仙人の祈り

現代人のココロの病 - ファンタジー欠乏症

毎週土曜日の夜9時から、日本テレビで放映されている「泣くな、はらちゃん」に最近ハマっている。

ストーリーは、主人公(麻生久美子)が漫画を書いたノートを振ると、中の登場人物がリアルの世界に飛び出してくるという奇想天外な設定だが、ドラマには視聴者の心を惹きつけるスパイスのようなものが隠されていると感じる。

考えた結果、それはリアルとファンタジーが混然一体となっていることが要因にあるという結論に達した。小さな漁村の蒲鉾工場で働く主人公の女性と、ほのぼのした家族。そんな可もなく不可もない哀愁漂う生活からは、リアルを感じる。

はらちゃんそこに漫画の世界から飛び出してきた「はらちゃん(長瀬智也)」の設定が加わることで、一気にファンタジーになる。両者が割り切れない状態で存在する世界観が心地良いシュールさを生み出し、見る人を惹きつけているのだろう。

もしも初めから世界がクリスタルと魔法で支配されている設定であれば、王女様と出会い、モンスターを倒し、世界を救ってもサプライズはない。しかし、一見するとごく見慣れたリアルな情景からファンタジーが登場すると、人はどうしても注目せざるを得ない。

さて、私の分析によると、現代社会の多くの大人は、ファンタジー欠乏症に陥っている。例えば私は、子どもの頃に謎の意識体のようなものと何度か交流した経験があるが、大人になるにつれて、それはまったくなくなってしまった。このような子どもの頃の不思議な体験を持っている人は、少なくないだろう。

この現象は医科学的には成長過程で脳が起こしている錯覚であるそうだが、それでは現実の体験と、脳が起こしている錯覚に何か差があるのかというと、知覚している本人からすれば、実はまったく差などない。

大人になると、そんなファンタジーの世界はすっかり息を潜め、現実の世界の残骸の中で、息苦しさばかりを感じるようになる。しかし何か新しいことを考えたり、創意工夫したり、創造力を必要とすることは日常的に発生する。

ファンタジーとはそれらの創造力を心に留めて置く容器のようなものであり、故に人はドラマや小説、アニメなどを通じて本能的にファンタジー性を脳内に残しておくのである。

選ばれたい、愛されたい、リセットしたい。漫画から現実の世界に飛び出して来た「はらちゃん」は、主人公のことを、自分を産んでくれた神様と呼び、絶対的な尊敬と愛情を傾けてくる。F2層はこのドストライクの設定で脳内のファンタジーを効率よく刺激しているのである。

一方で大人になってからファンタジーを定期的に注入することを怠ったため、心に腫瘍ができてしまった多くの慢性患者が存在する。仕事や、人付き合い、家庭サービスなどで時間を取られてしまうのは理解できるが、セルフマネジメントと言った意味では落第点の大人が多い。

残念ながら現在ではファンタジー欠乏症に対する有効な治療法が見つかっていない。頭がカッチコチになってしまった人の頭にファンタジーを注入しようとしても、時既に遅し、入り口からファンタジーは弾かれてしまうのである。

この病に侵された人の症状は重く、視野が狭くなり頑固になったり、周りの空気が読めずに自分勝手になったり、お堅い仕事をしている人が突然、満員電車の女子高生にファンタジーを求めたりする症状が出てくる。

発想が「デスノート」のパクリだとか、日テレは広告単価の高いF2層の開拓が上手くなったとか、途中そんなつまらないことを考えながら見ている私も、かく言うファンタジー欠乏症の予備軍かもしれない。皆さんにもつまらない大人にならないために、定期的なファンタジーの摂取をオススメする。

「泣くな、ハラちゃん」、今週土曜日、最終回です。
[ 2013/03/21 18:00 ] 経済社会 | コメント(6)
中学生の頃に出逢い、それ以降、思い出しては読んでいるのがロバート・F・ヤングです 。
かなり古い作品で、竹宮恵子がコミックにリメイクしていたりしました。

私的には、絵や映像があるより、文字だけの方がイメージが膨らみ楽しめます。
周さんのお話しは、読むと触発されて、昔持っていたキラキラした物を取戻す
よすが となっていますよ。

