仙人の祈り

空振りしそうな政府の「イノベーション音頭」

「世界で最もイノベーティブな国はどこかですか?」という問いがあるとする。その答えは「米国」である。「理由は何故か?」と問われれば、それは「企業の収益性が最も高いから」である。これに異論を唱えることは誰にもできない。

日本が「技術立国」としてイノベーションと高収益性を有していたのは1960年~1990年頃までの話である。繊維に始まり、自動車、機械、半導体など、当時はまさに破竹の勢いであった。ところが現在は、米国の半分ほどの収益性しかない。

gladiator_hillary_2014かつての栄光から一転、先進国で最も収益性の低い国となってしまった理由は、意外にもシンプルだ。それは、世界のゲームルールが変わったためである。1990年頃から、イノベーションの主役が、「モノ」ではなく「コト」に置き換わってきた。

かつてのように「モノ」から付加価値を得られた時代には、日本人の農耕民族チックな習性がピタリと合っていた。「同質性への回帰」「事なかれ主義」「清貧の思想」などは、右脳を退化させ、「ものづくり」を行うには最適だった。そうして「規模の経済」を世界で最も享受してきた。


日本にとって不幸なことは、成功の副作用として、ここを寝床にしていた老害たちが大量発生したおかげで、主役が「コト」に移行していることに気づくのが遅れ、論点のずれた議論が続いたことである。彼らは「成果主義」という土壌を築かぬまま、継ぎ接ぎだらけの施策をとって、そして去っていった。

政府は現在、「GPIF改革」「JPX400指数の導入」「日本版シュチュアードシップ・コードの受け入れ」など、株式市場から、企業にイノベーションと収益性向上の圧力を掛けるような施策を、矢継ぎ早に導入している。内から変わらないなら外からドアを叩くしかないという発想は間違っていない。

だが、ここには決定的な欠陥がある。現場の人間にしか分からないことだろうが、そもそも論として、「コト」でイノベーションを起こすための社員がいないのである。先日の某アンケートでもあったが、半数以上の日本のサラリーマンは「成果主義」よりも「年功序列」の評価の方がよいと答えている。

このようなところで、「さぁ、蔵を開けて武器を取れ。打って出るぞ!!」と言っても、誰も乗ってこない。月商3億円を稼ぐスマホゲームを開発した社員の年収が1,000万円では、誰だってやる気をなくす。それならばJRやメガバンクで気楽な稼業を営んだ方がよい。

イノベーションを起こすには、まずはホワイトカラーの評価体系を根本から変えるよう、企業に強制させる施策が求められる。年功序列の昇級テーブルを完全撤廃し、成果につながるKPIを設定し、その達成度合いで報酬を決める。そうした当たり前のことから始める必要がある。残業がどうのこうのの話ではない。

「そんなことできるはずがない」という意見は多数出るだろうが、そう思う人は船から降ろせばよい。政治家や大学教授のような非成功者がいくら「イノベーション!!」と言っても、まったく説得力がない。政府は直ちに大成している起業家を招聘し、その人たちに政策を決定させる仕組みを導入した方がよい。

政府関係者は国内外の投資家を行脚し、上記の施策やアベノミクスを説明している。その姿勢は高く評価できるが、残念ながら彼らの心を動かすには至っていない。「もしもあなたの部下が国賊であったらどうしますか?」との我々の問いに対して、説明に来た政府首脳は、少し考えた後「クビにする。」答えた。

優等生的な発想だが、それではイノベーションは生まれない。期待していた答えは『それなら私が独裁者になる。』である。イノベーションを起こしている国とそうでない国とで、リーダーというものの価値観はこうも違うものかと、シミジミと感じる出来事であった。

このままでは、日本は世界の投資家の目を向けさせることは叶わず、政府の目論見は外れることになるだろう。今の日本に必要なのは学者ではなく、毒もろとも飲み込んでしまうような独裁者である。
[ 2014/08/08 18:00 ] 経済社会 | コメント(5)
そうそう!有能な独裁者!・・・A・・・違う・・・B・・・違う・・・あっ!Kだ!


※ここもモノからコトに変化したのでしょうか?それに気が付いていない私は独裁者に独裁者に可愛がってもらえないのでしょうか?えっ!可愛がってくれるって?別の意味で!・・・ゴクリ!
[ 2014/08/08 20:55 ] [ 編集 ]
真理を語ろう
黄色い猿共にはムリだ。白人様が働きたがる企業をホワイト企業という。フィリピンやインドなどカスみたいな国など、アジアという一帯にキモいほどいる黄色い猿共が働きたがる企業は、ブラック企業だ。

アジアは私のような白人国様の植民地なのだ。従って、アジアは漢字で書くと植民地だ。

「おい、ファ○クマネージャー・ア○ルリスト!」、植民地にいる名ばかり経営者のケツ掘りに明け暮れてんじゃねーよ。

世界の投資家の日本への関心は、東北の大震災後の株価の反動だけで終了だ。なぜなら、儲かったから。日銀やアベノミクスなんて、とっくの昔に忘れたよ。
[ 2014/08/08 21:00 ] [ 編集 ]

(´・Д・)」そこのNYで小松原さんに振られちゃったゲイの方!!まだ移民許可降りないの?

小松原さん、ノーマルだから…
Americaも、お呼びでないよーだから……

残念〜〜っ!!!

日本の古いギャグなんだけど、分かる??笑
[ 2014/08/09 06:25 ] [ 編集 ]
ホンマに
↑↑ ホンマにやめた方がええで。
君が憧れるのはわかる、けどなー、痛すぎるよ。
あと、君にはムリだ、いろいろなものが、まず平均以下。
[ 2014/08/09 08:15 ] [ 編集 ]
辺境
最近の新入社員は何かあると、すぐに、それパワハラですよ、とかブラックですよ、と言ってきて困ってます^o^
本当に新しい国や会社、仕組みは、辺境から出て来るのが歴史ですね。国には、達成が難しいが社会に役立つ壮大な目標を示してもらい、そこに1番で達した企業が利益を総取りする仕組みを期待します。要はフロンティアを示してほしいです、是非Kさまに。あとフロンティアを目指さざるを得ない環境づくりも。
[ 2014/08/09 11:34 ] [ 編集 ]
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筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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