仙人の祈り

ニューヨーク生活、哀歌

私は仕事場も住まいもニューヨークのシティ(マンハッタン)にあるので、生活のすべてが島の中で完結している。

言わずもがなだが、シティは大都会なので、大概のものは何でもあるが、やっぱり暮らしやすさという意味では、日本の方が遥かに良いなと今でも思う。

Wall Street第一に物価が高い。恐ろしく高い。私の住んでいるマンションなんて、もし自腹で払っていたら、給料がそれだけで飛ぶ。夕飯をデリで何でもないものを買っただけでも$10は越えるし、ウエイターがいれば15%のチップを払わなけばならない。ほとんど家にいないのに、電気代は$100を越えるし、ほとんど電話なんかしないのに、AT&Tモバイルから$120のビルが来る。挙げ句の果てには、人生で初めて歯医者に行くことになり、虫歯を1本治療したら$3,000請求される始末である(毎月$680払っている保健の適用後で)。挙げればキリがない。

最も、この国は日本と違い、安定的に毎年2%ほどインフレし続けているので、日本と比べても仕方のないことかも知れないが、もしも等価の物やサービスと比べたとしたら、3割りくらいは東京と比べても高いという印象だ(2%×失われた20年と考えると合点が行く)。

第二に、余暇の過ごし方に多様性が全然ない(庶民の場合)。私はナード(所謂、オタク)に近い人種であることは自覚しているが、それにしてもバーで飲んで休日は郊外の一軒家でBBQする以外に、何か遊びはないのだろうかと思う。私はお酒は一滴も飲まないし、肉を食いながら得るもののないジョークを飛ばし合うのも好きではない。ゲームセンターやバッティングセンター、パチンコ屋、マン喫で無心になり、腹が減ったら吉野家へ行くような、根暗な人向けのソリューションが無いのだ。
遊びでも何でもそうだが、アメリカ人は全体的に何でもパーケージ化する傾向にあり、そのことに疑問を投げかけるのはタブーになっている。そこがグローバルで成功するアメリカ企業の強さにもよく現れているのだが、選択肢が多くカスタム化したがる日本人の方が世界で見れば少数派である。「組み合わせ次第で何千通り、あなただけの、、、」という類のコピーをアメリカでは見たことがない。

第三に、食と健康のクオリティーに難がある。真っ当な食品やレストランは何でもあるし、日本食スーパーもあるので、欲しければ何でも手に入るが、前述のように高すぎてお話にならない。先日は、日本のコンビニのレジのところで100円で売っている”みたらし団子”が目に入ったので、買おうか悩んだが、$4は馬鹿らしいので結局やめた。私は食には全然こだわりがないので、お昼に$1ピザを食べてて同僚に心配されてしまうくらいタフだが、それでも海産物の摂取量がほとんどないため、たまに青魚とかが異常に食いたくなったりするのだが、そんな食生活を送る予算がない。

総括すると、私のような庶民がシティで暮らすのには、やや無理がある。もちろん、アメリカ社会全体は大らかでアバウトなので心地よい時もたくさんあるし、事実、精神的な豊かさでは日本とは雲泥の差だろうが、シティというのは仕事か観光に来るものであって、庶民が住まうような場所では決してないということだけは明らかである。
[ 2012/10/06 11:35 ] 雑感 | コメント(1)
Re: タイトルなし
そうでしたか、すでにマレーシアはバブルっぽいですか。KBさんもナードですか、笑。でも確かにナードじゃないと当ブログ自体読んで頂けないかも知れませんね。

という訳で、徐々に記事の内容や、書き方をちょっと変えていこうかと思っています。
[ 2012/10/07 08:17 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

記事の募集
  • 社会全般や政治・経済に関して、記事の寄稿を募集しています。お名前、タイトル、本文を記載しこちらまでお送り下さい
お問合せ
  • 出版・メディア関係の方のお問い合わせはこちら

管理人(Macoちゃん)が責任をもって小松原氏へ転送致します
人気記事(当ブログ内)
記事検索