仙人の祈り

セルサイドとバイサイドの違いとは

読者の方々からいろいろと質問を頂くが、セルサイドとバイサイドの違いがよく分かっていない方が多いことに気づいたので、ここで補足をしておく。

業界用語でセルサイドとは証券会社のことを指す。皆さんの見えるところにいる"アナリスト"とか"ストラテジスト"とか"エコノミスト"とかいう人々は、ほぼ間違いなくこのセルサイドである。彼らの仕事はレポートなどを書いて株の売買を盛り上げて、自社の手数料収入を増やすことである。

chart201307一方でバイサイドとは運用会社のことを指す。運用会社にも"アナリスト"がいる。証券会社と違って、運用会社は顧客から預かった資産を運用しているため、その労力はすべて顧客のためだけに使用される。つまりバイサイドのアナリストの分析は、皆さんの見えるところに出てくることは決してない。

同じアナリストでも、その機能と役割が全然違うことがわかるだろう。どちらがよく当たる投資判断を行っているかと言えば、当然、運用会社のアナリストである。これが成立しなければ、運用会社のアナリストというものは存在しないことになる。

私の同僚の医薬品のアナリストは、もともとは大手製薬メーカーの研究員であったが、金融系の学位を取って運用会社に転職したというキャリアの持ち主だ。新薬が治験から上市に至る確率を予想することは困難を極めるが、あらゆる情報収集と分析を積み重ねて、最も合理的な企業価値を算出している。

ファンドマネージャーの腕も然ることながら、運用会社の競争力の土台となるのは、このような専属アナリストの質の高いリサーチに寄るところが大きい。顧客に対しても、どのようなリサーチでその銘柄で勝利に至ったかをアナリストに直接プレゼンしてもらったりすると、とても喜ばれる。多額のフィーを支払って運用を委託している顧客からしたら、当然のことだ。

私の場合、証券会社の日本株アナリストには、聞くに値するレベルに達している数人を除いては、基本的に会うことはない。年度末になると日経新聞から運用会社のアナリストやファンドマネージャーに「日経アナリストランキング」の投票依頼が来るが、最近は無記名で返信するセクターも増えてきた。

ここで読者の方々に伝えておきたいことは、証券会社の"アナリスト"が(実態としては)どのような存在であるか、何を意図してレポートを書いているか、ということである。尚、過去の検証データでは「証券会社のアナリストレーティング通りに売買をした場合の勝率は45%」となっている。個人投資家が見ているものよりも、資本市場というのはディープであるということだ。

BLOGOSで読む
[ 2013/07/18 18:00 ] 投資全般 | コメント(13)
わかりやすいご説明ありがとうございます。

今日の日経の上がり方に少し違和感を覚えてます。あの5,23ショックの二、三日前日のような動きです。

運用会社の方がまた、ゴールデンウイークに動いたよな動きをされているんでしょうか?

[ 2013/07/18 20:12 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
かりなさん、コメントありがとうございます。

相場の予想に関しては人それぞれ、いろいろなものがあるでしょうから、正解というのは神のぞ知るといったところでしょう。
ただ、私はゴールデンウィーク前に感じたような「ざわざわ」感は特に今は感じていないですけど。
[ 2013/07/18 20:52 ] [ 編集 ]
こんな質問にもご丁寧に回答誠にありがとうございます。(^o^)

方向性について、示唆いただきました。
[ 2013/07/18 21:11 ] [ 編集 ]
何パーですか?
お、空いてますね!
じゃあ、聞いちゃおっかな~質問です☆

私の母は貧しい出で学歴もなく、玉の輿に乗ったラッキーなオンナでして
そんな母は、私に自論バリバリのお金の教育を小さい時からしてました
一番頭に残ってるのは、
「お金で欲しいモノの95%手に入るってことは分かったわ」
「じゃ、残りの5%は?」と小学生の私が聞いたら
「それは人によって違うから、自分の5%を探すのよ」と
私は、それからずっと自分の5%はなんだろ?とマジメに考えて生きてきました
それが最近分かったので、
「私、見つけたよ!お金で買えない5%」と、母に言ったら

・・・言ったらですね~なんて答えたと思います~?

「はぁ?私、そんなこと言った?バカね~お金で手に入らないものなんてないから、
うひゃひゃひゃっ」と返ってくるじゃ~ないですか(恐るべし、玉の輿オンナっ)

前置きが長いですが、ここでお金のプロである小松原さんに質問なんです
人生においてお金で買えないものって、何パーだとお考えですか?
私は5%だと信じて生きてきたので、プロはどー思うの?と思う次第です

え?なんとかサイドの俺に、もっとテクニカルをふんだんに使う専門的な質問をしろと?
え~と、う~んと・・・(・v・;)で、出てこね~笑





[ 2013/07/20 15:08 ] [ 編集 ]
デトロイト市の財政破綻
マーケットは反応しなかったが、デトロイトの破綻には
ある方向性を考えさせられた。
それは、先のキプロスのベイルインと同様かと私は考えている。

「無策のツケ」である。

アメリカ経済が回復傾向に在りながらの同市の破綻は
「考え、行動出来ない者の救済はあり得ない。」というメッセージに思われる。

先日のエントリーでハイパーインフレーションが話題とされていたが
既に資産を持っている年齢層は外債等で資産を守る術は有るが
現在構築中の年代層では、将来設計が全く狂ってしまう事になるであろう。

官僚・政治家・マスコミなどに「何をやっているのだ!」と怒ってみても
何の足しにも成らない。
彼等とて、自分の食い扶持を稼ぐのに必死なだけなのだから…。

明日の選挙で、投票したい政党も候補者も居ない。
しかし、私は棄権はしない。

自分は無策では無いという、自戒を込めて投票に行く。






[ 2013/07/20 17:18 ] [ 編集 ]
成績良いですね! .+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:
アベノミクスと円安のお陰で、ファンドの成績とっても良いんですね!
http://kakaku.com/fund/ranking/

