仙人の祈り

苦手意識は克服できる - 自己効力感で広がる可能性

不安な少女仕事で成果を出すためには「クリエイティビティ」がいかに大切か、ビジネスマンであれば誰もが痛感していることであろう。

特に日本人に多いが、会議で新しいアイディアを出さなければならないような時に、「自分はそういうのが苦手だ」と萎縮してしまう人がいる。

しかし仕事というのは本質的には芸術と同じように、ゼロから生み出されて創造されるものである。創造していくことに対して苦手意識があると、せっかくのチャンスも逃してしまうかも知れない。

自分にはクリエイティビティがないと考える人の多くが、過去に学校などで自分がつくった作品を、友人や先生に馬鹿にされたトラウマを持っているという。このトラウマが大人になっても解消されずに、自分にはクリエイティブな才能がないと、逆催眠をかけてしまっている。

カナダ人の心理学者であるアルバート・バンデューラ博士(スタンフォード大学)はこのような、潜在的な苦手意識や恐怖症を治す方法があると説く。
博士が「隣の部屋に蛇がいます、行きましょう」とクライアントに言う。しかしクライアントは当然断る。今度は部屋の敷居を透明の板に変え、隣の部屋の中がクライアントに見えた状態にして、「隣の部屋に行きましょう」と聞く。それでもクライアントは断る。

次にしっかりとした柵を設けたうえで、部屋の入り口まで入るように説得する。最後に、しっかりした防護服を着せて部屋の中に入り、実際に蛇を触らせる。蛇を触っているうちに、クライアントは蛇に対する先入観を克服し、最終的には素手で蛇を触れるようになる。

博士はこれを「案内付きの習得」と呼ぶ。結局は博士にナビゲートされただけにも見えるが、被験者にとってそれは関係ない。被験者にとっては、自分がハードルを一つ一つ乗り越えて、最終的に蛇に触ることまで出来たという達成体験をしたことになる。

このような経験を持つ人は、他のことでも無用な恐怖心や、不安を持たないようになるという。また、物事に対してより熱心に打ち込み、打たれ強い性格になる。難病を克服した人が別人のように生まれ変わるのも、同じ効果によるものである。

博士はこれらのプロセスを総称して「自己効力感(self-efficacy)」と呼び、教育現場での応用を提唱している。

彼は先天的な才能というものはこの世に存在しないと断言する。人は生まれた時点では全員に天賦の才があり、クリエイティビティがあるという。しかし、ほとんどの人が、その後の成長課程における様々な経験によって、自身の能力に無意識に蓋をしてしまっている。

この蓋を開ける方法はただ一つ、自己効力感を取り戻すことであり、それは年齢に係わらずいつでも可能であるという。大人になっても、小さな成功を重ねる喜びを大切にしていけば、自身の苦手意識は解消されると博士は説く。

人は年齢を重ねるうちに自分に秘められている可能性を忘れてしまいがちになる。日々の生活の中で、自己効力感を改めて意識してみてはいかがだろうか。
[ 2013/01/10 18:00 ] 雑感 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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