仙人の祈り

心のバイアスと価値観の分散

物事の本質は多面的な視点で見ないと理解ができない。人間誰しもが生活していると何かしらの重力のようなものに引っ張られて、考え方や価値観にバイアス(偏り)を持つようになる。しかしそのバイアスのままで見る世界というのは、利己的で排他的なものとなる傾向があり、酷くなると別の考え方や価値観を攻撃し、蔑むようになってくる。

ネット上でどんどんとエスカレートしている「嫌韓」の動きはそのわかりやすい例であると言えるだろう。ごく一部のバイアスのかかった韓国人による過激な行動を取り上げ、それがまるで韓国人の総意であるかのように報じる。そして匿名のネット民達が油を注ぎ込み炎上させることで、それを見たプレーンな人が、新たに「嫌韓」というバイアスを持つようになる。

dog_and_girl2014私は職業柄、物事にバイアスを掛けない見方をしなければならないため、こういったことに対して特に敏感なのかもしれない。勝ち残る投資家というのは、最終的には「価値観の分散」という領域に達する。組織に固有の価値観を把握し、ポートフォリオに入れる銘柄がバラバラの価値観を持つように意図的に調整をするスキルがキーであることに気づくのである。

こうしておくと、景気ショックなどの不測の事態が起きた時でも、結果的にお互いの組織のキャラがショックを打ち消し合うようなパフォーマンスとなり、比較的ショックが軽く済む。これとは逆に、ポートフォリオが一方向のバイアスに偏った価値観を持っている場合、取り返しの付かないようなダメージを被ることになる。


言うまでもないことだが、5千万人の韓国人の一部には、自分とは相容れない価値観を持つ人々を攻撃し、蔑む人々もいるだろう。しかしそれは日本人にもまったく同じことが言える。一部の事象を切り取り、悪意を持ってそれを拡散させる行為は、他人を攻撃することで自己を相対優位にしようとする幼稚な知性そのものであると言える。

自分の中にバイアスがあることを意識し、多面的に見るように努めないと、物事の本質を理解することはできない。人と人とのつながりで大切なことは、ヒューマニティー(Humanity)やフェアネス(Fairness)であって、民族や国籍で壁を設けること自体、何の便益ももたらさない。それは経済的にも、一人の人間としても、である。
[ 2014/02/28 18:00 ] 仙人 | コメント(10)
質問です
自身はバイアスをかけてはいけないのとは逆に、市場にかかっているバイアスを読むのも投資のうちではないですか?
現在は首相の靖国参拝により外国人投資家が日本株に対してマイナスのバイアスをかけていると思うのですがどうお考えですか?
[ 2014/02/28 19:38 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
外国人投資家は安倍首相の右傾化と、第三の矢が弱いことを懸念しています。
外国人投資家にとって日本への投資は選択肢の一つに過ぎないので、どうしても国そのものの競争力の変化に対して敏感に反応します。
日本人は右傾化なんてまさか、とは思うかもしれませんが、外国人にとっては歴史的な観点からリスクの一つと見ているようですね。露骨に軍備拡大となったら中国にとっては恐怖ですので、必ず過剰に反応してくると思います。
[ 2014/03/01 11:25 ] [ 編集 ]
はじめまして
始めてブログを発見した時は、あまりの聡明なコメントに驚きすぐお気に入り登録をした事を懐かしく感じ、
いつも勉強させてもらっています事をこの場を借りて感謝の意を述べさせて頂きます。

ポートフィリオに多様なセクターの銘柄を複数持つだけではダメということですね。多角的な視点を持ってバイアスが打ち消し合うような銘柄群で埋めるべきであると。

今までに無い視点でとても素晴らしいのですが、どうしてもネガティブな事態に遭遇した場合持ち株の全てが売られる事が多く、またその視点で考えたこともございませんでしたので、その場合に上がっている銘柄を調べたことがありません。
今度そのようなことがあれば調べてみようとは思いますが、もしよろしければリーマンショックのような全面安があった場合に上がっていた銘柄のセクターなど教えていただければありがたいです。
[ 2014/03/01 15:46 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
多くのプロも勘違いしているのは、セクターによって分散するという考え方です。セクターニュートラルと言って、日本株の場合ですとTOPIXのセクターウエイトに合わせてポートフォリオを構築するという戦略を多くのプロが取りますが、これではあまり意味がありません。

リーマンのようなショック時は、すべてのセクターが大きく下がり、あまりセクターによる差というのはありません。セクターで考えるというのが間違っているということですね。

リーマンの時でも個別の銘柄ではほとんど下がらなかった銘柄もあります。例え急速な不景気になっても、その会社の社長と組織であれば柔軟に対応し、高い利益成長を維持してくれるという信頼があったということですね。業績のビジビリティが高いという言い方もできます。

