仙人の祈り

ココロの隙間を埋める - 孤独消費の成長性

21世紀最大の成長産業は?と聞かれたら、それは「孤独消費」と言えるかも知れない。

先進各国の人々は、歴史的な観点から見ればとても裕福な状態にある。それなのに、何故か幸福度は年々落ちてきている。彼らの頭上で忙しく時間が流れる一方で、ココロの中を覗くと孤独と不安で一杯、、、それが現代人だ。

世代の特徴なのかも知れないが、若い人程仕事が終わると一人になることを選ぶ。しかし、一人になると孤独が支配してきて時間を持て余してしまうので、SNSやソーシャルゲームで半分バーチャルの人と人との触れ合いを行い、或いはペットと遊んで孤独を癒す。

仕事場での余計な交流は面倒くさいだけなので極力避けたい。一方で、人間なので温もりは欲しい。こうして旧来は飲み屋へ落としていたお金が、孤独を埋め合わせする消費へと流れていっているのだ。

実際、SNSとペット業界は直近10年で加速度的な成長を遂げている。SNSはDeNA、Gree、FaceBookなどの隆盛は言うまでもないし、ペット産業では日本であればユニチャームペットケア、米国ではPetsmartという世界最大のペットグッズ専門店の目覚しい成長が続いている。結婚紹介ビジネスも、現代社会が生んだものだろう。病んだ社会の狭間で産声を上げた産業は少なくない。

投資家としては、今後はどのような時代の流れになっていくかに興味がある。日本の場合は、経済の低成長が長期化していくため、若者の世代の価値観の変化が想像以上のスピードで起こるだろう。バーチャルな温もりから、再び本物の温もりを求め始めるかも知れない。どちらかというとアンチ資本主義的な発想が広がり、農業や地方限定での小さなビジネスが増えてきて、金融はより個別化したマイクロファイナンス的なアプローチが要求されるかも知れない。

金融業界は盛り上がりに欠けるかも知れないが、個人的にはそういう風潮は悪くはないと思う。富や幸せはお金で計れるものではなく、金融はあくまでもツールの一つでしかない。稼ぐことが目的化していて、ココロがいつも寂しい人生なんて、何の意味もない。

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[ 2012/10/15 11:36 ] 経済社会 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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