仙人の祈り

日本のメカトロ技術と人型ロボット

日本が「ものづくり大国」であることは、今も変わらない。いわゆるアナログとか、職人技による「メカトロ系」の技術では、高い競争力を保ち続けている。

世界のトップを走り続けている自動車産業や機械産業がその好例である。一方で、半導体や液晶のように、製造工程と装置が標準化され、お金を出せば誰でもつくれるような製品では、衰退の一途を歩んでいる。

doraemon201590年代後半からは、インターネットの普及によって、米国系のデジタルや、ソフトウェア系の技術が脚光を浴びているが、長期的な時代の流れを読んでいくと、日本のこの「メカトロ」系の技術が再び世界を席巻する可能性は、十分にあると思う。

そのシナリオを具体化する上での最有力候補は「人型ロボット」だ。「鉄腕アトム」や「ドラえもん」、「ガンダム」のように、日本人が潜在的に夢見てきた近未来の世界は、いよいよ産業として本格的に立ち上がる準備が整ってきた。


経産省の試算では、「介護」「移動支援」「警備」「ホビー」などのサービス分野のロボット産業は2025年までに3兆円の市場になると試算しており、同分野への補助金の集中や、「ISO13482」の発行など、国としても支援体制を強化している。

日本が人型ロボットに勝機を見出すのは当然で、そこには「メカトロ」系の技術が全面的に生きてくるという理由がある。「目=カメラレンズ、画像認識センサー」「表情=空圧ポンプ」「間接=モーター、減速機、ベアリング」「心臓=二次電池」等等、人型ロボットは日系企業が得意な分野の集合体と言えるからだ。

この状況は、同じようにメカトロ系技術の集合体である自動車産業によく似ている。あとは、各メーカーをまとめあげて、強力なリーダーシップを発揮できる最終セットメーカーさえ出現すれば、一気に弾みがついてくるだろう。

もちろんこのシナリオにはリスクもある。過去の日本の電機メーカーの教訓に習えば、日本の人型ロボット産業が覇権を奪われてしまうリスクは、やはり相対するデジタルやソフトウェア系の技術に、収益の大半を持っていかれてしまうことだろう。

事実、人型ロボットの「頭脳」のパーツでは、米系企業、特にGoogleが圧倒的に先行している。コンピューターが自ら学習する「ディープ・ラーニング」を進化させ、今ではヒトの感情の再現にも着手している。

ものづくり大国の日本と、デジタル大国の米国。どちらが覇権を握るかはわからないが、近未来には、人型ロボットが私たちの生活に欠かせない存在となっていることは、間違いなさそうだ。
[ 2015/07/14 18:00 ] 投資全般 | コメント(12)
真心
示唆に富んだエントリーありがとうございます。

人間ロボットへの日本の強みとして、
優しさ、温かみと言った類の具現化に期待します。

月並みな


[ 2015/07/15 21:24 ] [ 編集 ]
メカトロ分野もディープラーニングのようなブレイクスルーが何個か生まれれば、一気に人型ロボットまで進むんでしょうね。

人型(+汎用人工知能)が出来れば、ロボットへの教育が人とほぼ同じプロセスで行えるので、単純労働に加え、知的労働の多くもロボットに置き換わるようになるとして、

そんな時代を楽観的に捉えると、人口が少ない国の方が豊かになるかもですし、それなりに利益分配が平等であれば幸せな人も増えるでしょうし、皆が平安貴族のように和歌と蹴鞠で暮らすって所でしょうか。

100年後だと思いますが。。。
[ 2015/07/16 13:59 ] [ 編集 ]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
[ 2015/07/17 17:19 ] [ 編集 ]
人間が担う作業をロボットに置き換える際の課題
自動運転機能付きのTeslaを作っているからこそ課題を理解しているElon Muskが主たるdonorになって、最近こういった研究をする事になりました。
http://futureoflife.org/static/data/documents/research_priorities.pdf
http://futureoflife.org/AI/2015awardees
第一には、ロボットによる自動化を指示するエンジニアおよびロボット所有者達と、自動化・
無人化されやすいスキルを持つ人達殿間の経済格差です。1億人にたいし5億台のロボットが多くのサービスを提供する世界では、例えば代替されたミドルクラスの人達の収入がなくなると支出ができなくなるので、売上が減り、いわゆるself-defeating mechanismになり、勝者!?のはずの前者の人達も共倒れするという問題です。
第二には、ロボットはいまのところソフトウェアエンジニアが実装したとおりにしか動かず、deep learningを始めとする主要な動作決定アルゴリズムが、設計時の想定前提を逸脱するような状況では意図した通りに動かない場合があるという技術的課題、第三には、誤動作した時の製造者責任の処理手順を考えだす必要があります。
長年夢であったものが夢で在り続けたのにはこのように理由があるのですが、需要の裏付けとある程度の技術的解決の目途が立つと、流れができるのではないかと。
[ 2015/07/18 05:25 ] [ 編集 ]
新国立が白紙に!!
大きな声では言えませんが、超安くなる設計思いついたんでっす!

