仙人の祈り

ザッカーバーグ氏とミーティング

先日FacebookのIPOロードショーがNYで開催され、私はザッカーバーグ氏と個別で会う時間を頂いたので、会ってきました。会ったと言っても、30分も待たされた挙句にミーティング時間は15分程しかなく、何だかスターの楽屋訪問といった感じでしたけど。

ザッカーバーク氏は日本株で例えるなら、能力はホリエモンで、性格はMixiの笠原さんと言った印象を受けました。本人は上場することにそれ程の意義を感じていないし、FaceBookをより進化させたいということしか考えてなさそうでしたね。

会社そのものは、短期的には投資が先行しているフェーズにあり、マージンが縮小していく傾向にあります。問題は広告以外に中長期的に利益を拡大していく新たな柱となる仕掛けがあるのかというところですが、恐らく何もありません。モルガンスタンレーはここで上場させて、逃げようと思っているのでしょう。

地域的にはまだアジアのシェアが低いので、横には展開できそうですが、本業の広告単価が米国では既に横ばいで推移しており、勢いがありませんね。日本ではFaceBookは勢いがまだありますが、恐らく近々ピークアウトするでしょう。
私からは「自分の会社の価値を幾らだと思うか」という質問をしましたが、「それは市場が決めること」と教科書通りの回答が来ました。逆に「あなたはどう思うか」と聞かれたので、こう答えました。

「ユーザーに対して月額$1を課金したと仮定します。ユーザー数は恐らく1/10になるでしょう。残ったユーザー数×年間$12がFaceBookの妥当な価値だと思います。$100Billionという今想定しているFaceBookの価値は、毎月$1を払ってくれる課金ユーザーが8.3億人いるという意味と同じです。つまり私はIPO価格が高すぎると見ています。半値になったら考えてもいいですけど。」

私がこう言うと、後ろに控えているモルスタの営業マン達の表情が強張り「(金づるの)ザッカーバーグ皇帝に何言ってくれとんじゃコラ」といった感じの雰囲気になり、その後すぐに終了となりました。これ以上余計なことをザッカーバーグに植え込まれたら困るといった感じでした。

最初から分かっていたこととは言え、何の価値もないミーティングでした。待っていた他の投資家は時間の無駄なので帰ってしまった人もいますし、大きな会議室で行ったプレゼンも空席だらけでした。ザッカーバーグ氏はプロの投資家のことが嫌いになったかも知れませんが、投資家は有名人に興味があるのではなく、価値のギャップがあることに興味があるのです。

上場後の株価が楽しみです。
[ 2012/05/10 05:15 ] 雑感 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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