ナイ頭使ってソンするより、フィー払ってお願いする方が
選挙後は良いのかも知れません。

周さんの所はひなこのような個人投資家がファンド購入できないので
顧客になってチョット威張ってやろうという事が出来ず残念です。

最近は、ネット証券もポチポチ狙いから、資産固定の方向性になっており
手数料の安いファンドも新設されているので注目しています。

あまたの玉の輿を振り、母の望みを絶ったひなこにとって
「人間の財産は頭と心の中にあるものだけ」という
ピーター・フランクルに大賛成。

そして、ひなこにとって大切な物はお金では買えません。

95%お金で手に入れられる人生って、とってもシンプルですね。(笑)
[ 2013/07/20 18:08 ] [ 編集 ]
Re: 何パーですか?
るんさん、コメントありがとうございます。

95%がお金で買えると思っている人は、案外欲がないと言えるかも知れませんね。私が欲しいようなものは大概がいくらお金を積んでも買えないものですので。私にとっては欲しいものの80%はお金では買えません。世界トップレベルの芸術的才能、この宇宙の真理を紐解く統一理論、心に残る美しい原風景や温もり、それらがお金で買えれば仕事にももっと身が入ってますが(・ω・)。私のは極端な例としても、るんさんも同じではないでしょうか。
[ 2013/07/20 18:14 ] [ 編集 ]
参院選後のファンドの動きは!
強いか弱いか?
折り込み済みだから、失望感から売りが強いかでしょうか?
[ 2013/07/20 23:37 ] [ 編集 ]
お答えいただき、ありがとうございます
私は、こんなアホな母が大好きでして・・・笑
だからこそ、95%を占めると母が言うお金に対して、幼い頃から憧れよりも脅威を感じました
そして、残りの5%に、強い希望を感じてずっと探し続けてきました
つまり、5%は95%に打ち勝つことができるんだと思ったんです
私にとって5%は、「自分の感覚」です
お金がなかろうが、失おうが、また一から出直せる自分を信じられる力です
お金のプロである、小松原さんがどんな答えを出すのか、とても興味ありました

良い環境、友人、家族、学歴、仕事、収入
私は、全部、自分の力だけで手に入れたと思うほどの自信は正直ありません
ここまでくるのに、どれだけの人が助けてくれたかと思うと・・・
唯一、自分の力だけで手に入れたのは、まだやっと5%と思っています
80%・・・・ひぇ~っ!!まだまだ~
ひなこが言うとおり、私、シンプルですね笑


[ 2013/07/21 00:39 ] [ 編集 ]
Re: デトロイト市の財政破綻
CRMさん、コメントありがとうございます。

デトロイトの破綻は以前から織り込まれていたので、市場は動揺はそれ程しないでしょう。
私もこちらの記事で、米国の地方の財政は危ないところが多いと以前に述べています。
http://senninn.blog.fc2.com/blog-entry-492.html
財政破綻した自治体というのは本当に悲惨なことになります。日本は経済規模が違うので大丈夫というロジックは通用しませんね。規模が大きくても、リーダーがダメな組織というものの末路はいつも決まってます。幸い住む場所はお金があれば解決できたりする問題なので、自己防衛という意味でも資産運用は重要ですね。

最近、太平洋戦争に関連する本当を読んだのですが、あのような無謀な選択を取った最大の原動力は、明らかに世論でした。あの時代、国民が誰よりもアメリカに戦線布告を望んでおり、三国同盟や戦争推進派の人物たちが実権を握るようになりました。考えない大衆というのは、いつの時代も内服の毒のような存在になる危険性をはらんでいますね。
[ 2013/07/21 00:43 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
すばり、方向性をききたいさん、コメントありがとうございます。

この記事にあるように、すばりと方向性を言うことができないのが、バイサイドの宿命です。私の知見は私のお客様のために使うのが原則だからです。皆さんが見聞きしている見方や見解というのは、ほとんどがセルサイドのものであり注意が必要です。

それでも私はかなりニュアンスをここで述べていると思いますので、そこから推察してもらうしかないですね。重ね重ね言いますが、ゴールデンウイーク前に大きくファンドの中身を入れ替えているとコメントしました。私は日本株の相場が一旦調整すると読んでいました。
[ 2013/07/21 17:31 ] [ 編集 ]
セルサイドのアナリストが運用会社向けのレポートを出しているそうですね。

その内容はどんな感じですか?

また、それは我々一般人もお金を出せば買えるのでしょうか?
買えるとしたら、いくらぐらいで、どうやって買うのですか。
[ 2013/07/22 00:48 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
セルサイドのバイサイド向けレポートというのはありませんが、バイサイドにプレゼンに行く時に、別にパワポの補足資料のようなものを皆さん持ってきます。そのパワポのデータは、その業界に関する細かい統計データなどを加工したようなものが多いですかね。投資判断がレポートのものとは違って、実はこの銘柄は自信がなくなってきています、など本音と建前の違うことなどもよくありますね。まあどの道当たらないですので、参考にしていませんけど。
[ 2013/07/22 07:30 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

記事の募集
  • 社会全般や政治・経済に関して、記事の寄稿を募集しています。お名前、タイトル、本文を記載しこちらまでお送り下さい
お問合せ
  • 出版・メディア関係の方のお問い合わせはこちら

管理人(Macoちゃん)が責任をもって小松原氏へ転送致します
人気記事(当ブログ内)
記事検索