完璧な長方形にして、表面はソーラー☀️
設計がシンプルだから費用ダウン&耐震性バツグン!潔い形がかえって斬新で、避難場所にもなるから都民も納得\@/うらら〜〜♪
内面は日本らしく匠の技生かして一部木造で湿気も排出♡地方林業も潤いハッピー!

で、入り口のチケット切る人を日本の技術を駆使した美人過ぎるロボットを沢山設置!各界が色めき立って技術も伸びるし、もちろん動力源はソーラー☆
世界中の人に日本のエコと風土と技術を見せつけるのにサイコーな場となるでしょう!!!

…ゆきさん、今手にしたの、ドライヤー??
[ 2015/07/18 06:24 ] [ 編集 ]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
[ 2015/07/18 18:04 ] [ 編集 ]
淡い夢
日本のような小国が、欧米諸国と互角に経済分野で肩を並べてこられた所以は、ひとえに日本の作り上げた物の、実用性、性能、耐久性という点がずば抜けていたからであります。それぞれの分野を統括し、他国の追随を許さない夢のロボットが誕生するといいですね。美人すぎる介護ロボットが生きている間に誕生すれば、嬉しいのですが。。。。
[ 2015/07/18 18:52 ] [ 編集 ]
島耕作
東芝と日立をモデルに描いた潤いある漫画でしたね。

あの三人のお顔拝見すると
あの会見は会社のブランド、社員を守ろうという思い遣りや心意気がなく、
社員の方々も複雑な想いでしょう。

チームワーク、一体感、阿吽

簡単に創出出来ないからこそ、
幸せです。
[ 2015/07/23 20:48 ] [ 編集 ]
み、見える。どの銘柄のことを言っているのか、見える!!完全に捉えた!!
[ 2015/07/24 12:20 ] [ 編集 ]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
[ 2015/07/31 13:56 ] [ 編集 ]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
[ 2015/07/31 14:01 ] [ 編集 ]
ブレない凄さ
心にさざ波がある時、周さんの数年前のブログを見返します。

執筆した本とブレていないことに感心するのと、
ブログを始めた理由の一つに、
正しい日本の個人投資家が育ってほしい想いが伝わってきます。

諸悪の根源は、
胴元が儲かる投機すなわち仕手株に注ぎ込ませるネット情報やポータルサイトと、
手数料欲しさの証券業界。
理想は、周さんが投資家養成講座を設立でしょうか。

仮の話、もし周さん単独で出版していたら、
こんなことにならなかったはずでしょうし、
自発的に有志→研究会で勉強会開催したような気がします。

教材は、ブログの内容、周さんの本、バフェットさんやピーターリンチさんの
本、ケーススタディー企業決算あたり。
輪読と分析ケーススタディー。
レポートを周さんにレビュー頂きフィードバック。

土日あたりの午前に大手町界隈でとか楽しそうです。

以下、愛情溢れる言葉を引用します。

お金はただそこにあるだけでは新しい価値は生み出せないが、誰かの思いと結びつき、誰かが幸せになることの媒介となった時、新しい価値を生み出す力がある。日本人がそれぞれにお金とは何かを考える機会があれば、この国はもっと生き生きとした国になるのではないだろうか。
[ 2015/08/01 23:28 ] [ 編集 ]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

記事の募集
  • 社会全般や政治・経済に関して、記事の寄稿を募集しています。お名前、タイトル、本文を記載しこちらまでお送り下さい
お問合せ
  • 出版・メディア関係の方のお問い合わせはこちら

管理人(Macoちゃん)が責任をもって小松原氏へ転送致します
人気記事(当ブログ内)
記事検索