仙人の祈り

経団連 「会社?オレのものだろ?」 - 海外 「*゚Д゚)*゚д゚)*゚Д゚)エエェェ」

アジア各国の企業統治のクオリティーを評価する「アジアン・コーポレート・ガバナンス協会」は、日本の企業統治の体制を、最低ランクに位置づけている。それもそのはず、日本企業の経営者は未だに会社を私物化しており、我が身を守るために全力を尽くしている。それは海外投資家や従業員などの他のステークホルダーからすると、まったく見るに耐えない程の醜悪である。

最近ではオリンパス事件が良い例だ。$1.7Bの損失隠しを自ら暴露したオリンパスのウッドフォード社長は、取締役会で全会一致で解任案を可決され会社を去った。そして真実が明るみに出た後でも、その取締役達は訳の分からない言い訳を繰り返し、今でも会社に居座り続けているのである。本来ならばこの茶番劇に制裁を加えるため、筆頭株主である某生命保険会社などの機関投資家が取締役全員の解任を決議するべきだが、彼らも何一つ行動を起こさず、最後まで沈黙を守り続けた。つまり言うと、全員が腐っていたのである。

もっと衝撃的であったのは、この取締役の中には3人の社外取締役がいたということだ。社外取締役というのは、経営陣が保身に走ることを防ぐために会社と利害のない人物が選ばれ、もしもの時に制止するのが本来の目的だ。しかしオリンパスの3人の社外取締役は、ウッドフォード氏本人の証言によると、解任決議案に顔色一つ変えずに賛成したというのだ。これではもう、どうすることもできない。
先進国では日本だけが、社外取締役の設置を義務化していない(アジアでは中国、インド、韓国などが、設置を義務化している)。しかし日本の場合、社外取締役がいたとしても、オリンパスのように、実際には何も反対してこない。大株主も一つも煩いことは言ってこない。日本は取締役が己の地位を守るという意味では、最高の国なのである。

このような環境を守ろうと必死なのが、経団連である。コーポレート・ガバナンスの透明性を上げるための法案は、これまで何度か有志によって提案されたが、すべて経団連によってもみ消されてきた。「経営の自由度が低下する」というのが彼らの言い分だが、本音は会社の私物化が出来なくなることを嫌がっているだけだ。次に自民党が政権を取ったとしても、結局は経団連の組織票を無視することは出来ないので、法律からこの体制を変えることは困難だ。財界と政界がタッグを組んで守っているものは、国民の利益ではなく、自分達の利益だけである。

日本株の長期的な低迷は、このような経営の閉塞感も要因となっている。海外投資家から見れば、世界にはもっと信頼できる会社が山ほどあるのだから、敢えてコーポレート・ガバナンスの弱い国へ投資をする必要性がまったくないのである。経団連の理事達は、株価が上がらないと文句ばかり言っているが、この事実には目を向けようとしない。何とも滑稽な話だ。

この体制を変えるにはどうしたらよいか?。私の考えでは、最良の方法は、"待つ"ということだ。「戦後の日本を大きくしてきたのはオレ達だ!!」、という老害の気持ちは理解できない訳ではない(実際に功労者も多くいるだろう)。だからと言って、時代がすでに大きく変わっているということを気ずかせようと、労力を裂くのは無駄である。権力と慢心に染まった高齢者の価値観は、簡単には変わらない。そんなことをしている間に、結局、彼らの寿命の方が早くやって来るだろう。
[ 2012/11/09 20:19 ] 経済社会 | コメント(4)
どうしましょうね
今日ググって初めて知りましたが、「飛ばし」のスキームに登場する元外資系証券の債券部長がオリンパスの社外取締役とは・・・。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111122/291305/?ST=business&P=1
頑張っている会社もあるのに、悪貨が良貨を駆逐する世界です。機関投資家が頑張って厳しく議決権行使をして変えていくべきでしょうが、そこにも問題がありそうで・・・。
ネット文化で変えていきましょう。
[ 2012/11/10 22:14 ] [ 編集 ]
そうですね。その記事にあるように、なんちゃって社外取締役が多いのが日本の特徴ですね。ガバナンスなんてないようなものです。

オリンパスの件で、筆頭株主である某生命保険会社では、運用に携わる総合職全員に、マスコミなどに何を聞かれても知らぬ存ぜぬを突き通すように命令が出ていたそうです。呆れてものも言えません。

私が年長者に対して厳しいことを書いてしまうのは、仕事柄、いろいろなことを知ってしまっているからかも知れません。日本の将来を破滅に追いやろうとしているとしか思えない時がありますね。経団連の会長のYさんなんて、住友グループのことしか頭にないです。

若い世代はこうしてモチベーションをちゅうちゅう吸い取られている訳で、よく耐えているなと思ってしまいますね。
[ 2012/11/11 00:21 ] [ 編集 ]
追加情報です。
The Economist記事の日本語訳が出ています。
世界に後れを取る日本の企業統治
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121108/239212/?P=1

何れにしても日本株はマーケット(インデックス)で買ってはいけない、ということです。
[ 2012/11/11 21:21 ] [ 編集 ]
そうなんですね。海外から見ていると、もはや日本株の存在感は本当に小さくなってしまいました。正直、ウォールストリートではNIKKEIはKOSPIと同じような位置づけで見られています。

むしろ中国やシンガポールは最近、日本の割安上場企業を個別でピックするようなスタンスの投資家が増えていますね。日経225を買ってはいけない、という本が最近売れましたが、まあ、そういうことだと思います。

日本人投資家としては、何だか寂しいですね。日系運用会社はどのようにして食べて行く予定なのでしょうか?(あるいは既に処方箋もないのか、、、)
[ 2012/11/11 21:31 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

By 管理人:

Macoちゃん♀・x・)

記事の募集

社会全般や政治・経済に関して、記事の寄稿を募集しています。お名前、タイトル、本文を以下のフォームにてお送り下さい。採用・不採用は当ブログへの記載を以ってご連絡とさせて頂きます。

お名前:
メルアド:
タイトル:
本文:

人気記事(当ブログ内)
記事検索