仙人の祈り

ギリシア総選挙後も続く混迷

さて、昨日リスク要因としてあげたギリシア第1党の新民主主義党(ND)のサマラス党首が、予想通り連立の断念を示しました。ギリシアがユーロを脱退する可能性がジリジリと上昇しており、リスク回避が進んでいます。仮にギリシアがユーロ脱退となれば、ポルトガルなども脱退する可能性があり、金融市場がパニックに陥る可能性は否定できません。しかし、歴史的に考えれば、資本主義が続く限りはユーロという共通通貨は今の状態のままでは永続性がなく、アイドルグループのように徐々にメンバーが卒業するか、ドイツの属国になるしかありません。

ギリシャでは、憲法の規定によって第1党が3日以内に組閣できなかった場合は、次に第2党、第3党に続けて組閣が命じられますが、それも不調だった場合は、再選挙を行います。総議席は300議席で、過半数には151議席が必要です。第一党は断念したので、現在は第2党のギリシャ急進左派連合のツィプラス党首にバトンが渡っていますが、彼らは今回の破滅願望のあるギリシア国民の期待を一身に背負って躍進した党であり、第一党、第三党に「連立してやってもいいけど、これまでEU・IMFと約束したことは全部なかったことにするからな」、という無茶を言ってきているわけです。

第一党、第三党の背中にはタイガー戦車の照準が向いており、成り上がりの第二党の言うことを聞く訳にはいきません。つまり、誰も組閣が出来ずに再選挙となる可能性が高いと考えられます。再選挙になったら、勢いのある破滅願望の若者たちの票を集め、再び野党が議席を伸ばし、ユーロ脱退が現実のものとなる可能性が出てきます。若者からしたら、一度国が滅びてやり直した方が得ですしね。それよりも、ギリシアはこの間貰ったお小遣いを実はすでに使ってしまっていて、来月の取立てには払う金がない、というかそもそも政府がない可能性もあります。

現在の議席数
第1党:新民主主義党(ND)=(108議席)サマラス党首  逃げ切り世代
第2党:ギリシャ急進左派連合=(52)ツィプラス党首  破滅願望者連合
第3党:全ギリシャ社会主義運動(PASOK)=(41)ベニゼロス党首  アラフォー婚活女子
第4党:独立ギリシャ人=(33)  ノマド
第5党:共産党(KKE)=(26)  ニート連合
第6党:黄金の夜明け=(21)  黄金のタレ
第7党:ギリシャ民主左派=(19)  自分探し



本日の米国市場は上記の理由で再びリスク回避継続となりましたが、予想通りS&P500は1,350で切り返しました。ただ、企業決算では欧州部門の悪化が顕著になってきている会社が多く、欧州経済のダウンサイドリスクは注意したいところです。
為替の方は米10年物国債利回りが1.835%まで低下していることに注意が必要です。ドル/円に大きな下落圧力となるはずです。

ポジション: ニュートラル
織り込まれていない材料:(ネガティブ)5/9 ボルカールールの前倒しが決定。ギリシアのユーロ脱退の可能性。(ポジティブ)QE3はない。
豪ドル見通し:下落基調変わらず。
S&P500見通し:
下値は限定的、1,350辺りで止まる。

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[ 2012/05/09 04:10 ] 投資全般 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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