仙人の祈り

反発も下げ相場の流れを変えるパワーなし

本日は、週末のG8の声明の中で、ギリシアがユーロを脱退しないことを望むと盛り込まれたことや、中国での農村部での新たな景気刺激策が実行される見通しが出てきたことで、いったん買い戻しの相場となりました。

私は今のところ下げ相場が続いているという見方を維持しています。株は買い戻しが顕著で一日半分の下げを戻しましたが、豪ドルを始め他のリスク資産の戻りはS&P500よりも弱く、日足で見たベアトレンドを変える程のパワーがありませんでした。

この手の動きは一般に釣りと呼ばれる動きである気がしてなりません(単なる感ですが)。リスク資産は下げ相場での3-4日に一回程度来る、反発であると見ています。

ギリシアに潜むリスクに関してFT紙が良記事を記載したので、その邦訳を載せて置きます。ご興味ある方はRead moreを押して見て下さい。


預金流出に揺らぐギリシャの銀行システム - Financial Times

アテネの銀行関係者らによると、ギリシャの預金者は5月14日、15日の両日で銀行口座から推定12億ユーロを引き出したが、ユーロ圏やギリシャの銀行当局者らは、金融機関での本格的な取り付け騒ぎは起きていないと主張する。

だが、6月17日の再選挙後に政府が樹立されるまで、ギリシャの銀行システムは金融安定化を図る同国の取り組みにおいて、最も弱い部分になる恐れがある。預金者のパニックの兆しが見られたら、ユーロ圏諸国の指導者は、ギリシャ政府が発足していない中で救済に関する重大な決断を迫られるかもしれない。

4400億ユーロ規模のユーロ圏の救済基金、 欧州金融安定機関(EFSF)は先月、ギリシャの銀行のてこ入れに乗り出し、1740億ユーロの追加支援策の一環として、銀行の資本増強を管轄するギリシャの機関に250億ユーロの救済資金を送金した。

資金が送られたのは4月19日。5月6日の選挙でギリシャ国民が大挙して救済策の合意内容に反対票を投じることが明らかになる前のことだ。



だが、この資金はまだギリシャの4大銀行の手に渡っていない。現金注入と引き換えに政府がどれほど支配権を持つかを巡り、ギリシャ政府と銀行幹部が交渉していたためだ。

ギリシャの当局者らは、救済資金のうち180億ユーロは週末までに分配される見込みだと話している。

しかし、ギリシャの銀行の財務の健全性に対して、ユーロ圏の当局者らが懸念を深めている兆候が見られる。欧州中央銀行(ECB)が資本増強の遅れを理由に、一部の銀行に対する、日常業務を賄うための低利融資の供給を停止したのだ。

現状では、ECBの通常の資金供給オペから締め出されたギリシャの銀行は、ギリシャ自身の中央銀行から予備の資金供給を受ける。「緊急流動性支援(ELA)」として知られるプロセスだ。だが、こうした資金もECBの政策理事会による承認の対象となり、ECBは法律で、支払い不能状態に陥った銀行への資金供給の承認を禁じられている。

こうした「流動性オペ」がないと、ギリシャの銀行部門全体が崩壊し、ユーロ圏の各国政府はさらに救済資金を注入することを余儀なくされる。

ユーロ圏の政府が二の足を踏んだ場合、ギリシャ政府は独自通貨を印刷せざるを得なくなる。

その結果、自分たちのユーロがドラクマに転換される可能性に怯えたギリシャの預金者が予想を上回る規模で逃避すれば、欧州連合(EU)の指導者はすぐに運命を左右する決断を迫られる恐れがある。

その場合、ECBやユーロ圏の政府は、ギリシャの新政府から救済支援の条件に従うという言質を一切得られないまま、追加資金を承認せざるを得なくなる。現行の救済プログラムでは、全体で480億ユーロの資金がギリシャの銀行に渡ることが見込まれている。

ECBは支払い不能状態の銀行に対しELAの資金供給を継続することを禁じられているものの、どの段階でギリシャの銀行が支払い不能と判断されるのかは明白ではない。このためECBには、政治空白の最中でも、ギリシャの金融システムが機能し続けるようにする余地がある。

<パニックには至っていないが、昼までに現金が尽きる支店も>

地域の銀行の監視に携わるユーロ圏の高官らは、ギリシャの銀行からの預金流出は管理可能であり、パニックを示唆する規模には及んでいないと話している。

アテネ在勤のあるプライベートバンカーは、16日は以前より緩やかなペースでの預金流出が続いたとし、「今日(16日)は助言を求める顧客からの電話が増えたが、預金の引き出しは減った」と言う。

ギリシャ銀行(中央銀行)の当局者からはコメントを得られなかったが、銀行システムが疲弊し始めたことを示す断片的な証拠がある。アテネの商業・住宅街マルーシ地区にある銀行の顧客は、いくつかの支店で昼までに現金が尽きたと話している。

「今では、1000ユーロ、2000ユーロ以上のお金を引き出したければ、前日に注文を出しておかなければならない」と、あるレストラン経営者は言う。

また、あるギリシャの銀行関係者は「今のところ管理可能だが、銀行システムは極めて資金が漏れ出しやすくなった」と指摘する。



世界的な金融機関の団体である国際金融協会(IIF)のチャールズ・ダラーラ専務理事は16日、ギリシャがユーロから離脱すれば、ギリシャ政府はECBから受けている流動性融資を全額デフォルト(債務不履行)し、中銀が莫大な自己資本増強を余儀なくされると述べた。

「ギリシャの銀行システムは今以上に大々的に崩壊するだろう」。ダラーラ専務理事はダブリンで開かれた会議でこう語った。

「欧州はギリシャ離脱への備えができており、市場は離脱を織り込んだという記事を読んだ。とんでもない。一体ベルリンの誰が、フランクフルトの誰が、ロンドンの誰がECBの自己資本が吹き飛ぶ事態を織り込んだのか?」
[ 2012/05/22 05:06 ] 投資全般 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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