仙人の祈り

エコブームとは何だったのか? - 日和見(ひよりみ)主義者の発見器

2006年頃からエコが社会的なブームとなったが、最近ではあの時の勢いは何であったのかと思う程に沈静化している。

温暖化予想アル・ゴアを筆頭に、CO2を撒き散らすものすべてが害悪であるというような論調で世間を攻撃的に煽っていた「温暖化危険厨」たちは、仕事をやり終えて南の島でバカンスでもしているのだろうか?

少なくとも数百年単位での話を展開していた彼らが、数年単位で論旨を曲げている様を見て、我々は一つ学べることがある。「日和見主義者(天気のように意見をコロコロ変える人)」とはこういう人のことを言うのだ、と。

効果もプロセスも不透明な温暖化政策に、各国の世論はすでに背を向け始めている。

牛のゲップドイツでは気象変動を懸念する人の割合は2006年に62%だったのが現在は20%。オーストラリアでは2007年は同75%だったのが現在は30%。アメリカでは「21の最も憂慮すべき問題」のうち気象変動はランク外となっている。

このような世論の減退を受けて、各国首脳の温暖化政策も急速に冷え込んでいる。

メルケル首相はドイツのフィード・イン・タリフ(全量固定価格買取制度)の補助金を12年3月に平均25%引き下げ、7月からは補助金なしとした。もともと補助金がなくてはペイしないソーラーに対して、事実上の撤退を宣言した。
オバマ大統領は2010年、排出量取引制度(キャップ・アンド・トレード法案)を下院で成立させたが、その後の支持率低下が凄まじかったため、同年の11月に路線変更し法案通過を断念した。

日本政府も先日、「20年までに25%の削減」は原発のない今では不可能とし、路線変更することを示唆し始めた。この他の国でも、エコ推進政党は議席を失い、力を失っていった。

当時から突然降って湧いたように「地球は死にかけている」と言ったような論調がメディアで繰り返し報道されたが、多くの人がそれが景気対策の口実に過ぎないことを感じ、冷めた視線を送っていた。

そしてリーマンショックによって、そんな悠長な経済対策では間に合わないような危機が発生し、エコは完全に忘れさられてしまった。

「太陽光パネル」は電機メーカーや素材メーカーのため、「CO2排出権」は商社のため、「バイオ燃料」は新たな農業補助金を支給するための名目にすぎず、国に見放された企業は事業の減損処理を始めている。

寒冷化エコの波に乗ってしまった企業には同情できなくもないが、ここで述べたように、世界で最も太陽電池の特許を持ち、最も高い変換効率を出す技術を有する信越化学が、太陽電池を事業化しなかったという事実が重くのしかかる。優秀な経営者はこの一過性ブームを回避していた。

太陽光パネルメーカーは多額のエコポイントを吸ってなお赤字で、法人税も払わずに、最終的には設備を国に買い取れと言う。これが、本当に経営のプロがやることかと疑問に思う。

地球温暖化は膨大な予算を吸い取るために、政治家とそれを後押しした一部の業界が作り上げたプロパガンダであった。よく考えれば、自国の財政規律も守れない政治家たちが、100年後の地球の気温をコントロールできる訳がない。

我々は一人一人が自分で考え、意見を持つ習慣を身につける必要がある。国やメディアに扇動されて、大衆迎合して向かう先には、決まって落とし穴があるものだ。
[ 2013/01/30 18:00 ] 経済社会 | コメント(0)
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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