セクターやビジネスモデルを見るのではなく、個々の会社組織の価値観を見ているということです。長期的に勝ち続けるためには、このようなレイヤーまで会社を分析して投資をする必要があります。もちろん公開情報を隈なく見れば、発見することは可能です。
[ 2014/03/01 19:14 ] [ 編集 ]
ありがとうございます
なるほど、やっぱり最終的には個別株の潜在した成長力を見抜ける目と耳を持てるかにかかっているのですね。
公開情報ですら自分の力では処理しきれない量がありますので、他に頼らず自身の情報処理能力を高めていきたいと思います。

今後あのような急落の場があれば、優良企業を簡単に探せるチャンスと考えれるようになりました。ありがとうございました。
[ 2014/03/03 10:52 ] [ 編集 ]
>ネット上でどんどんとエスカレートしている「嫌韓」の動きはそのわかりやすい例であると言えるだろう。
>ごく一部のバイアスのかかった韓国人による過激な行動を取り上げ、それがまるで韓国人の総意であるかのように報じる。
>言うまでもないことだが、5千万人の韓国人の一部には、自分とは相容れない価値観を持つ人々を攻撃し、蔑む人々もいるだろう。しかしそれは日本人にもまったく同じことが言える。

韓国は対日歴史観に関して、国家的に戦略的意図を持って改変(捏造)した歴史教育を国民に対して行い、歴史の政治利用を図っているのだと思いますよ。
「嫌韓」の動きとは、この事に対する日本側からのカウンターという反作用だと思いますが。

ですので、ご認識に多少違和感を覚えました。
[ 2014/03/04 08:27 ] [ 編集 ]
嘘で塗り固めた国
従軍慰安婦を募集していたのは、挑戦系日本人が多いです。彼らはそれでのし上がりました。ある者は韓国にとどまり、ある者は日本に渡った。日本に渡った者は、米軍を後ろ楯にして日本の支配者層におさまった。彼らは挑戦系なだけで日本人、いわゆる在日ではなかったりする。
韓国から同胞を売ったと言われたくないために、それらをうやむやにし、日本の国家的犯罪らしいと談話を出した。
それで手打ちしたはずだが、日本支配者層のアキレス腱になっている。韓国はそこを何度でも攻めてくる。

同胞を
[ 2014/03/05 15:53 ] [ 編集 ]
Re: 嘘で塗り固めた国
皆さんコメントありがとうございます。
嘘で塗り固められた国かもしれませんが、それもまたバイアスによって一方向からしか見ていないかもしれません。日本が歴史を捏造したり、他国から技術を盗まなかったかと言われればどうでしょうか?欧米人の視野の狭い人びとにとって日本と言えば、国が大嘘をついて侵略戦争をし、カメラで技術をパクりのし上がった人びとという印象は今でも残っているでしょう。欧米人は日本の右傾化に、日本人が思っているよりも遥かに警戒しています。
韓国も少し前の日本が歩んだ道に今あるだけかもしれません。
[ 2014/03/06 07:34 ] [ 編集 ]
私がコメントしないとみなさんは何か物足りない?何となく寂しいと感じてると思ってる私!これはバイアス?・・・いいえそれはサイアク!・・・またやってしまった!

※訳の解らない市場の動き!気が狂いそうになるのは私だけ?・・・何時もの事か!

たった1時間余りのコメントだなんて!バイアスだわ!そうに違いない!
[ 2014/03/07 16:54 ] [ 編集 ]
こんばんわ。いつも楽しみに読ませてもらっています。心のバイアスですね、私も父親からの教育できっと強いのかも知れません。ソウルに行ったときにたまたま横に座っていたお姉さんが、これから韓国の人の所に嫁ぎに行くとのことでした。
恥ずかしながら初めての海外で、ソウルどころかその先にインドまで行かなければいけない切符を持ってた私は、そのお姉さんにこの切符はソウルで一泊しないといけないよと言われました。
そのままお姉さんに連れられて韓国の友人の家に連れていかれ、とてもよくしてもらいました。
最後の家は、商社マンの家でしたが、めちゃ小さい家!そこのお母さんにも、とても良くしてもらいました。

20年前ぐらいの話ですが、
今子どもをテコンドーに通わせています。
在日の子どももたくさん通い、お父さんと同じぐらい、可愛がってもらっています。

顔も形もよく似ているのに、仲良くなれないのはどうしてなのかな?
本当に仲良くなれることを、
子どもに教えてもらおうと思います。
[ 2014/04/17 23:39 ] [ 編集 ]
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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