仙人の祈り

世界の消費動向

本日は世界の消費者の動向のザックリとしたイメージを述べたいと思います。ご存知のように米国の小売は好調です。先日発表された3月のデータも小売店、レストラン、自動車販売、住宅が市場予想を上回る強い伸びを示しています。暖冬という天候要因が、持ち上げていることは間違いないですが、消費者センチメントや労働市場の自立回復が支えている面もあり、今のところ堅調と言って良いでしょう。Q1の決算も消費系企業は好調であると思います。消費者のクレジットを見ても、延滞率が改善し続けており良好な環境を裏付けています(ちなみに今発表されたアメックスは市場予想を若干ビートしました)。ただ、ローン残高が減少している点には注意が必要で、今後力強さが一服する可能性が残されていると思います。

欧州は明確に緊縮による負担が出始めており、消費は不調です。米系の企業決算でも欧州では苦戦している企業が多いです。昨日決算発表した某企業ではギリシアとイタリアとスペインのみマイナス成長であると言っていました(まんまですが)。ECBによるLTROプログラムは短期流動性を供給できたものの、経済活動への影響は小さいと言えます。トラック登録が急落、テンプ社員の削減などが消費者マインドの低下を裏付けています。

アジアは中国がすでに減速していますが、その他アジアにも減速の兆しが出始めています。アジア系の主要な運輸会社の3月空輸トラフィックの減少が顕著です。日本は、どの会社と会っても例外的なく悪いですね。日本に住む日本人は気づいていないかも知れませんが、残念ながら我が国は世界の市場からまったく相手にされていません。小売系企業は日本の出店を増やす企業は聞いたことがなく、基本的に縮小・撤退の方向で考えています。日本経済が元気がなくなってくるとこのようなことが起こり始めます。海外で流行っている小売店が、日本に出店してくれないため、買えなくなってしまったりすることが頻繁に起こるでしょう。例えば、米国で流行っているチポトレというファーストフード店は、恐らく日本にはこの先も出店せず、アジア1号店は中国になるでしょう。私は数多くの日本の小売企業の経営者へ取材をしたことがありますが、最大のマーケットである中国市場に対する認識が甘く、今では完全に出遅れてしまっていることを残念に思っています。

米系の消費系企業が中国で出店できて、日系ができないことの裏には政治力の差もあります。米系企業は明らかに地方の有力政治家と繋がりを持っており、路面店の出店許可をいとも簡単に奪取していっていますが、この裏には米国政府経由での圧力がはたらいています。結局は政治力のない国は企業も育てることが出来ない訳です。米国政府が危機にあるGMフォードを助けるために、国をあげてトヨタ車の不良をでっち上げ、イメージを低下させようとしていたことは記憶に新しいと思います。トヨタの社長は米国議会の公聴会にまで呼ばれてボコボコにされていましたが、本来ならば日本政府はあの時トヨタが無実であることを国際的に訴えて実力行使に出るべき局面でした。昨年、過去最高益を出したフォードがある一方で、トヨタの決算はどうだったでしょうか?手足が食われてまだ、日本国民は自分の国が危機的状況にあることを認識していないようです。
[ 2012/04/19 05:25 ] 投資全般 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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