仙人の祈り

「つまらない人間」と「つまらない人生」

「酒は?→飲みません」「タバコは?→吸いません」「ギャンブルは?→やりません」「好きなものは→焼き鳥」「休日は?→勉強」。この種の会話は今までに数え切れないほどあるが、大概の人がその後に「人生の何が面白いの?」と聞いてくる。

私に言わせれば、アルコールを飲んで、煙を吸って、金を擦って、不味いレストランで無駄話をしている人に、そのようなことを言われる筋合いはないというのが本音だが、最近は大人になって、微笑み返しで完全スルーができるようになってきた。

alcoholism_cat2015確かに、私のようなタイプの人間は、彼らからすると「つまらない人間」であるかもしれない。しかしその代わりに、彼らのような「つまらない人生」を送ってはいない。私には、そちらの方が百万倍マシに思える。

私は自分の体力と精神力が有限であることを知っている。そのため、将来の在るべき姿までの距離を計って日々その誤差を調整しており、寄り道をしている余裕がそれほどないことが分かっている。

テロリストの頭上にパンを雨を

「衣服足りて礼節を知る」とは、紀元前7世紀、斉の桓公に仕えた宰相、管仲(かんちゅう)の言葉と伝えられるが、現代でも通ずるところが多い。

絶えることのない戦争やテロの原因を考える時、そこには貧困という共通項がある。『生活が豊かになれば道徳は高まり、衣食が十分であれば名誉や恥を知る。その日の暮らしにことかく者に礼節を説いても、何も得るものはない』。管仲は人の性を見抜いた上で、まず人民を豊かにすることが大切であると考えた。

annpanman2015ノーベル平和賞を受賞したマララさんが説くように、争いのない世の中のために教育が不可欠であることは疑いない。しかし、腹を空かせた人の前に「ペン」と「剣」があるとして、普通の人間はそこで「ペン」を取ることはできない。テロリストたちが宗教を語り、略奪を正当化するのは許せない行為であるが、彼らがテロリストに堕ちる前に、貧困や絶望があったことは忘れてはならない。

豊かな西洋諸国が頭上からミサイルを撃っても、貧困という非道徳を育む状況がある限りは、いつまで経っても地上からテロを根絶することはできないだろう。そんなことをするくらいなら、空からからパンをばら撒き続けた方が、よほど効果があるかもしれない。暴力に暴力で応じても、そこには暴力が残るだけである。負の連鎖を断ち切るために、先進国の側にも、相手(敵)を知る想像力が必要だ。

自分で価値の計れるものに投資をする

読者の皆様、明けましておめでとうおめでとうございます。相場の方は新年早々から荒れていますが、私としては、いつものように落ち着いた心持ちで対峙しています。

私は「ファンダメンタリスト」であり、基本的にマクロ分析というものを信じていない投資家です。資源価格、信用不安、先進国の金融政策、景況感、テロ、疫病、自然災害etc、、、リスクファクターは数え切れないほどあり、それらすべてを予想することは、誰にとっても不可能であると考えています。

私は市場のリスクオン/オフの方向性を客観的に理解するために、AUD/USD(豪ドル/米ドル)を始めとした、30ほどの重要なデータを合成して作った独自の指標を持っており、正直、その的中率は有意に高いです。しかし、それでもその指標を見て売買の判断をするということは、まずありません。

世の中の個人投資家の方のコメントを見ていると、一つのマクロ要因を取り上げて上か下かを論じている人が多いですが、それはまったく意味のないことです。読者の皆さんの中に、ある特定のマクロと、その独自の予想によってポジションを持っている方がいるとしたら、その手法は卒業することをおススメします。

投資家というのは価値のギャップにお金を投じる人のことを言います。自分で価値を計れないものに、大切なお金を使ってはいけません。新年になり、あらためて自分が理解のできないリスクを取っていないか、チェックしてみるとよいでしょう。2015年も、皆さんにとってよい一年になるように、祈念しております。
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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