仙人の祈り

「さとり世代」の攻略に悩む消費系企業

「近頃の若者は」という論調は、いつの時代も大人による無用の介入であることが多いが、IT革命と景気の長期低迷という大きな時代の変遷を経た現代の若者においては「さすがに従来のパターンでは補足できない世代となっている」という声が多い。

博報堂のブランドデザイン若者生活研究所の原田氏は、現代の20代のことを「さとり世代」と呼ぶ。日本経済が下降する局面しか知らないため、現実を悟っており、超安定志向であることを形容したものである。また中学時代からケータイを持ち、SNSにドップリと浸かっていることから「監視社会」「過剰な気遣い」「既視感」という、特殊な社会性を持っていることも特徴だ。

LINE疲れ201404石井聖也(26歳♂、仮名)は、この世代のごく平均的な男性である。千葉県の某市で生まれ育ち、取り敢えず都内の3流大へ進学したものの、大学生活に馴染むことができず、もっぱら中学時代から仲の良い「いつメン」とばかり付き合い、卒業後は地元でエリア限定社員として働いている。

年収は270万円だが、実家であるため愛車の「ムーヴカスタム」のローン支払い後でも、遊びに使うお金は十分にある。休日は家にいる場合はマンガを読んで過ごすのが好きだが、「セレナ」を持っている「いつメン」とパチンコへ行ったり、イオンモールやドンキを徘徊したり、ラウンドワンでゲームをしたりもする。半径5kmより外に出ることは滅多にない。

彼女はいないがそれほど欲しいとも思っていない。外食は先輩が営む飲食店を利用することが多く、タバコはセブンスターでお酒は鏡月、服はユニクロ、雑貨は良品、音楽はExileが好き。70年代の旧車バイクを雑誌で見るのも好き。LINEは基本で、ゲームも少々やるが、実はITに疎く、スマホやネットなどもイマイチ使えこなせない。テレビも好きでロンハーやアメトーークは毎週見ている。

このような「さとり世代」は特に地方の低学歴・低所得者層ほど多くなる傾向があり、同じ20代の中でも、高学歴で都心に残るタイプとはライフスタイルを異にする。ただ、彼らが不幸かと言うとそうではない。身の丈にあったコンパクトライフをエンジョイしており、憧れよりもコミュニティー内での共感の方に重きが置かれているだけである。

「さとり世代」ではない人からするといかにも奇妙に見えるだろうが、実は、米国では80年代後半から「成熟病」として似た現象が観測されており、それが遅れて日本にもやって来たと言うことができる。客観的に言ってしまうと、縮小均衡へ進む経済の中で、上記のような価値観を取らざるを得なかったということが真実であるが、一方で彼ら自身は、自分たちが負け組みであるというような意識は決してなく、相互不可侵でそれぞれの世界が成立している状態が今日まで続いている。

米国の例と異なる点は、ケータイとSNSという要素が加わったために、地元の繋がりから脱却しづらい状況が精神面でも構築されていることや、SNS等で他人の体験をシェアすることで「既視感」を持ち、他人の経験をまるで自分が経験したものとして共有できてしまうことが新たに加わっている。結果的に本人の中では「地元サイコー」という感覚に落ち着く。

このような環境の中で、消費系の企業はこれまで金額の大きい団塊の世代に対してマーケティング費を集中投下してきたが、中長期的なビジネス戦略を練る上でも、消費のマジョリティーを占める地方の「さとり世代」の攻略法を把握しておく必要性が高まってきている。

広告戦略としては、ターゲットは「ITリテラシーが低く」「集団意識が強く」「地元志向が高い」ことから、マス広告で共感を得るような手法が一部で成果を上げているが、大ヒットまでは至っておらずトライ&エラーを繰り返している段階である。「憧れ」を強調する手法は十分なノウハウがあるが、「共感」を育むマーケティング手法は、まだまだ手探りの状態である。

ビジネスモデルとしては、先例に習って米国のケースを見てみると、$1ショップやTJmaxxなどのアウトレット、SearsやKohl'sなどのショッピングモールが恩恵を受けたが、日本はダイソーやセリア、ドンキ、イオンモールがこれに該当する。しかし狙っていたヒットではなく、再現性のある成功とは言い難い。外食ではDunkinやTim Hortonsなどのファストフードが伸びたが、コンビニが支配する日本では、新たな市場をつくることは難しいだろう。

