仙人の祈り

勝てない投資家の3つの特徴

「勝てる投資家」と「勝てない投資家」の差の大きな部分を占めるのが、投資というものに対するマインドセットにある。勝てない投資家が陥りがちな間違いは、恋愛に置き換えてみるとわかりやすい。

1. 面食い

まず、勝てない投資家というのは「面食い」である。会社の業績見通しを見ずに、株価の動きのみを見て行動をする。マネーゲームで暴騰している仕手株やIPO株がまさにそれであるが、このような見かけ倒しの美人やイケメンに飛びついても、最終的にはお金を貢いで市場から退場を余儀無くされるだけである。テクニカル分析を信奉する人々もこれに近い。

2. 妄想家

Kittendreamslion201403勝てない投資家というのは「妄想家」でもある。相思相愛であると勝手な妄想をして、不都合な真実を目の当たりにしても、自分にとって都合の良いシナリオに脳内変換をしていく。相手は離れていくばかりでも、なかなかそのことを認められず、引くべき時に逆に突っ込み、傷を深くしていく。最終的に脈がないことを認めざるを得なくなると、今度は恋心が一転して怒りに変わり、投げ売りを行う。この時、株価は大底を迎える。

3. 自過剰

最後に、勝てない投資家というのは得てして「自信過剰」である。自分のスペックを客観的に分析できておらず、取り立てて実績もないのに何故か自信に満ちている。そうした向こう見ずな勢いも時として奏功し、ビギナーズラックで上手く行くこともあるが、所詮は何の努力もしていない丸腰の雑兵に過ぎないため、最終的には相場に潜むスーパーコンピューター付きブルドーザーのような存在によって一掃されることとなる。
[ 2014/03/27 18:00 ] 投資全般 | コメント(7)

遥か東国の梅の花

「梅の花 散らまく惜しみ 我が園の 竹の林に 鴬(うぐいす)鳴くも」
今年も忙しすぎて日本で桜を見れそうにないが、某社訪問の折、社長の所有する広大な梅林に連れて行ってもらった。

2012年の夏頃に、日本株が力強く上がる可能性が高いことを会議で発言したがために、日本株ポートフォリオの再構築というミッションが与えられた。しかし、実際に現地で活動をしてみると、日本株で大化けする企業を見出すことは、グローバル投資家からみると非常に効率の悪いことを実感した。

梅の花201403「己を知り、世界を知る」というのは、成功する企業が必ず通る道だが、日本企業の多くは「己を知らず、世界も知らぬ」という状態である。それぞれの業界で、海の向こうでは新たな潮流と、それを捉えた将来の勝ち組が台頭し始めているが、残念ながらそれを知る経営者は少ない。

組織の上層部は私をNYへ呼び戻すことを考えているのかもしれない。「マサとキャッチボールができる」という発言を聞く限り、ヤンキースのマー君と同じマンションを手配しているということだろう。ミッドウェストのあの鏡張りのビルのことだ。私は日本のポートフォリオはまだ完成していないと主張するが、組織がそれを聞いてくれるとは限らない。
[ 2014/03/21 18:00 ] 雑感 | コメント(7)

労働者が減る国の運命

経済学を勉強したことがある人ならば、コブ・ダグラスの生産関数というものを見たことがあるだろう。GDPの成長率(Y)はY = T ×K^α×L^(1 - α)という関数で表現できる。この式を要約すると、GDPの成長というのは、技術革新(T)、資本(K)、労働者(L)の増加という3つの要素で説明できるというものである。

生産関数というと何やら複雑怪奇なもののように見えるが、シンプルにこの3つの要素が伸びれば、その国の経済は伸びる。例えば、1950年から1992年のアメリカのGDPの伸びは年率+3.2%であり、それは技術革新(+1.3%)、資本(+0.8%)、労働(+1.0%)に分解できる。1956年から1992年までの日本経済の場合は、年率+5.6%もの驚異的な成長を果たしたが、それは技術革新(+3.7%)、資本(+1.8%)、労働(+1.0%)に分解できる。

日本の人口ピラミッド201403日本が技術立国であるという言葉は、戦後の歴史を振り返れば、まさにその通りであったことがわかる。1970年代になると日本の経済成長の伸び率は減速し始めたが、これは国が成熟するにつれて資本(設備投資)のプラス寄与が縮小してきたためであった。90年代に入ると、技術革新の寄与も小さくなり、GDPの成長は超低空飛行期に入った。そして2000年以降は、ついに労働のプラス寄与も見込めなくなってしまった。

様々なマクロの前提において、最も予測が可能なファクターは労働者の人口であるとよく言われる。投資家によっては、各国の人口ピラミッドの形を見て投資する国の配分を決めるところもあるほどである。つまり、今後の日本経済の先行きを考える時、どう見ても足枷となるのは労働人口の減少であり、このまま何もしなければ、お先真っ暗な状況であると言える。
[ 2014/03/14 18:00 ] 経済社会 | コメント(18)

「1号たん」の隠れた活動部位

「あなたには心がありますか?」と聞けば、誰もが「ある」と答えるだろう。しかし「心とは何ですか?」と聞くと「よくわからない」と答えるだろう。「ある」のに「よくわからない」。それなのに、まるで絵画の余白に描かれた空間のように、我々は逆説的に心というものを強く意識しながら生活をしている。

昨年完結した漫画の「GANTZ」の最後で、地球人を遥かに凌駕したテクノロジーを持つ宇宙人が、下等生物である地球人に全ての真理を説き明かすシーンがあった。地球人たちは「人間には(科学では説明できない)心がある」と訴えるが、宇宙人たちはそれについても真実を教えてくれる。

theroomoftruth2014「人の命が終わると21グラムの情報が異次元へ移動する。そして新たに生まれてくる別の人間に再利用される」と。もちろんこれはフィクションの世界だが、天国や輪廻転生という人類が持つ概念が、真実に近いものであったということを宇宙人が解き明かし、物語は完結へ向かう。

現実の世界では、心についてはまだ何もわかっていない。有機的なたんぱく質の塊である生物を突き動かす「意思」のようなものはいったい何なのか、それを科学的に説明できるようになるのは随分と先になりそうだ。漫画のように、異次元と情報でつながる部分であることが証明されたら、それはそれでとても面白いのだが。
[ 2014/03/07 18:00 ] 雑感 | コメント(11)
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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