仙人の祈り

「いつかはゆかし」 - 臭い金融商品にご用心

「いつかはゆかし」という金融商品が、切込隊長のブログを発端に以前から盛り上がっているが、傍観者としては面白いネタとなっている。

実は、私は2005年頃、「いつかはゆかし」を運営しているアブラハムとかいう会社の代表の高岡氏とその仲間たちに会ったことがある。当時会社を創業したばかりで出資者を募っていた彼らは、私たちに有力なVC(ベンチャーキャピタル)を紹介&推薦して欲しいという意図で、どういう訳か我々の前でプレゼンをする機会があった。

Surströmmingその時の事業計画は、HPを見る限りは、今現在やっている富裕層向けの投資助言(といっても単なるファンドの紹介)と同じものであるが、プレゼンが始まった途端に、何とも芳ばしい香りが部屋中に全開となり、同僚が顔を真っ赤にして下唇を噛み締めながら資料をめくっていたのを見て、私も(笑いを堪えて)腹筋が痛くなったのをよく憶えている。

「100年後も語り継がれ、孫の世代まで誇れる会社に」とか「僕たち東大・三井物産出身のお坊っちゃま軍団のネットワークは最強」とか「富裕層や金融界の著名人との幅広い人脈」とか、まるで(世界一Fishyな缶詰として有名な)シュールストレミングをバケツでブッ掛けられたような清々しいプレゼンであった。

私が「いつかはゆかし」の広告を初めて見た時は、ちょうど北欧のホテルをネットで検索している時だったというのは少し出来すぎた話であるが、何ともクセになる香りがしたので調べてみたら、頭の中のゴミ箱のヘリに付いていたアブラハム社であることがわかり、ストックホルムでシュールストレミングを再トライしてみようかという気にさせてくれた。

最も驚いたことは、彼らがまだ現存していたことであるが、広い意味で同じ資産運用業に携わる者としては、実に迷惑な話である。田舎に帰り祖母に仕事のことを聞かれたので答えると、「投資家=サギ師」的な脳内変換をされてしまうのは、彼らのように口を開くと虚栄と嘘が出てくるような人々が昔から蔓延っていたためであろう。

仕方がないので「先日、大学で講義をした」という話をしてあげると、「周がようやく人様のお役に立つ仕事をしました」と、機嫌を取り戻し仏壇に手を合わせる。それはいいとして、「いつかはゆかし」に関して改めて言及するのは馬鹿らしいのでやめておくが、当初から虚偽記載や誇大広告、脱税などを罪の意識もなく行うような印象を受けていたので、個人的には今後どうなろうともサプライズはない。

心理学っぽい言葉を使うならば、彼らは所謂、「ソシオパス(Sociopath)(反社会性パーソナリティ障害)」の可能性が高い。こう言った人々は競争原理の働く市場経済でも、なかなかにしぶとく生き残ることはよくあることだが、最終的にはお上が処理をしてくれるので、民間ではあまり係わらずに傍観するのが最も合理的な判断ということになる。

当ブログの読者は鍛えられているので大丈夫だとは思うが、世の中にはこのように真顔で嘘をつく金融業者が存在するということに改めて注意してもらいたい。シュールストレミングは臭くても美味しいが、金融商品が少しでも臭いと感じたら、決して関わってはならない。
[ 2013/09/03 18:00 ] 投資全般 | コメント(14)
シストレ24
雑誌でも、ネットでもうるさく出て来る。
回数重ねて見ているうちに、警戒心がなくなって行くのだろうか。

何度見ても意味不明なのだが…。
[ 2013/09/03 23:00 ] [ 編集 ]
ちょっとアレな人達ですね。
異常なまでの攻撃性とか。
[ 2013/09/03 23:27 ] [ 編集 ]
アブラハムは2005年ごろはまだファンド助言してなくて東大OBネットとかSNS の会社だったはず
[ 2013/09/04 00:05 ] [ 編集 ]
自分より優れた胡散臭い奴らの話をされるとコメントし辛い!ストレスが溜まる!チキショー私は負けない!一頭が二頭、二頭が四頭!こっちは倍々だよ!
ネズミ講か?いいえ牛講です!
[ 2013/09/04 12:16 ] [ 編集 ]
素振りから始めてみる。
ご無沙汰しています。

