仙人の祈り

日本滞在レポート - 過剰な消費者サービスがデフレ圧力に

日本へ滞在して数日が過ぎたが、確実に太っている。その昔、「スープに改良の余地があるんじゃないか」と、ラーメンチェーン店の「日高屋」の社長に苦言を呈したことがあるが、それすら飲み干す勢いだ。米国生活のせいで、かなりハードルが下がっている。

スーパーのダイエー行ったが、あまりの品目の多さに目が回ってしまいそうだった。ニューヨークのTrader Joe'sでは使う必要のない頭を使ってしまった。食品小売業ではロス率(売れ残り)は収益性を左右する重要なファクターだが、日本のスーパーやコンビニはこの数値が世界一高いことで知られている。品揃えが多すぎて、結果的に在庫管理と流通コストも高くなっており、収益性を悪化させている。

レジへ行くと、パートのおばさんが深々と一礼したので、思わずこちらも一礼してしまった。モンスターコンシューマーが増えていると聞いたことがあるが、たかがスーパーでもこの調子だと、日本の消費者はつけ上ってしまうのではないだろうか。「Next!!」と客を呼びつける米国の店員に慣れている私としては、何ともむず痒い気持ちになる。

最も驚いたのは、石鹸や洗剤に「詰め替え用」というのがあることだ。スターバックスの2杯目が安くなる方式が、日本では日用品でも採用されている。確かに、洗剤などのボトルはPET(ポリエチレン テレフタレート)という高級樹脂で作られているため、実はかなりのコストがかかっている(例えば、150円のペットボトルのうち、容器のコストは30円程)。詰め替え用はエコでもあるし、値段も安くできるので一石二鳥であるが、これらの過剰な消費者視点のサービスが、全体から見ればデフレ圧力の一因となっているというのは、何とも皮肉な話だ。
[ 2012/10/30 20:51 ] 経済社会 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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