仙人の祈り

企業誘致が最大のハードル - 日本カジノ化計画(その2)

(その1はこちら)超党派で構成される「カジノ議連」の会長である古賀一成氏は「パチンコ議連」の会長も兼務していたが、今回の衆院選で見事に落選した。というよりも、パチンコ協会政治アドバイザーを務める"パチンコ族議員"は、見事に洗いざらい落選した。業界寡占化の道筋が視野に入ったため、彼らはもう用済みということかも知れない。

一方で「カジノ議連」の方の役員には安倍総理、麻生副総理と、そうそうたる面々が名を連ねており、カジノ法案可決の方向性は変わらなそうだ。私が聞いたところによると、会長であった古賀氏の後任には、野田聖子を充てるらしい。以下に記載するように、今後は、実務上の問題をどうクリアするかがポイントとなってくるが、それには野田氏が適任と自民党は考えているようだ。

問題の一つ目は場所だ。フジテレビの経営陣は「カジノを建設するにあって、お台場以上の好立地は日本になく、数多くのイベント運営の実績のある当社がカジノの運営者として適している。」と息巻いている。

ラスベガス1228しかし、カジノの誘致を狙うのはお台場だけではない。大阪府もUSJの向かい側の広大な空き地に誘致を働きかけているし、沖縄も同様に動いている。また、東京都の中でも、お台場ではなく羽田を押す声もある。つまり、どの街をカジノ化するかが、実はまったく決まっていないのだ。

一見するとお台場が有利ではあるが、交通の便が悪いことや、近くに住宅や学校もあり、反対の声が出ている。一方で大阪では観光客に対する訴求力に欠ける。沖縄は魅力的であるが、治安の悪化を懸念する行政側が、沖縄県民がカジノに入場できないようにする計画案を提出するなど、どこも決定力に欠ける状態だ。

二つ目の問題は参加企業だ。私も夏にラスベガスへ行き、摂氏50℃の砂漠の中で溶けそうになりながら取材をしたが、その目的の一つはカジノ大手が日本市場をどう見ているかを聞くことであった。

業界最大手のラスベガス・サンズからは、日本は魅力的なマーケットであるが、どうしても進出したいという程の強い思いは感じられなかった。むしろ、日本の政治家から熱烈アピールがあり、取り敢えず何度か担当者を視察へ行かせているようだ。

高級カジノのウィン・リゾートも、ほぼ同様のリアクションであった。検討の余地はあるが、経済の弱い日本で自前の大型投資に踏み切るかどうかは、正直微妙といったところだろう。MGMやシーザーズに関しては"ない"と明言していた。

採算性をある程度度外視してもやってくれそうなのは、Galaxyなどの中国大手カジノだが、日本人の感情論的には、国家的プロジェクトの中核企業が中国系というのは受け入れ難いものがあるだろう。

つまり、カジノ法案が可決されても、肝心のカジノ企業が日本に進出して来ない可能性がある。カジノの建設には一つのプロジェクトで4,000億以上の莫大な資金が必要となる。彼らからすれば、引き続きマカオやシンガポールに投資をした方が、明らかにリスクが小さい。

フジテレビなどの日系企業は、「免許さえ下りればカジノなんて誰でも出来る。外資系などいらない。」と言うが、それは大きな間違いである。

サンズもウィンも米国で過去に何度も失敗を繰り返して今日に至っている。つまり、カジノはバカラやスロットを置けば勝手にお客が来てくれるわけではないということだ。カジノにはジャンケットと呼ばれる代理人組織や、VIPを満足させる洗練されたサービスが必要である。テレビ局の企画するカジノなど誰も行きたいとは思わない。

以上のように、パチンコ屋対策には手を打ったが、実際のカジノをオープンさせるには、いくつかの問題をクリアする必要がある。特に、実績のある米系大手に来てもらうには、政府がある程度の特別待遇をする必要があるかも知れない。

成功すれば莫大な税収が得られるカジノであるが、法案が通っても、縦割り行政のままでは魅力的なカジノ都市をつくることは難しそうだ。道路や橋を建設する発想で官僚に任せたら、確実に失敗する。少なくとも、国内でエンタメやホスピタル業を分かっている企業をアドバアザリーに入れた方がよい。

引き続き、この話には注目していきたい。
[ 2012/12/29 18:00 ] 投資全般 | コメント(6)
ハウステンボスはアリですか?
カジノごっこはやってるみたいですけど。
[ 2012/12/29 22:10 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
dharmaさん、コメントありがとうございます。

確かに船の中でカジノをやっていますね。

しかしハウステンボスの親玉はHISの澤田さんなので、恐らくないのではないでしょうか。HISの株は"可能性が浮上"と出ただけで爆騰するかも知れませんが、、、。

澤田さんは半分裏の世界の住人なので、国が援護射撃をすることはないと思います。
[ 2012/12/29 22:27 ] [ 編集 ]
カジノですか・・・
ラスベガスに一度行ったことがありますが、まさに砂漠の中に突如として現れた一大エンターテイメント地帯でした。あと、アリゾナ州かどこかの空港にもカジノっぽくストットが置いてあり、しっかり持っていかれました。石原氏も都知事時代にカジノ誘致を語っていたと記憶していますが、正々堂々とブラックジャックやルーレットをするのは、他者に託す格好の競馬や競輪等と違って日本人のメンタリティとしてどうなのかな、とも考えます。取り敢えずはカジノよりも他にやることが沢山ありそうなので、それらに邁進してもらいましょう。尚、私が調べていた落選議員さんは、民主党のしょぼい人たちでした。
[ 2012/12/30 23:21 ] [ 編集 ]
Re: カジノですか・・・
spriteaさん、コメントありがとうございます。

なるほど、確かに日本人はギャンブル好きですが、ブラックジャックのように対面の勝負のようなものはあまりやらないですね。時代劇では、賭博場で丁半の賭けをやっているシーンはあったりしますけどね。

何れにしても自民党がやることは多いですね。やはり、北方領土の返還が安倍さんの中では優先度が高そうですね。
[ 2012/12/31 06:11 ] [ 編集 ]
カジノなんて要らないわ!
ど~せまたパチンコみたいにチョンがゴリゴリ来るに決まってんじゃない。
だからイヤ。チョンカジなんて珍百景ものよ。
ウリナラカジノ、マンセー!ぷぷぷっ~
[ 2013/02/15 21:26 ] [ 編集 ]
無知ほど恥かしいものはない。
HISの澤田さんはカジノやりたがってる知らないのか?ここの筆者は
ハウステンボスの去年の企業プレスリリースを見てみな
[ 2013/02/16 15:55 ] [ 編集 ]
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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