仙人の祈り

就職戦線異常あり - ドラフト3位でも行きたい業界に進むべし

「就職戦線異常なし」という映画が昔あったが、その後、日本経済が失速して20年、学生にとっての就職戦線はどんどん後退している。98年や02年度程には悲惨ではないが、近年も大卒の5人に1人が正規雇用されずに、就職活動期を終えている。

shushokusennsennizyounashi.jpg就職活動と言うと、どうしても学歴と内定率との相関性を気にする学生も多いだろう。有名企業20社へのアンケート調査では、全社が「学歴不問」と回答しているが、これは建前であって、実際には大学名は信頼性のあるデータとして合否のかなりの部分を占めている。

近年は特にその傾向が強まっている。採用側がリスクを負えなくなって来ているのと、人事部の人員も縮小している企業が多く、大学ごとにセミナーを開催する場合、どうしても有名大学を優先せざるを得ないということもある。

一般的なリクルーティングの際の基準として、旧帝大と早慶上智をAランク、MARCH・関関同立をBランクとして扱い、それ以下の偏差値の大学は"その他"として振り分けているようだ。

このようなことを聞くと、世の中的には批判の対象となりそうだが、致し方ないことだろう。企業側も、有名大学出身者が必ずしも、仕事で成果を上げられる人材であるとはまったく思っていないし、下位大学出身者にも優秀な学生がいることは百も承知である。

短い面接だけでは、その人の特性を理解することなどそもそも不可能であり、それならば、受験勉強を頑張ったかどうかという唯一確かなバロメーターを基準に選考するというのは、それ程変なことではない。
私が就活生に贈りたい言葉は、入り口は「大らかな方向性だけ間違わないように注意を払うべき」ということだ。学歴フィルターなどによって、あなたは第一志望の会社には入れないかも知れないが、それでも同じ業界の第二志望、第三志望に入るようにした方がよい。

社会人であれば誰もが分かっていることだが、学生の頃についた差など、最初の3年で逆転が可能である。入社した後、熱意を持って学び続ければ、ほんの数年であなたを落とした会社への門戸が開けて来ることが分かるだろう。

企業側もそのことをよく分かっている。学生の選別を完璧に行うことは不可能であり、新卒は取り合えず画一的な基準で採用をする。しかし、数年働かせると、ダメな社員が浮き彫りになってくるので、中途で他社から優秀な人材を引き抜き、入れ換えればよいのである。ドラフト3位指名で入団しても、そこで活躍していれば、希望球団の方から良い条件でスカウトが来る。

一番注意した方がいいのは、方向性を間違はないということである。あなたは本当は金融系の業界へ行きたかったのに、第一志望が内定をくれなかったからと言って、他業界へ行くということはオススメしない。サラリーマンというものは、所詮は雇われた駒か道具でしかなく、特に若手はどの会社でも惨めな思いしかしない。それでも向学心を維持するためには、本来あなたが働きたかった業界でなければ、とても耐えられるものではない。

学生の頃はレールの上を進んでいればよかったが、社会人になったその日から、突如として何の道標もない荒野に立たされる。重要なのは、これまでの競争など、実に些細なものであったとすぐに気付けるかどうか。あなたの人生は、ロールプレイングケームで言えば、「ひのきのぼう」と「かわのぼうし」しか装備せず、お城を出たところ。これまでの人生の何倍もの時間を、そこで生き抜かなければならないのだ。

健闘を祈ります。
[ 2012/12/03 20:00 ] 経済社会 | コメント(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

記事の募集
  • 社会全般や政治・経済に関して、記事の寄稿を募集しています。お名前、タイトル、本文を記載しこちらまでお送り下さい
お問合せ
  • 出版・メディア関係の方のお問い合わせはこちら

管理人(Macoちゃん)が責任をもって小松原氏へ転送致します
人気記事(当ブログ内)
記事検索