエンタルランド社の素晴らしいところは何と言ってもホスピタリティーあるサービスを提供する社員の教育にある。従業員サービスのきめ細やかさは本家ディズニーも称賛しており、日本では他のサービス業の手本となっている。
[ 2013/04/16 18:00 ] 投資全般 | コメント(11)

城門は開かれた - 次はリーダーたちがリスクを取れるか

先日、与謝野・元経済財政相が、ロイターのインタビューに応じ、『日銀は物価を動かす能力は持っていない。そういう人に物価目標を作らせるのは無責任極まりない。株が上がって、円が安くなったからといって、お祭りしているのは、この政策がダメだということを証明しているようなものだ。』、と政府・日銀を批判していた。

ここだけ見ると、今年最大級の「お前が言うな」が聞こえてきそうである。黒田総裁の政策が正しかったかどうかは、未来にならないとわからない。もしかしたら、日本崩壊のトリガーを引いた人物として歴史に名を残すかも知れないが、株価を上げたという点においては、何一つしなかった与謝野氏よりは、明らかに評価できるのではないだろうか。

開城1ただ、同インタビューで氏は、『日本経済が本当によくなるためにはやはり、人が良く働き、新しい技術を作り、海外でモノを売る努力を一生懸命するという、従来と変わらない努力が必要』 とコメントしていたことには共感できる。

表現としては聞き飽きたものであるが、今一度考えてみると、これが出来るか出来ないかは日本経済にとって、とても重要なことであると思う。ジョージ・ソロスやFT紙には「日本は大きな賭けに出た」とか「後戻りの出来ない道を歩んでいる」と言われているが、今度ばかりはどうやら本当にラストチャンスであるようだ。私たちはどうしたら海外でモノが売れるのか、皆で真剣に考えてアクションを起こす必要がある。
[ 2013/04/14 18:00 ] 経済社会 | コメント(18)

テレ朝潜入レポ - 視聴率好調の秘訣

来年55周年を迎えるテレ朝の六本木スタジオを訪問した。

東京のキー局4社の中でも万年最下位であったテレ朝は、昨年度の下半期に創業来の彼岸であった、全日、プライムなどの全枠でトップの視聴率を収める「4冠」を獲得し、最も視聴率の良いテレビ局に生まれ変わった。

取材をする限りでは、この要因は以下のようなものに大別される。

テレ朝玄関1. 5チャンネル効果

地上波の頃は(関東の人にとって)テレ朝は10チャンネルであり、2軍のテレビ局という印象が強かった。しかし、地デジの新規格が話し合われると、経営陣は5チャンネルを貰えるように国へ働きかけた。

これはテレビのリモコンのボタンの配置を考えると、中段真ん中のポールポジションに5チャンネルが配置され、テレビ欄でも真ん中に来るため、視聴者は無意識に5チャンネルを見る確率が上がると予想されたためだ。

この戦略が奏功し、中段の4日テレ、5テレ朝、6TBSが一軍、下段の7テレ東、8フジ、9東京MXが、2軍というイメージが現在では定着し始めている。テレビ朝日は5チャンネルのブランド戦略を推し進めており(キャラクターもゴーちゃん)、イメージ戦略に注力している。
[ 2013/04/12 18:00 ] 投資全般 | コメント(15)

アベノミクス人事 - 公取までもがインフレ推進型へ

公正取引委員会が最近おかしなことを言い始めている。消費税が上がった場合には、価格カルテルを認めると言うのだ。

3月22日に公取からリリースされた「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案」を見ると、まず第一章では、事業者は消費税を理由とした減額・買い叩きをしてはいけない旨が記載されている。

価格カルテル資本主義の日本にあって、このような規制がかかるのも腑に落ちないところだが、更にビックリすることに、最後の部分(第4章)を見ると、『消費税転嫁カルテルについて、独占禁止法の適用除外とする』、とある。これまでカルテルを激しく糾弾し、目を光らせてきた公取が、今度は消費税増税の際にはカルテルを結んでOKと言うのである。

これを発表したのは、3月に就任したばかりの杉本委員長であり、明確にインフレを推進するために公取を利用するミッションを受けてのものと推察される。前財務次官の津田沼氏は杉本氏を「心臓に毛の生えた図々しさの持ち主」と評するが、それ故のこの人事なのであろう。
[ 2013/04/10 18:00 ] 経済社会 | コメント(15)

