仙人の祈り

ソーシャルゲームは海外で成功するか? - 立ちはだかる2つの壁

先日、日本に帰った時に初めて知ったのだが、LINEが日本でかなり普及しているようだ。

LINEを運営しているNHN社の発表によると、全世界の7,000万ユーザーのうち、3,150万が日本人というのだから驚きだ。本国の韓国よりも、スマホの普及と、通信インフラ(LTE)が発達している日本でユーザー数が拡大している。

彼らの戦略は無料通話&チャットでアクティブユーザーを集め、やがてゲームなどで課金するというものだ。事実、最近になってゲームのリリースを加速させており、先日も一気に5作品を投入した。

タイトル名は「LINE POP」「LINE カートゥーンウォーズ「LINE パタポコアニマル」「LINE ホームランバトル バースト」「LINE 勇者コレクター」である。内製(自社)ゲームに加え、GameEvilやCom2usなどの3rdパーティものも投入されている。

ゲームはすべて、ダウンロード無料・アイテム課金であり他社と同じだが、大きく異なるのは、モバゲーやグリーを使わずAppStoreやGooglePlayを通じてアプリをダウンロードする点である。この点は後ほど説明する。
以前のエントリーで紹介したが、孤独消費の代表例として日本はソーシャルゲームが世界で最も拡大した。モバゲーやグリーはこの波を完璧に捉えて急成長を遂げてきた。

しかし、時代の変化は早い。日本でのソーシャルゲーム業界は既に会員が3000万を超えており、成長に陰りが出始めてきている。モバゲーやグリーは市場の評価を繋ぎ止めるためには、海外に成長を求める必要があり、今年から本格的に米国での進出を始めた。

ここで両社の誤算は、世界ではすでにGoogle PlayやAppStoreが全く同じビジネスモデルを展開していたということである。

モバゲーやグリーのビジネスモデルは単純だ。ゲーム製作会社に対して、自社のゲームプラットホームを貸し出して売上の30%を「場代」として徴収するものである。日本での両社の成功を見て、GoogleやAppleはこのモデルをすぐにパクり、海外でソーシャルゲームが流行する場合に備えていたのだ。

LINEはゲームを展開するプラットホームにモバゲー、グリーではなく、Google PlayとAppStoreを選んだ。つまり彼らは将来の勝ち組は後者だと分析しているということである。足もとではこのようなゲーム会社が急増していおり、事実、モバゲーとグリーは先の第2四半期説明会で、海外の伸びが期待以下であると認めている。

苦戦の理由はもう一つある。ソーシャルゲームは下図にもあるように、20-30代がユーザーの多くを占めている(10代のユーザーはお金を使わないので儲からない)。米国ではゲームは子供がやるものという意識が強く、今のところニューヨークで携帯ゲームをやっている大人を見たことはない。彼らは海外で新たに携帯ゲームを文化として根付かせていかなければならない。

J_social_game.png


モバゲー、グリーは海外展開するにあたって、携帯のOSを押さえている2強に加えて、そもそもゲームをやる習慣のない大人に訴求しなければならないという、2つの大きな壁が立ちはだかっている。今後、彼らは挽回のためにどのような施策を取るのか注目したい。
[ 2012/11/23 01:08 ] 投資全般 | コメント(9)
Re: 日本のゲームメーカーのかたのコメントで
れき女さん、株で散々さん、コメントありがとうございます。

gree、denaのショバ代は公には30%ですが、仰るようにものによっては40%や50%というのがあるそうです。最近はジカ起きと行って、プラットフォームを借りずに展開する会場が増えてきており、彼らのビジネスモデルは先行きが厳しいことになってきています。
[ 2013/02/22 09:11 ] [ 編集 ]
日本のゲームメーカーのかたのコメントで
ショバ代
gree dena 40%
app google 30%
なにも高いgree denaにのせる必要がないといってました。
[ 2013/02/22 01:14 ] [ 編集 ]
朝鮮進駐軍、いえ大躍進ですね
LINEといい、カカオトークといい、ネットベンチャーには朝鮮系企業の活躍が目立ちますね。
ほんと、うっとうしいです。不潔な感じ。
チョンまさよしの成功に惹かれるんだろうけど。あ”~いやだいやだ。
[ 2013/02/15 20:59 ] [ 編集 ]
Re:gree dena もgoogle appを使用しているよです。
株で散々さん、コメントありがとうございます。

