「梅の花 散らまく惜しみ 我が園の 竹の林に 鴬(うぐいす)鳴くも」
今年も忙しすぎて日本で桜を見れそうにないが、某社訪問の折、社長の所有する広大な梅林に連れて行ってもらった。
2012年の夏頃に、日本株が力強く上がる可能性が高いことを会議で発言したがために、日本株ポートフォリオの再構築というミッションが与えられた。しかし、実際に現地で活動をしてみると、日本株で大化けする企業を見出すことは、グローバル投資家からみると非常に効率の悪いことを実感した。

「己を知り、世界を知る」というのは、成功する企業が必ず通る道だが、日本企業の多くは「己を知らず、世界も知らぬ」という状態である。それぞれの業界で、海の向こうでは新たな潮流と、それを捉えた将来の勝ち組が台頭し始めているが、残念ながらそれを知る経営者は少ない。
組織の上層部は私をNYへ呼び戻すことを考えているのかもしれない。「マサとキャッチボールができる」という発言を聞く限り、ヤンキースのマー君と同じマンションを手配しているということだろう。ミッドウェストのあの鏡張りのビルのことだ。私は日本のポートフォリオはまだ完成していないと主張するが、組織がそれを聞いてくれるとは限らない。