仙人の祈り

女性の社会進出 - 男子に求められる新しいスキル

『アジア人の男ってほんと最低。死ねばいいのに。』という論調を巷でよく聞く。これは日本の女性だけではなく、ニューヨークの女性からも同様の声を聞くので、どうやら世界的に認知された現象のようである。何がそんなに世の女性の評価を下げる原因になっているのかというと、それはどうやらアジア人男性の「デリカシーの欠如」や「思いやりのなさ」という言葉に集約できる。

サンジ 水の都ある日のこと。私がニューヨークのカフェでお茶をしていると、目の前の信号のない道を、杖をついたお婆さんが超スローペースで横断しようとしていた。ビックリしたことに、それを見ていたガラス張りのカウンター席にいた白人の成年2人が、直ぐに店を飛び出してお婆さんのもとに走り、一人はお婆さんの手を取り、肩を優しく抱き、もう一人は道の真ん中で手を広げて、向かって来るイエローキャブに静止するように睨みを効かせていた。お婆さんは渡り終えると2人の頭を撫で、まるで孫に接するかのような抱擁で感謝の意を表した。

育った環境にもよるが、一般的にエリートと呼ばれるような欧米の白人たちには騎士道精神があり、老人や女性、子供に対しては絶対的に優しくあるべきという信条がある。時として、この信条は行き過ぎではないかと思うレベルにまで達している時もあり、例えばガッツリ稼いでいる女性とビジネスディナーへ行った時でも、割り勘する時は7:3くらいで男子が支払うのが(最低限の)常識となっていたりする。日本人の考え方だと、割り勘にしないと逆に失礼になってしまわないかと思うところだが、彼らにとってのそれは、見栄や損得、合理性という概念を超えたところにあるようだ。

何故このような話をするのかというと、先日、都内の駅を歩いていた時、長い階段をベビーカーと一緒に降りようとしていた日本人女性に対して、たまたま近くを歩いていた白人のビジネスマン風の男性がすぐに駆け寄り、ベビーカーを持ち上げて下まで降りるのを手伝っている光景を目にしたからだ。「騎士道は海外でも、異国の女性でもやっぱり同じなのだな」と思ったと同時に、何一つアクションを取らなかった日本人ボーイズ達との違いをまざまざと見せつけられた瞬間でもあった。女性は日本語で「本当にありがとうございました」と何度も頭を下げてお礼を言うが、男性は軽く首を振りながら微笑んで、サッっとその場を去っていった。何とも清々しい光景である。
[ 2013/07/29 18:00 ] 経済社会 | コメント(38)

持続可能な社会のために - 食料安全保障について考えよう

日本の食料自給率が低いという話は聞き慣れたものであるが、農水省のデータを改めて時系列で見てみると、自給率(カロリーベース)は昭和40年の73%から一貫して下落しており、足元では39%となっている。純輸出国であるオーストラリア(173%)、カナダ(168%)、アメリカ(124%)と比べても仕方がないが、日本の食料自給率は先進国でも突出して低い状態にある。

これらの要因には、農家の高齢化、農地面積の減少という国内の生産能力の低下に加えて、そもそも一人当たりの米食の減少(112kg/年(S40年)→59kg/年)や肉食の増加(同9.2kg/年→29.1kg/年)などの食のスタイルが変わったこともあるだろう。しかし、諸々の事情を鑑みても、やはり39%というのは異常値であり、何かしらの政治・社会システムのエラーの結果であると言わざるを得ない。

里山201307食料価格の高騰が起こると、発展途上国では大衆を困窮状況に追いやり、モザンビークやエジプトのように暴動を引き起こす引き金になり得る。原油価格が$140台に達した2008年、世界では食料価格の連鎖的な急騰が懸念されたが、経済的に豊かな日本の場合は耐性があるため、実際にはバターが入手困難になった程度で済んだ。

それでも日本の食料政策は、経済的に裕福であり続けることや、エネルギー・食料価格が恒常的に上昇しないこと、売り手が必ず売ってくれること、などの条件が前提となっており、リスク管理上は明らかに問題があるだろう。では何をするべきか?というところだが、一つは我々が得意な資本の論理によって解決するアプローチと、もう一つは我々が苦手な意識改革によって解決するアプローチの2つがあると考えている。
[ 2013/07/22 18:00 ] 経済社会 | コメント(31)