仰るとおり、グリーもデナも海外はApple、Googleのプラットホームを使用し、30%の場代を支払う、単なるゲーム供給会社でしかありません。すでに海外ではApple、Googleにプラットホームを抑えられてしまっているので、ビジネスモデルが違うんですね。ガンホーやコロプラ、エーチームなどとまったく同じです。
[ 2013/02/04 07:02 ] [ 編集 ]
gree dena もgoogle appを使用しているよです。
http://gamebiz.jp/?p=91859
greeは、自分のプラットフォームだけではなく、google とappも使用しているのでしょうか?
海外では、自社プラットフォームあきらめたのでしょうか?
ガンホーとかわらない位置にいますもの。
新しい発見でした。
yahoo japan のtopにgree入り口があり、yahoo宮内社長とgree田中社長の記者会見もありました。
[ 2013/02/04 06:20 ] [ 編集 ]
Re: 先日のソフトバンクの決算IRビデオで孫正義さんが
私もその説明会の翌日に、孫さんと電話会議をしているので、内容は知っています。あまり内容はここでは書けませんが、孫さんは日本を代表する経営者であると思います。Sprintの経営者もこれから絞られることでしょう。

ちなみに孫さんは寝る時以外は両足首に4kgづつの重りを付けているそうです。ソフトバンクの最大のリスクは孫さんの健康であると思い、私が質問したら、そう教えてくれました。

恐るべしですね。
[ 2013/02/03 22:45 ] [ 編集 ]
先日のソフトバンクの決算IRビデオで孫正義さんが
YAHOOの業績が、急成長と説明していました。
若い経営者にいれかわりが、うまくいっていると。
また、配下のガンホーのゲームアプリ パズル&ドラゴン 通称パズドラが、google playで
売上、世界一 appでも3位と躍進していると説明しています。
ソフトバンクもdocomoの背中が見えたようですね。
スマホアプリは、韓国と日本が牽引しているようですね。
わたしも、ガンホー注目しているのですが、どうなることでしょうか?
























ç
[ 2013/02/03 22:37 ] [ 編集 ]
Re: LINEは、便利ですね。
株で散々さん、コメントありがとうございます。

LINEは1億人を突破したらしいですね。実はLINEを開発したその日本法人とは、元ライブドアのエンジニアたちです。なんとも皮肉な話ですね。

先日、Yahooジャパンの宮坂社長とお話をしました。カカオトークへ出資を行い、日本でLINEやCommからシェアを取ろうしています。日本のネットサービス業界は変化が早くて面白いですね。
[ 2013/02/03 17:00 ] [ 編集 ]
LINEは、便利ですね。
LINEは、韓国企業の日本法人の日本人が開発しました。
LINEのいいとこは、メールの画像、動画がはやく送れる。
また、スタンプ機能のキャラクターの漫画で言葉をメールしないでも
意思を簡単に伝えられることです。
茶色のくまさんのブラウン君のビアジョッキをもった漫画をおくれば、
きょう飲み会やろうぜ!となります。
ブラウン君などのキャラクターも、すでに大人気です。
この韓国企業は、韓国ではLINEではなく、KAKAOトークを配布してますね。
韓国では、KAKAOトークが主流です。
KAKAO もLINEのようにゲームを多数載せています。
ああ、この韓国の企業、NAVERでした。検索サイトの企業ですね、YAHOOのような。

[ 2013/02/03 15:53 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

記事の募集
  • 社会全般や政治・経済に関して、記事の寄稿を募集しています。お名前、タイトル、本文を記載しこちらまでお送り下さい
お問合せ

人気記事(当ブログ内)
記事検索