仙人の祈り

傾斜産業となった運用業界とインサイザー取引

日本の運用会社や証券会社がインサイダーで次々と挙げられていますね。昨日もジャパンアドバイザリーというそこそこ有名な投資顧問会社が日本板硝子の2年前の公募増資の情報を事前に大和證券から得ており、ショートで不正な利益をあげたとして金融庁から刺されました。私も知っている人がいますが、会社は解体ですので、全員職なしになってしまいますね。

2010年の日本板硝子、東京電力、INPEXの公募増資は誰がどう見ても事前に情報が漏れていることが分かる株価の動きをしていました。実のところを言うと、この3件は業界の人ならばほぼ全員が知っているほど、ポピュラーなインサイダー情報でした。ただ、インサイダー情報と知っていても、実際に取引したり、他言をしなければシロですので問題ありません。

日本はバイサイド・セルサイド共にどの会社も業績不振であり、不正とは知っていながらもインサイダーに手を出してしまったのでしょうね。ファンドの成績を1bpsでも伸ばしたいファンドマネージャーと、少しでも注文を得たい証券会社の機関投資家営業マンの利害が一致しており、多くの運用会社がこの件に係わっているのは間違いありません。

資産運用業は景気の最先端を行くビジネスモデルですので、いち早く傾斜産業となりました。外から見ると、一見華やかに思われる機関投資家も、実態は冴えない資本市場により、更に生き残りが厳しくなっています。プロの投資家が、「就職する業界の選択」という最大の投資判断を誤っているというのは、何とも皮肉な話ですね。
[ 2012/06/30 06:49 ] 投資全般 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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