仙人の祈り

投資信託の真実 - 合法的な詐欺商品

ファンドマネージャーである私が言うのもなんだが、投資信託という金融商品を買ってはいけない。

巷では投資信託の広告や勧誘で溢れかえっている。証券会社の営業マンもやたらと投資信託の購入を勧めて来るはずだ。「プロのファンドマネージャーが運用する」「小額でリスクを抑えた分散投資が出来る」「これから注目の投資テーマに投資できる」「配当が毎月もらえる」などが宣伝文句であるが、これらはすべてが善良なる個人投資家から資産を搾取するための罠であると考えてよい。合法的な詐欺と言っても過言ではない。

理由は主に以下のようなものがある。

1)コストが高すぎる。投資信託は購入時に2-3%の販売手数料を証券会社に取られる。そして年間1%程の運用報酬を運用会社に毎年取られる。更に途中で解約した場合には、迷惑料として1-2%を支払う必要がある。この世界的に低金利の時代に、これらのコストを支払って余りあるパフォーマンスを出せる投資信託(ファンド)など、世の中に数える程しかない。
2)実力のあるファンドマネージャーが運用していない。ファンドマネージャーは世の中に数多くいるが、実力があり、(年金基金ではなく)投資信託の運用を担当するファンドマネージャーはそれ程いない。日系の大手の運用会社はほとんどが銀行や保険会社の傘下の運用会社であり、ごく普通のサラリーマンである。彼らのインセンティブは低く、故に向上心がない。また、大きなリスクを犯して大負けしてしまうことを恐れて、リスク&リターンが小さくなるように行動する傾向がある。

3)設定時が相場のピークであることが往々にしてある。テーマ型のファンドの多くは、すでに誰でもそれを知っている程にブームを迎えた状態で設定される。例えば、新興国の株が爆騰して話題となった頃に、「これからは新興国の株の時代だ」と言って新興国への集中投資ファンドがローンチされる。ファンドマネージャーの先見性がないことと、ブームになっているテーマの方が一般投資家受けがよく、売りやすいからだ。

4)四半期分配や毎月分配という詐欺。「このファンドからは配当が頻繁に出る」という謳い文句のファンドがよくある。しかし、その配当の原資は投資先の企業から得た配当金ではなく、投資信託の元本から拠出されていることがほとんどである(業界ではこれを"たこ足"と呼ぶ)。基準価格が10,000円のファンドが翌月10円の配当を出したとする。他の条件が何も変わっていないことを所与とすると、次の日の基準価格は9,990円になるだけである。

以上のように、投資信託とは個人投資家からお金を搾取するための商品でしかない。投資を行いたければ、直接現物を買うのがよい。営業マンの身勝手な誘いに騙されてはいけない。

himote
[ 2012/10/31 21:28 ] 投資全般 | コメント(8)
補足させてください
コスト高なのは販社さんが儲けたいからです。実力のあるファンドマネジャーは、日本で売るための投信のようなややこしい商品には関わりたくないと思います。設定時が相場のピークなのは、ファンドマネジャーの先見性がない訳でなく、販社さんが売り易いからです。四半期分配や毎月分配は、主要なお客さんである高齢者の方々が自分で利喰えないので、こうした仕組みが必要になったからです。尚、原資がなくなって分配金が将来減ってしまうことを恐れて、最近では目標払出しという更なる亜流が出てきています。
[ 2012/11/01 22:24 ] [ 編集 ]
spriteaさんありがとうございます。素晴らしい補足をありがとうございます。

目標払い出しというのがあるのですね。勉強になりました。

日本では外貨建て投信も流行っていたようですが、外から見ているともう何が何だか分かりませんね。国内REITファンドでレアル建てとか、ルピー建てとか、、、何か冗談のように聞こえます。
[ 2012/11/02 06:38 ] [ 編集 ]
問題なのは人の金をノーリスクで扱えるってことですよ。
法律で許された合法的な詐欺といえる。

必ず運用する側は儲かる仕組み。
法規制すべきだと思うね。
損したら個人でも法人でも折半なするとか。
[ 2013/02/02 13:03 ] [ 編集 ]
Re: r
fさん、コメントありがとうございます。

そうだと思います。ですので、私のようなファンドマネージャーでさえ、個人に自分で直接買うことをオススメしています。特に日本型の投資信託はお客様から富を奪うだけの合法的な詐欺商品です。

銘柄選択に優れているプロの投資家というのは、世の中でもごくわずかです。ただ、年金などの巨額の資金をお客の取りたいリスクに合わせて投資先を選ぶことなどは、一般の方には出来ないと思うので、そういった運用サービスを提供することなどには、付加価値はあると思います。
[ 2013/02/02 13:23 ] [ 編集 ]
低コストで市場平均のインデックスファンドは買ってもいいですか
ドルコスト平均法で、無(低)分配のものを考えています
日本、大半の新興国はコーポ―レート・カバナンスが悪いので、
ベンチマークが先進国、米国のものとして
SMT等の国内投信、あるいはバンガード等の海外ETFなら
どう思われますか?
しっかりと勉強しないなら、投資しない方がましでしょうか

理由も合わせて、小松原さんの考えを教えてください
よろしくお願いします
[ 2013/10/26 15:04 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
よろしいのではないでしょうか。株式はインフレに対するリスクヘッジになるので、細かいことを勉強する手間を省いてETFを購入するのは、決して悪くない選択です。半数以上のプロが市場インデックスに勝つことが出来ていません。インデックスに安い手数料で投資できるETFはよい商品ですし、ドルコスト平均法でそれをゆっくり買うのも正しい買い方です。
[ 2013/10/26 15:58 ] [ 編集 ]
株式がインフレヘッジ?
返信ありがとうございます
「株式はインフレに対するリスクヘッジになる」というのは
厳密には間違いではないでしょうか?

物価上昇による、資産の実質的減少、購買力低下を防ぐという意味①では
株式リターンが実現物価上昇率を偶然、上回っていました
しかし、物価上昇率とともに収益率が上昇するという意味②ではありません
GPIFが使っているイボットンソン・モデルによると
名目収益率=配当利回り+BPS(自己資本)成長率+PER変化率です
なので、実現物価上昇率とは関係ありません
(期待物価上昇率とは少しあるかもしれません)
将来的には株式リターンがインフレ率を下回る可能性も十分あると思います
↓実際に下回っている例
HYIP de orzゴールドと株式はインフレヘッジにならない
http://hyipdeorz.jugem.jp/?eid=12976

つまり、インフレヘッジには2つの意味があり、
意味①では偶然成り立っていたが、これからも成り立つとは限らない
意味②では元々成り立っていないが、正確ではないでしょうか?

重箱の隅をつくような質問でしたら、すいません
よろしくお願いします
[ 2013/10/26 21:12 ] [ 編集 ]
Re: 株式がインフレヘッジ?
それほどインフレに関してお考えがあるのならそれでよいのではないでしょうか?
それに長期ではダウは物価を見事に反映しているように見えますが、、、。
イボットソンモデルとやらの各項目に、実質のインフレ率の上昇も織り込まれていると思いますが。

ご質問の意図が見えないのと、揚げ足を取られるだけの気がしますので、これ以上は返信致しません。名無しでのコメントは極力避けて下さい。
[ 2013/10/26 21:39 ] [ 編集 ]
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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