このように企業経営者としては「さとり世代」の攻略の必要性を感じてはいるものの、未だ有効な施策や方程式を見出せていないというのが実情である。時代の流れを俯瞰してみると、アジア諸国も数十年後には同じような現象を観測するようになると考えられる。今後の消費系企業の興隆は、大人たちからすると不可解に映るこの世代をどのようにして攻略していくかが、先行きを占う上での重要なポイントとなるだろう。

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[ 2014/04/24 18:00 ] 経済社会 | コメント(6)
文京区の三四郎大学を卒業して、今は田舎でのんびりゴロゴロくらしてる私は、学歴以外はこれに該当すると思います。

結論から言うと、攻略法は存在しないと思うんですよね。
物心ついた頃には欲しいものは全部ありましたし、そもそも物欲がないので・・・。

周りを見ていても、地方のんびり組のみならず、三四郎大を卒業していいとこ行った連中も同じような奴多いです。
松下幸之助の水道哲学は、もう実現してます。
もうお腹いっぱい。仮にあと1億円あったとしても、同じような暮らしを続けますね。

仮に世界中の人がこうなったら、そのときは株式会社や投資家というものの存在意義がなくなり、そういう概念がなくなるかもしれません。

私の周りはpeやvcなどの投資の仕事をしてる金持ち連中が多いのですが、皆口を揃えて「カネはコモディティになってる。カネはいくらでも余ってる。問題は、良い投資先、良いビジネスが超少ないことなんだよな」とぼやいてます。
こういうのをみると、カネや投資家が過剰に供給されて、カネや投資家の存在意義が薄まってるのかなあと感じますね
[ 2014/04/24 19:40 ] [ 編集 ]
逃げ切り世代(?)
数年で退職を控える私は、なんと呼ばれるのでしょうかね。
まだまだ働く力は残っておりますが、会社はおいてはくれません。
年金も遅くもらったほうが金額があがるので、それまで別の仕事を知人に打診しつつ今から探しているところでありますが・・・・
経済も行き詰まりを見せている昨今、若者も我々世代も悟りを得ないと生きにくい世の中と感じます。
[ 2014/04/26 09:13 ] [ 編集 ]
最近の若い者は!私よりも利口なんで気を抜いて会話も出来ない!
下手に私が何時もの様に喋ろうものなら、即私がバカだとバレてしまう!
一回りも二回りも目上の私は尊敬はもとより人としても見てもらえない!
悲しい現実なので私はここで伸び伸びお喋りしてます・・・何故か虚しい~

※さしずめ私は、そろそろ悟れよ世代なんて言うのかな?・・・えっ!そろそろ落ち着けよ世代!

※私は韓国の転覆フェリー船長とは別人ですから!勘違いしないでください!

※なんか全然崩れない~!ここは我慢のしどころなのか~?疲れる~

※つまらない!誰か遊んでくれ~!
[ 2014/04/28 21:15 ] [ 編集 ]
確かに贅沢をのぞまなければ、お金は沢山なくても生活できますね。
こじんまりと暮らすことに慣れた時代で、消費税が上がるのは納得いきませんがね。
[ 2014/05/01 08:29 ] [ 編集 ]
悟りと疲弊
グローバル化の進展とIT革命は、市場原理主義を貫けば貫くほど、これまで経済発展の中枢を担ってきた中間所得層の消滅、特に経済の成熟化した先進国においては若者の働き場を狭めてしまうようだ。これに対する有効な処方箋は、いまだ描けていないようだが、これからはいわゆる市場原理主義とは所詮、資源の有効配分の効用しかない、と割り切って規制緩和の方向を見定める必要があるように思う。このままいけば最終的には日本を始めとする先進国の人の給与とアフリカ人の給与水準が近づくまで若者の疲弊が続くことになりやしないか。
[ 2014/05/01 21:35 ] [ 編集 ]
『SoftBank』
ヤバイんでないかっ〜い、痒い痒い所に手が届くんだに!!

文明の末代には生命力が減少し、バイタリティーが減るんでつぉ〜

何処の国デモ、何時の時代モ同んなじデ人間ッテ余り鎮火ちてまちぇん。


チョロチョロ、地上もドボンへとあぽ〜んでつ。…ウッホウッホ!!

露国の米祭売り売りマンセー攻撃が、始った蟹?…ヒャッヒャヒャヒャ!!(5/2夜分

プゥーchanもホクソ笑んでるに違いにゃいにゃぁーーー見事に高値売りだち!!

楽しみなGW( 明け?)ちょ成りとうでつにぃぃぃー
 
[ 2014/05/02 14:08 ] [ 編集 ]
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筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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