仙人の祈り

ホワイトカラーに潜む2つの人種

いわゆるホワイトカラーのなかには2種類の人間がいる。1つは質より量の人、もう1つは量より質の人。

ちょっと前のことだが、私がインターンに来た学生に課題を与えることになった。そこで私からは、近い将来の投資テーマとなるであろう「量子コンピュータが変える未来」というお題を出した。

GoogleやNASAで実際に稼働している量子コンピュータ(D-Wave)について解説した後、将来どのようなことが起こりえるかを想像して、どういう投資行動を取るべきかを考えて欲しいと伝えた。

意外というかビックリしたのは、今時の学生であっても、この量人間と質人間がきれいに分かれて存在しているという事実を目の当たりにしたことである。


(察しがつくと思うが)量人間というのは、どうやって「やった感」を相手に伝えられるかという発想からスタートしているので、できるだけ早く、できるだけ多くがモットーとなる。

なので量人間たちは、私がお題を出した日の夕方には、すでに何やらワードで打ち始め、期限の3日後には20ページ以上のレポートに仕上げて提出してきた。

だが、案の定、その内容はペラペラだった。Google本社の写真が差し込まれ、ネット系企業の時価総額のグラフがあり、結論はデータセンターのショート(空売り)という、ある意味で期待どおりのものであった。

一方、質人間はこの逆であった。レポートは3枚程度しかなかったが、その一文一文に自力で考えた痕跡が見られた。10年後のある女性の一日を時系列で追いながら、量子コンピュータのある世界がどのようなものかを想像していた。

彼女のレポートに結論はなかった。聞くと、結論に至るまで考えが進まなかったと、申し訳なさそうに答えた。しかし、それこそが私が求めていた正解であることに、彼女は気づいていないようだった。

一応、総評をしなければならなかったので、各人のプレゼンに私が評価をつけた。当然、私は最後に発表した質人間の女性に最高評価をつけた。

後日、人事に聞いたのだが、インターンが終わった後で量人間たちは私の評価に不服を述べていたという。あの人は本当に自分たちを見ていたのかと。

私はそれを聞いて「やれやれ、、」としんみりしていたが、人事は人事で、その量人間たちは一流大の学生たちなので、そういう評価をしてはちょっと困る的なことを言ってきた。

いや、いろいろな人たちがいて世の中バランスしているので何とも言えないが、少なくとも投資家を育てようとしているなら答えは一択でしょと思うのは、私のエゴであろうかと少し悩んだ。

日本はホワイトカラーの生産性が低いことが問題となっているが、私の実体験として、欧米人・アジア人の中にもまんべんなくそういう人はいる。

ひよこの♂♀を選別するように、神様がどちらかのカテゴリーに分類してしまっているとしか思えないことがある。それほどまでに両者の隔たりは大きく、そして永遠に分かり合えない仕組みになっている。

同じように「自分本位の視点でしか物事を考えられず、相手を自分のフィールドに引きずり込んでからボコボコにするタイプ」と、

「相手のフィールドに歩み寄って、相手の視点から物事を見れるタイプ」という分類もあるのだが、愚痴が長くなるのでこの辺でやめておく。

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[ 2017/04/25 18:00 ] 経済社会
筆者紹介

check 小松原 周

こまつばら・あまね/ファンドマネジャー・アナリスト
徹底した企業リサーチと業績予想をもとに投資を行う。現役のファンドマネジャーであるため、外部への情報発信において、個別銘柄の投資推奨などは行っておらず、報酬も得ていない。

(会社四季報より引用)

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