仙人の祈り

コア・コンピタンスとは何か - 任天堂に学ぶ理想の組織の在り方

任天堂が本日ニューオータニで開催した経営説明会に参加したが、ビデオゲーム業界の祖である同社の凋落(ちょうらく)ぶりは「会社のコア・コンピタンスとは何か」という問を、あらためて考える良い機会となった。

主にサービス系の企業経営者にいつも話していることだが、私の考える会社のコア・コンピタンスとは、技術でもビジネスモデルでもない。技術は確かに重要だが、それ自体が常に進化を続けており、自社で囲い込むほどの最優先事項ではない。

nintendo2014技術でブレイクスルーをした会社は、特許によって回収の機会が守られているが、逆に言うと一定期間後には公開されてしまうため、強みではなくなる。ベンチャー企業であっても「WiiU」のようなハードを作ることは、技術者を雇って生産を外部委託すれば何とかキャッチアップできる。その程度のものである。

ビジネスモデルも同様で、消費者の嗜好やテクノロジー、法制度など、諸々のファクターが常に変化を遂げる中で、自分たちの勝ちパターンというのが盤石であるということはありえない。
[ 2014/01/30 18:00 ] 経済社会 | コメント(26)

投資サプリ - 相対的なモノサシ

私たちは「給料が1万円上がった」とか「あそこのランチは500円だ」といったように、日常的に見られる金額を、絶対的なものとして見ることが多いと思います。もちろんこのような水準感は知識としては役立つのですが、勝てる投資家になるためには、世の中の動きを相対的に見る視点が必要です。

電車に乗っていると、隣の電車と平行して走っているように見える時がありますが、ちょうどその感覚に似ています。一見すると2つの電車は同じ方へ向かっていますが、よく見るとスピードが少し違ったり、接近したかと思ったらすぐに離れていったり、結果的には全然別の方向へ走っていったりします。

エッシャーの相対性20140124投資の世界もこのような状況に似ています。例えば世界で最もメジャーな通貨である米国ドルは、長期的に見ると一貫して下落を続けています。一方で、皆さんがいつも使っている日本円は長期的に見ると上昇を続けています。このようにベースとなる通貨というモノサシそのものが、まるで別々のレールの上を進んでいる電車のように動いているのです。

日本円というレールを走る電車があるとしましょう。給料が1万円上がったら乗客は喜びます。しかし日本の物価はどの主要国よりも上昇している状態(インフレ)であったとします。すると隣の米国ドルというレールを走る電車の乗客から見てみると、どうして彼らがそんなに喜んでいるのかが分かりません。何故ならそれは単に日本円の価値が下がり、見た目の額が増えただけに他ならないからです。
[ 2014/01/24 18:00 ] 投資全般 | コメント(8)

IPOの歩き方 – 押さえておきたい5つのポイント

日本株市場の回復によって2013年は54社が新規上場を果たし、2010年の22社、2011年の36社、2012年の46社と比べて大きく増加した。各証券会社の予想によると今年は更に増加する見込みであり、この10年来で最大となる可能性もある。

長期の投資家にとってIPO(新規公開)の良いところは、公開当初からその会社の株主になるチャンスが提供されているということである。IPO銘柄の中には上場後に飛躍的な成長を遂げ、公開当初の数十倍の株価になっているような優良企業もある。新しい銘柄であるため投資家間での情報格差も小さく、絶好の宝探しの場となる。

20140117一方で注意しなければならないのは、IPOにはハズレが多いということである。直近2年に新規公開した株のうち、現在の株価が初値を上回っているのは実に1/3に満たない。地合いの良かった昨年の相場にあっても、結局は公開当初の「お祭り」の後、市場の期待を上回る好調な業績を出し続ける企業というのは、ごく一部でしかないということだ。

私もIPOは銘柄発掘の場として重要視しており、時間の許す限り経営者と面談をするようにしている。これまでに様々な国と市場で、数えきれない程のIPOを見てきたが、個別のビジネスモデルや事業戦略、競争環境云々はさて置き、IPO銘柄に特有の共通したチェックポイントがあるので、簡単にまとめてみる。
[ 2014/01/15 18:00 ] 投資全般 | コメント(2)

名のない星

「ねえ、あれは何ていう星座?」
Aは大して興味もなさそうに、夜空に一際明るく輝く星を指差した。
「サソリ座のアンタレス。」
その声は何処にたどり着くわけでもなく、すぐに波の音に飲み込まれて消えていった。

「…じゃあれは?あの左上の。」
「左上?わし座のアルタイルのことですかね。夏の大三角形の一つです。」
断片的に続く星座クイズへの回答を続けていると、Aはようやく話し相手がいたことに気付いたようだ。

星空の海岸線「本当によく知ってるんだね。どこでそんなの憶えたの?」
「確かに…簡単ではないですよ。田舎育ちで、視力が良くて、なおかつ友達が少ない。この3つの条件が最低限必要ですから。」

こう答えると、Aはクスクスと遠慮がちに笑い始めたが、次第にそれは大きくなっていき、声を上げて笑い始めた。
「前から思ってたけど、貴方って本当に変わってるわね。誰でも知っているようなことは知らないくせに、変なことは何でも知っているなんて。」
[ 2014/01/09 18:00 ] 雑感 | コメント(6)
筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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