仙人の祈り

魔の金曜日

雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比6.9万人増と、コンセンサスの15万人増を大きく下回り米国経済に暗雲が立ち込めています。3ヶ月連続の悪化であり、かつ前月の数字も下方修正されています。内訳を見ると、暖冬の反動の影響を受けやすい建設(前月比2.8万人減)などはともかく、天候の影響を受けにくい、会計・経理サービス(前月比1.4万人減)や建物・住居向けサービス(前月比1.4万人減)などでも減少、また、小売業の雇用も前月比0.2万人増のみであり、内容は悪いと言えます。

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ISMは53.5と市場予想53.8をわずかながら下回ったものの、新規受注指数は60.1と4月の58.2からむしろ上昇しており、懸念していた程悪くありませんでした。ただ、輸入受注指数は59.0から53.5へと低下し、景気減速する海外からの需要は減退していることを示唆しており、注意したいところです。

6月のFOMCに向けて追加緩和期待を高める内容ですが、金利が大きく低下してしまっていること、更にバーナンキ議長やダドリーニューヨーク連銀総裁はすでに季節調整の歪みや暖冬効果の反動を認識していることなどを考慮すると、QE3が導入される可能性は依然として高くないと考えています。
米国債10年物利回りは連日の記録更新中です。図のように、ついに1.45%まで来ました(大丈夫でしょうか?)。マクロ懸念が高まっているスペインの利回りと対象的ですね。ちなみにドイツ連邦国債2年物は本日マイナス利回りへ突入しました。理論的に考えると、「お金を払ってでもドイツ債を買いたい!!」という状況です。現金で持っていればよいではないかと突っ込まれそうですが、ユーロで持っていた方が、危険だと感じているということです。異常事態と言えるでしょう。

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為替を見てみましょう。本日は過去数年の流れを週足で見てみましょう。ドル円は雇用統計発表直後に介入のような動きがありましたが、もし介入であっても米国金利は急速に下落中であり、このまま長く支えるのは難しいでしょう。投機的な動きには断固たる対応、と言っていましたが、ハッキリ言ってこの状況で介入する方が投機的だと思うのですが、、、。豪ドル/米ドルはリーマンショック前の価格にあります。これでもまだプレミアムがついた状態ですが、豪州という国の成長見込みと相対的な安定感が評価されています。

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さて、私の好きなRSI(相対力指数)を見てみましょう。見方としては縦・横の順で読んで下さい。AUD/JPYでしたら○で囲った23.23です。欧州の通貨が対円で特に売られている様子が見て取れます。RSIが20を下回るのは、余程のことです。しかしUSD/JPYはまだ30.08と他よりは売られ切ったという感じがしないため、クロス円全体がまだ下を見る可能性が高いのがネックです。

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嵐の過ぎ去った後ですが、しばらく静観を続けた方がよいでしょう。金融市場は現在、株以外のどれを見てもかなり歪んだ状態であり、気持ち悪い感じがします。ただこう言った場合、株式市場よりもマクロに関しては債券市場の方が、いち早く将来を反映していることが多いことが気になります。ギリシアを通り越えてスペインなどで何かが起こっていることを織り込んでいる可能性もあります。それならば、株も債券も為替も説明が付きます。

ここ最近は新たに中国の減速が気になってきています。昨日のPMIが悪化しているということだけではなく、もっとミクロレベルで経済の減速を伺わせる情報がいろいろ入って来ています。
[ 2012/06/02 06:15 ] 投資全般 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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