仙人の祈り

ヘッドアンドショルダーは完成せず

8:30に発表された5月の小売(自動車・ガス除く)のデータがコンセンサスの+0.4%に対して-0.1%となり、また前月の数字も小幅下方修正されていたことから、寄り付きは-0.5%程の売りで始まりました。

ただし売りは寄り付き後30分程度で終息し、その後相場は一気に反転を始めまして、小幅のプラス圏まで上昇しました。この一転上昇に向かったキッカケとなるようなニュースフローとしては、強いて言えば、ギリシャ急進左派連合ツィプラス党首が「EUはギリシャをユーロから追放しないだろう」とコメントしたことや、フラハティ・カナダ財務相が「次回のG20で刺激策について協議する可能性がある」と述べたことなどがありました。

相場の中盤は小幅のプラス圏で小幅な動きに留まりましたが、午後1時30分あたりから、再び下落へ向かい、その後引けへ向かって下落が加速して、結局寄り付きで付けた安値を更新して引けました。

下落へ向かわせた要因として考えられることは、フィッチが「スペインの銀行の不足資金は最悪1000億ユーロになる見通し」との見解を示したことや、オランド・フランス大統領が「ギリシャがコミットメントを中断したい印象が与えられれば、一部の国はギリシャのユーロ圏離脱を望むだろう」というコメントがキッカケとなったと考えられます。また、その後の下落を加速させた要因としては米格付け会社イーガン・ジョーンズがスペインの格付けを「B」から「CCC+」に引き下げたと発表したことなどが挙げられます。

小売のデータが悪かったため、為替はドルを中心に売られ、債券は上昇、10年債利回りは再び1.6%を割り1.59%となっています。

本日はS&P500が1307辺りを割れ込んだ場合には短期のヘッドアンドショルダーが完成したため、下を見る必要がありましたが、最後にギリギリで切り返しており、現時点では下げサインは出ていないと考えています。

見通し

6月は上昇すると考えています。米国債金利が一時1.4%台へ突入するなど、先月の行き過ぎた動きの反動が続き株価は堅調に推移すると考えています。ギリシアは選挙結果に係わらず、ユーロ残留と緊縮財政の譲歩を引き出すと考えられますし、欧州も私が予想したよりも早くに、ユーロの財政統合へ向けた動きが発言に見られて来ています。新興国は金融緩和を明確にしており、景気の底割れのリスクは小さくなっていますし、加えて、米国は景気に減速の兆しが見られれば量的緩和というカードを持っている状況であり、先月の反動を予想しています。

もっとも、欧州情勢の不安が消えることはなく、キプロスやアイルランドの救済、ポルトガルの第二次支援、脆弱なスペイン経済、ユーロ圏の枠組み変更に係わる動きなど、不透明要素には事欠かない状況であるため、来月以降は再び下落へ向かうと考えています。
[ 2012/06/14 06:31 ] 投資全般 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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