仙人の祈り

ギリシア人はハイパーインフレに備えるべき

予想通りギリシアの挙国一致内閣に向けた調整が失敗に終わり、再選挙の実施が決定的となりました。ギリシャ急進左派連合ツィプラス党首のコメントを見ると「ギリシャの同胞の期待や野心を裏切らないと決意」「救済を支持する政党は希望のないギリシャを望んでいる」など、大統領に説得されようが何をしようがツィプラス氏の意思は変わりませんでした。ある意味で、日本の政治家もこれくらい強い意志があればいいのですが。

ギリシアは再選挙によってギリシャ急進左派連合(破滅願望者連合)が第2党から第1党へ躍進するでしょう。先週述べたように、彼らは3月に受け入れたEUとIMFの支援策を拒否する姿勢を明言しており、ギリシアは完全な借金の棒引きか、ドイツ・フランスから見捨てられ孤立無援になるかのギリギリの駆け引きを展開するでしょう。日本人とは発想が根本的に違うことがよくわかりますね。

実際にユーロを脱退することになったら、まずEUを脱退する必要があり、元の通貨のドラクマとユーロを交換するには事務的に更に何年かかかるでしょう。ただ、その前にギリシアはハイパーインフレが起こり、国家は破綻し国際社会からは消えることになります(お疲れ様でした)。ギリシア国内は「北斗の拳」のようなシチュエーションになるでしょうから、今から体を鍛えるか、日持ちのする食糧を買い溜めしておくことをオススメしたいですね。

一方で資本市場は冷酷ですので、脱退が決定した時点でギリシア問題が終わったということで、ポジティブなニュースとして受け止めるでしょう。韓国が破綻した時に日本は手厚い支援をしましたが、ギリシアがユーロを脱退し後は、ドイツは何も助けてはくれないでしょう。
ami

この他の欧州では、5月独ZEW景況感指数が予想より弱い内容となったことや、ユーロ圏の第1四半期GDPがゼロ成長となるなど、こちらも先日述べたように欧州のマクロの悪化が市場予想以上になってきました。欧州のマクロの悪化はまだまだ序盤です。今後は再びマクロ指標へ注目が集まるでしょう。予想より悪いマクロ指標を徐々に織り込んで行き、リスク資産は更なる調整を迫られると考えています。

豪ドル見通し:下落基調変わらず。S&P500見通し:下落基調だが、他のインデックスよりは強い。日経平均見通し:下落基調変わらず。織り込まれていない材料:(ネガティブ)欧州マクロ指標の悪化。中国の景気減速。(ポジティブ)QE3はない。
[ 2012/05/16 04:05 ] 投資全般 | コメント(2)
私も質問です
こんにちは。いつも楽しく拝見させて頂いてます。質問ですが、小松原さんはマクロは当たらないと書いていますが、正直これまで全部当たっているように見えるのですが、何かコツのようなものがあるのでしょうか?
[ 2012/05/17 03:19 ] [ 編集 ]
Re: 私も質問です
こんにちは。コメントありがとうございます。

いえ、特に何も特別なものはないですよ。マクロは当たらないというのは本当でして、たまたま最近イメージ通りの展開になっているだけだと思います。私はマクロの予想で動くことは為替でも本業のファンドでもありません。他の人で、マクロの予想を最もらしく説いている人がいたら、私ならあまり信じません。

大切なのは相場の神様の声を聞くことだと思います。どういうことかというと、株価とか為替などは、何万人もの参加者の創意に基づいて値段が付いているので、必ずそこには大切なメッセージがあるということです。相場の神様への祈りこそが大切なんです。その辺りはおいおい話していこうかと思っています。
[ 2012/05/17 09:31 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

記事の募集
  • 社会全般や政治・経済に関して、記事の寄稿を募集しています。お名前、タイトル、本文を記載しこちらまでお送り下さい
お問合せ
  • 出版・メディア関係の方のお問い合わせはこちら

管理人(Macoちゃん)が責任をもって小松原氏へ転送致します
人気記事(当ブログ内)
記事検索