仙人の祈り

プロの投資家と個人投資家の違いとは

プロの投資家という人達がどのようなスキルを持っていて、どのように仕事をしているのか興味がある方がいるかも知れません。

結論から言うと、投資で勝つか負けるかという一点に関して言えば、個人投資家と違いはありません。私はウォールストリートの日本人アナリスト/ファンドマネージャーであり、投資の世界では、そこそこの知識がある方だと思います。しかし、そういう私も、勝敗と言った意味では個人投資家の方々と何が違うかと言われると、明確な答えがありません。

日々、米国企業の経営陣などと会って話を直接聞きます。経済や財務、ポートフォリオマネジメントの知識もあります。大きなお金を運用しています。会議やレポートで「いかにも」なことを玄人っぽく仕事では語っています。しかし、それは勝敗とはまったく関係のないことであると、実は心の中では思っています。

では、何故そのようなことに毎日膨大な時間をかけているのでしょうか?。それは、簡単に言ってしまえば、「投資の世界はとても専門的で、素人ではパフォーマンスを上げることができない」ということを謳って、自分達の仕事を守るためと言っても過言ではありません。これ見よがしに、アカデミックな視点から個別の企業の投資妙味を分析した投資レポートを、これ見よがしに、お客様に見せて、預かり資産を守るのです。

個人投資家は投資で負ければ自己の資金を失い、責任は自己で負いますが、プロの投資家の場合、負けていても必ずしも職を失うとは限りません。そういった意味では、個人投資家の方が厳しい世界で生きていると言えるかも知れません。もっと言えば、プロの私は、勝てると自信のある銘柄を、社内の政治的な理由やシステム上の理由で投資することができず、お客様の機会損失となってしまうことがよくあります。現実はそんなものなのです。

投資信託でプロに運用を任せても、リスクリターン的には割にあっていません。これは対外的にはオフレコでしょうが、現実だと思います。決して競争力がある訳ではない見ず知らずの他人に自分の大切な資金を任せてフィーを取られるよりも、個人とプロの間で大きな差がないのですから、投資は自分で勉強して、自分の思いを込めて行うべきであると思います。

優秀な個人投資家が増えるほど、資本市場はより活性化します。プロの既得権益のために、資本市場は存在するのではありません。私は真にそう思っています。
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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