短期相場が気になったり
投資と投機がゴッチャな人は、
ピーターリンチとバフェットを
まずは読んで王道を知ると、
何か気付くのではないでしょうか。

ネット依存性に効く薬があるとよいですね。
[ 2013/09/04 13:01 ] [ 編集 ]
Re; タイトルなし
皆さんコメントありがとうございます。

「いつかはゆかし」は何とか牧場とか円天よりはまともですが、元本が一部しか戻ってこないリスクがあります。その前にお上が吊るし上げてくれれば被害は小さくて済みますが。
金融の素人が金融のド素人を嵌めるというよくあるパターンの詐欺ですね。ネット上にたくさんの自作自演のサイトがあり結構笑えますが、、、
[ 2013/09/04 13:49 ] [ 編集 ]
な~んだ私の方が上だったんですね!皆さん安心してください・・・・・?それとネット依存性って誰の事でしょうか?もしかして私?遠回しで言わないで!寝られなくなります!
[ 2013/09/04 15:00 ] [ 編集 ]
GOMA
数年前、取引先の社長が詐欺被害で致命的な損失を出し、資金繰りがどうにもならず倒産(そして夜逃げ)。。。私も債権回収できなかった苦い経験があります。

騙された不幸は連鎖する一方で、騙した側は高笑いしているかと思うと許せませんね。いつか天罰が下るのを願うばかりです。

投資の方は師匠のお陰で順調です(今のところですが)。昔ほど日々の値動きが気にならなくなってきました。その代わりに師匠のブログ+ピーター・リンチを毎日チェックしております。

今後も宜しくお願いします。
[ 2013/09/04 17:21 ] [ 編集 ]
素人の私はクオンツスコアとか理論値を投資の大きな心の拠り所にしてるかんじですが主様は如何お考えでしょうか?宜しければアドバイスお願いします、素人的には理解しやすい資料です、まだ精度の方は理解してませんが!クオンツスコアが将来有望な企業を選択出来れば苦労はしない?でしょうか!
[ 2013/09/04 19:42 ] [ 編集 ]
投資助言業
小松原さん、こんにちは。

情報弱者向けの手数料ビジネスが、インパクトの強い広告で世の中に広まっているご時世ですね。

余談ですが、アメリカにおける投資助言業の位置づけはどのようなものでしょうか。競馬の予想屋と同レベルの存在として冷めた目で見られる存在でしょうか。
[ 2013/09/04 22:38 ] [ 編集 ]
Re; タイトルなし
皆さんコメントありがとうございます。

まともなプロの場合ですと、週一くらいでファクター分析の結果をフォローします。ファクター分析というのは、例えばPERが安いというファクターが、どれほどの寄与をしているかというのを数値化したりできます。

カモさんの言うクオンツとは恐らく、一般的なバリュエーション指標を見るものでしょうが、これをすべての拠り所としても勝ち続けることはできません。ファクター分析を見ているとわかるのですが、その時その時でどのファクターが効くかはまったく変わるからです。

アメリカでも日本でも投資顧問業は免許取得のハードルが低いため、要は変な事業者が多くなり、全体として印象が悪くはなっています。ただ、実際のお金は大手の信託などに保管してもらって、そこに対して投資の指示を行う方がコストが安い場合があり、お客様のために投資顧問のみで活動しているまともな会社も中にはありますが。
[ 2013/09/05 08:57 ] [ 編集 ]
回答ありがとうございます、理解できました!何を理解出来たかと言うと、私の能力では付いて行けない世界なんだな~って!でもここは居心地が良いので真面目に勤務しようと思ってます!不束者ですが今後とも宜しくお願い致します。

※ 出来れば御茶とお菓子が出れば最高なんですが難しいですね!
[ 2013/09/05 09:39 ] [ 編集 ]
いつかはあべし
違法かどうかは私自身で調べたわけでもないのでなんとも言えませんけど、ゆかしに批判的な発言をすると訴訟ちらつかせられたり、変な奴にネット上で絡まれたりと気持ち悪いことこの上なく、運営者がまともではないことはすぐわかります。やまもとさんのブログにも「この手の捜査や処罰には時間がかかる」とありましたが、もう少し迅速に対応して欲しいものです。
[ 2013/09/07 13:30 ] [ 編集 ]
Re; タイトルなし
カモさん、オノサイさん、コメントありがとうございます。

そうですね、自作自演サイトや批判する者への攻撃を見るとよくわかります。
遅かれ早かれ、自滅するか、消費者が苦情を訴えるかして、金融庁が取り締まるので大丈夫だと思います。ただ早く取り締まらないと、自転車操業をしている可能性がありますので、元本が帰って来ないリスクがありますね。商品設計に関するほぼすべての文言が嘘ですので。
[ 2013/09/07 17:27 ] [ 編集 ]
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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