因みに、スピリチュアルな体験はオトナになってからも身に降りかかる事があるようです。
周さんの身にも起こりますように・・・。
[ 2013/03/21 20:08 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
ひなこさん、コメントありがとうございます。

「たんぽぽ娘」とかは知っていますが、いいですよね。主人公は二度おいしい話ですよね〜。
竹宮惠子は私は「地球へ」という作品が大好きですね。07年頃にリメイクされて、アニメも絵が綺麗になったので、見やすくなりました。

私にもいつか「目覚めの日」が来るといいな〜(= ̄ ρ ̄=) ..zzZZ
[ 2013/03/21 20:29 ] [ 編集 ]
ファンなんですが…。σ(^_^;)
お返事、とても嬉しいです。

「たんぽぽ娘」御存知でしたか、さすが!

先日、某有名漫画家の原画展に行って来ました。
マンガの原画保存・複製が話題になっていますが、私にはダメでした。
若かりし頃夢中になった世代が丁度手の届きそうなお値段と大きさで(笑)
とても後髪引かれたのですが、
商業的な匂いを感じてしまったのと(それはまだガマンできる)
昔見た記憶と比べて絵が何と無く老けている気がする(~_~;)
最後に、堂々と部屋に飾れず、家族がいない時にそーっと開けて見ている自分を想像してしまい
諦めました。

話は変わりますが、
4月1日の入社式のセクション説明のトリを務める事を今日知らされました。
私の話が終ったら帰れると期待している若者達に何を話そうか迷っているところです。



[ 2013/03/21 23:03 ] [ 編集 ]
Re: ファンなんですが…。σ(^_^;)
ひなこさん、コメントありがとうございます。

漫画家の原画展に行かれるなんて、ひなこさんは相当好きなんですね。それか出版系のお仕事の方なのか。
入社式のトリですか。大役ですね。私なら笑いを取りに行った直後に、一番伝えたい言葉を伝えますかね。
やはり先輩として、常にチャレンジしていく姿勢を見せてあげる必要があるでしょうヽ(´o`
ちょうどそんなことを書こうかなと考えていたところでしたので、もしかしたら記事にまとめるかも知れません。
[ 2013/03/21 23:30 ] [ 編集 ]
バカウケしてしまったよ
満員電車の女子高生ですって! そりゃ、とってもファンタジーじゃないですか!!
ドラマは見ていませんが、ディズニーランドに通う大人たちがあふれかえってる世の中ですよ、決して捨てたものではありません。そこで決して、株主優待は100株でチケットが1枚もらえるので、160万弱の投資で1日ファンタジーが味わえるとか考えちゃいけませんよ!

かくいうわたしも、5歳の息子にちっちゃなファンタジーをプレゼントし続けています。毎年クリスマスになると、パパちゃんからのプレゼントと、定番の枕元に置くサンタさんからのプレゼントと、懲りもせず、毎年2つのプレゼントを購入しています。

いつまで続けれるか、楽しみです。

かつて・・・小学校3~4年生くらいの時かな?・・・クリスマスプレゼントに母からの小さな手紙が添えられていました。「大きくなったので、今年からはサンタさんは来ません。その代わり、お父さんとお母さんが代わりにプレゼントを買ってあげます」

当時とっても悲しい気持ちになりましたが、おかげで、わたしの中からはサンタクロース消えていません。

大人になっても子どもの心を忘れたくないものです。

ファンタジーじゃないけど、なぜか最近、キンドルで、星新一のショートショートを読みあさってるWW
[ 2013/03/22 05:50 ] [ 編集 ]
Re: バカウケしてしまったよ
えぷさん、コメントありがとうございます。

痴漢をするオジサンに結構お堅い仕事をしている人が多いのは、心理学的にも研究する価値があると思うんですね。恐らくは自分が体験できなかった、そしてこれからも出来ないゾーンであるので、彼らの中ではファンタジーな世界なんだと思います。

ディズニーランドは今度30周年記念イベントに招待されているので、久しぶりに行ってみようかと思います。ファンタジー銘柄の代表格ですね。
[ 2013/03/22 08:32 ] [ 編集 ]
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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