オチの作り方 - 人は物語を求めている

オチもフックもない話は、話というより報告や感想に近いかもしれない。

報告や感想であれば最初に最も言いたいことを述べることで、「この話にオチはない」というサインを相手に発してあげた方がよい。

例えば「古文の小松原ってさぁ、ちょーウザじゃね?」と始めれば、聞き手はそれが相手の感想であると気づき、オチは期待しないだろう。

夢オチ逆に最初がモヤモヤした説明から始まり、その先のトピックが見えないと、話が長くなる程に、相手はイライラしてくるし、後半部にそれ相応のオチを期待する。

ここでオチなしで話を終えてしまうと、心象が悪い。聞いている側は前のめりになってツッコミを入れたり、英語であれば「So...what?」と聞き返さなければならず、大変面倒くさい。
[ 2013/04/08 18:00 ] 雑感 | コメント(23)

地理医学の重要性 - 高まる環境と健康の問題

米国では電子カルテを作成する際に、患者の所在地情報を入力する試みが一部で始まっている。

これまで患者は診察を受ける前に、生活習慣、処方歴、アレルギー歴などを自己申告で書類に記入していたが、昨今では、環境問題がその人に与える影響が予想以上に大きい可能性があるとして、「どの場所でどれくらい過ごしていたのか」というデータの記入を求める活動が始まっている。

大気汚染Esriという世界最大の地理情報システムソフトの開発企業で、病院向けに環境と健康に関するカウンセリングを行っているBill Davenhall(ビル・ダベンホール)氏は、地理医学の重要性を説く一人である。

彼がこのような研究を本格的に始めたのは、自身が2001年に原因不明の心臓発作で倒れたことがきっかけとなった。いろいろな精密検査を重ねて原因を探究していくと、それまでに自分が生活した環境が原因である可能性が高いという結論に至った。
[ 2013/04/06 18:00 ] 経済社会 | コメント(19)

カツカレーの法則 - お嬢様の発見器

日本のごく普通の田舎で育った私にとって、最も遠いところにいる人種と言えば、都会の金持ちの家で過保護に育ったお嬢様である。

それまで交わることのなかったこの2つの人種は、大学生になって初めて接点が出てくる。お嬢様方はガサツでお下品な田舎者が同窓生であることに衝撃を受けるようだが、田舎者は田舎者で、絵に書いたような「お嬢」が実在することに衝撃を受けている。

カツカレーの法則「三つ子の魂百までも」というように、人の価値観というものはそうは変わらないため、最初のランデブーから数ヶ月もすると自然と距離を置き始め、やがて接点はなくなる。そしてしばらく平穏な時間を過ごした後で、今度は会社で再びランデブーすることになる。

あくまでも個人的な主観であるが、私はこの手の人達とはどうも性格が合わない(向こうはもっとそう思っているだろうが)。結果的には、彼女たち方が淘汰されていったため、今となっては昔話だが、当時の私には御花畑な世界観を理解できず、実際に仕事で被害を被ることも多く悩んでいた。
[ 2013/04/04 18:00 ] 雑感 | コメント(11)

ニートだらけのこの世界 - 悪化を続ける若年層の失業率

2013年1月、世界経済会議に出席したメルケル首相は「ユーロ圏の大きな問題は若年層の失業率だ」とコメントした。

リーマンショックによる混迷により、ドイツを除く多くの国では雇用者数が未だにショック前と比べて凹んだままとなっているが、若年層(15-24歳)の失業率は特に悪化が激しく、欧州、中東、北アフリカなどでは新たな政情不安の種となっている。

各国の失業率と若年層失業率ILO(国際労働局: International Labour Organization)のデータによると、12年末時点で、分かっているだけで世界には7,460万人の若年層の失業者がいるという。この数字はフランスの全労働者の2.5倍、イタリアの3倍に相当する規模だ。

企業のIT化が進んでいることや、経験のない若年層を優先して雇い入れる経済的余裕がないことが主な要因であるが、ギリシアの若年層失業率は44%、スペインは46%、イタリアは29%、フランスは22%と、異常な状態が続いている(*データは11年末であり、現在はこの数字よりも更に悪化している)。
[ 2013/04/02 18:00 ] 経済社会 | コメント(14)
筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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Macoちゃん♀・x・)

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