セルサイドとバイサイドの違いとは

読者の方々からいろいろと質問を頂くが、セルサイドとバイサイドの違いがよく分かっていない方が多いことに気づいたので、ここで補足をしておく。

業界用語でセルサイドとは証券会社のことを指す。皆さんの見えるところにいる"アナリスト"とか"ストラテジスト"とか"エコノミスト"とかいう人々は、ほぼ間違いなくこのセルサイドである。彼らの仕事はレポートなどを書いて株の売買を盛り上げて、自社の手数料収入を増やすことである。

chart201307一方でバイサイドとは運用会社のことを指す。運用会社にも"アナリスト"がいる。証券会社と違って、運用会社は顧客から預かった資産を運用しているため、その労力はすべて顧客のためだけに使用される。つまりバイサイドのアナリストの分析は、皆さんの見えるところに出てくることは決してない。

同じアナリストでも、その機能と役割が全然違うことがわかるだろう。どちらがよく当たる投資判断を行っているかと言えば、当然、運用会社のアナリストである。これが成立しなければ、運用会社のアナリストというものは存在しないことになる。
[ 2013/07/18 18:00 ] 投資全般 | コメント(14)

公募増資にご用心 - 証券会社に騙される情弱企業

足元で日本の上場企業による公募増資が頻発している。上場企業は決算を公開し、投資家から高い成長やリターンを求められるというプレッシャーを受けることになるが、その対価として、公募増資を行い、市場から直接資金を調達できるという特典がある(直接金融と呼ぶ)。

しかし、リンナイ、電通、大和ハウス、オリンパスなど、この数日で発表された主要な公募増資には違和感を感じる。これらに共通している傾向が、1) 最大で14%程度の希薄化、2) 自社株の売り出しを組み合わせている、3) どうしても調達が必要なほどの動機がない、4) 資本政策などのディシプリンが弱い会社ばかり、5) 幹事団が野村、みずほ、三菱UFJ、などである。

裏切り電通は調達額の全額を、昨年度のイージス社買収のために(みずほ銀行から)借りた資金の返済に充当するという極めて後ろ向きの内容であるし、大和ハウスもネットD/Eレシオが0.2倍という強靭な財務バランスを有し、なおかつ流動化不動産をREITに売却すればすぐにでも1,000億以上の資金調達が出来る状態にありながら、公募増資に踏み切っている。(もともと市場と対話する気のない)リンナイに関しては理由すら分からない。

これらの背景にあるものは、気づいている投資家も多いと思うが、ごく単純なものである。つまりは、野村の営業マンの口車に乗せられたということだ。株価が年初来で2倍になったのを見て、営業マンは大企業にアプローチを仕掛ける。「今が増資の最高のチャンスです。キャッシュを調達して、将来の戦略の幅を広げましょう!?」、などと言って情弱な企業を丸め込む。
[ 2013/07/09 18:00 ] 投資全般 | コメント(12)

タコが壷に入る確率は75%

米国から日本に出張に来ている同僚のロイから連絡があり、築地に一緒に行かないかと誘われた。お互いの時間が合うのが平日の朝方しかなかったので、私は眠い目を擦りながらも日比谷線で築地まで行き、ロイと現場で落ち合い場内を散策した。

初めて築地に来た彼は興奮気味で、まるで小学生のようにはしゃいでいた。「魚臭くはないのか?」と聞くと、何でも西海岸の小さな漁村で育ったので、むしろ懐かしいと言う。漁村ではアンチョビのような小さな魚ばかりを取っていたので、海の幸が集まる築地市場はまるでパラダイスのようらしい。

タコのにぎり「考えてみれば、僕らの仕事もこの市場で買い付けをするバイヤーとまったく同じだ。買うのは魚じゃなくて株だけどね。ただ、魚の場合は自分の目でチェックできるし、その後すぐに誰かの胃に収まって消えてしまうので羨ましいね。僕らと違って永遠に続くストレスと向き合う必要はない。」

その後、オススメの寿司屋に連れて行き腹ごしらえをしたが、食事中の会話は自然と魚の話から、株の話に傾いていった。タコが気に入ったロイは連続して3回目のタコを食べながら、私に中国の新鮮な情報をくれた。残念ながらここで書けるような内容ではないが、なるほど中国はある意味でアメリカ型の資本主義に染まった考え方では、判断を誤ることになりそうだ。
[ 2013/07/03 18:00 ] 投資全般 | コメント(22)
筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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Macoちゃん♀・x・)

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