仙人の祈り

仏大統領選挙 - オランド大統領の政策

4 月22 日に実施されたフランス大統領選挙の第1 回投票には10 人が立候補していましたが、最大野党である社会党のオランド候補が支持率28.63%でトップに立ち、同27.18%で現職のサルコジ候補が2 位につけました。事前予想どおり、第1 回投票で過半数の支持率を獲得した候補がいなかったため、上位2 候補による決選投票が5 月6 日に行われます。アンケート調査によると、決選投票ではオランド候補がサルコジ候補に約10%ポイントの差をつけてリードしており、オランド大統領が誕生すると予想されます。

2007 年の大統領選挙でサルコジは家計の購買力を高め、経済を活性化させることを約束しました。ところが、「2012 年には5%へ低下」と公約した失業率は直近では実はイタリアよりも高い10%へ上昇し、また財政収支と経常収支の赤字も5 年前と比較して拡大しています。サルコジは家計に対する補助金や税優遇措置などで家計の購買力を支援しましたが、この反作用としてフランスの2011 年の財政赤字はGDP 比5.2%でスペインの同8.5%よりは小さいが、イタリアの同3.9%よりは大きい状況となってしまっています。

オランド大統領誕生は相場にとっては波乱材料が増すことになります。特に、税制度改革に関してサルコジと方針が違い、増税は高所得者、銀行、大企業を中心に実施するべきとの考え方です。また雇用対策の予算を拡大させる一方で、年金の支給開始年齢の引き上げを白紙撤回しようとしています。これらの政策を実行した場合、社会保障コストの増大につながり、競争力低下要因となることが懸念されます。その他いろいろな点において、メルケル&サルコジで推進してきた路線が修正されることとなる可能性が高く、ユーロ圏の経済不安が高まることとなりそうです。

欧州問題は今年もまだ続きそうです。オランド大統領誕生は、当然フランス国民の声であって、他の国でも選挙がある度に保守層の意向を反映した政権が誕生し、どちらかと言うと日本のようにそこそこの給料で、夢や希望はあまり持てない国へアジャストしていくと思います。そしてその度に、何故か共通の通貨ユーロの存在が疑問視されることとなるでしょう。まったく気の長い話ですね。
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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