仙人の祈り

本当に怖い確率外の出来事

世の中、怖いもの、恐ろしいものはたくさんあるが、何が「怖くて、恐ろしいか」と聞かれると、その答えは千差万別のものとなるだろう。「路上に落ちている子供用の靴下が怖い」とか、「ドナルド・マクドナルドが(変質者にしか見えなくて)直視できない」とか、「蓮の花托を見ると鳥肌が立つ」など、それは人の感性の数だけあるかもしれない。

私にとって怖いものというと、投資している会社が予期せぬ業績下方修正を発表したり、会議で披露したジョークがモロにすべることなどがあげられるが、それは冗談として、本当に怖いものは「あらゆる計算や確率を超えてくる出来事」であって、ある意味では、常にそう言った潜在的な恐怖を抱き続けながら生活していると言うことができる。

p-value1%201502仕事柄、未来を予想することに多くの時間を費やしているが、一応、賢い人たちが全力で取材をしたり、予想をしたりしているので、世の中で言うところの「サプライズな出来事」は、私たちにはむしろ「メインシナリオ」であり、「スーパーサプライズな出来事」は、私たちの「サブシナリオ」であったりすることが多分にある。

しかし、それでも現実というのは時として残酷で、人間に想像できる範囲をぶっちぎりで超えてくる出来事に突如出くわすことがある。それは言葉で表現しようとするならば、大概はTragedyとも言うべき悲劇的なものである。私たちは、生物としても、経済人としても、統計学的に言うところのP値1%を下回るような出来事に対しては、何ら対策を施すことができていないことに気がつく。
[ 2015/02/17 18:00 ] 雑感 | コメント(23)

「つまらない人間」と「つまらない人生」

「酒は?→飲みません」「タバコは?→吸いません」「ギャンブルは?→やりません」「好きなものは→焼き鳥」「休日は?→勉強」。この種の会話は今までに数え切れないほどあるが、大概の人がその後に「人生の何が面白いの?」と聞いてくる。

私に言わせれば、アルコールを飲んで、煙を吸って、金を擦って、不味いレストランで無駄話をしている人に、そのようなことを言われる筋合いはないというのが本音だが、最近は大人になって、微笑み返しで完全スルーができるようになってきた。

alcoholism_cat2015確かに、私のようなタイプの人間は、彼らからすると「つまらない人間」であるかもしれない。しかしその代わりに、彼らのような「つまらない人生」を送ってはいない。私には、そちらの方が百万倍マシに思える。

私は自分の体力と精神力が有限であることを知っている。そのため、将来の在るべき姿までの距離を計って日々その誤差を調整しており、寄り道をしている余裕がそれほどないことが分かっている。
[ 2015/01/30 18:00 ] 雑感 | コメント(44)

無神論者の信じる神

私は神の存在を信じていない、いわゆる無神論者である。欧米のホワイトカラーにそれを言うとリアルに軽蔑されるが、公的文書にもしっかりと「信じている宗教」の欄の最後にある「なし」にチェックを入れている。

世の中の多くの争いは、どの流派の神を信じるかが大義名分のようになっているが、無神論者の私からすると、どうしてもその主張に共感することができず、本音を言うと「すみません、マジで何言ってるかわからないんですけど」という感じになる。

20141012『あなたは何も信じていない。では、あなたの魂はいつ救われるのですか?』と、某会議が終わった後のフロアで大真面目に聞かれたこともある。しかし、私の魂は、救われていないとは感じていないし、むしろこれから行く予定の美味しい焼き鳥屋への期待感で、ワクワクしているところである。

「焼き鳥になる鳥の魂はいつ救われるの?」と逆に聞くと、相手は軽く天を仰ぎ『鳥に魂はないから、救われる必要はない』と言う。「ふむ。日本では八百万(やおよろず)の神と言って、全てのモノに神が宿っていると昔から信じられているよ。川も石コロもバッタも、もちろん焼き鳥もね。」
[ 2014/10/12 20:00 ] 雑感 | コメント(23)

私が還る場所 - 圭吾

ハッブル宇宙望遠鏡によって発見された129億光年かなたの銀河「GN-108036」。私は学者ではないが、民間でのバーチャルECUの開発経験があることを買われ、現在、「赤外線天文衛星」や「すばる望遠鏡」で撮影した画像データを解析し、星形成のメカニズムを研究するプロジェクトの手伝いをしている。

宇宙とは過去のこれまでの映像が時系列で納められた、広大な映像ライブラリーのようなものである。不思議なことだが、129億光年かなたの銀河を見るということは、129億年前の、宇宙が誕生して間もない頃の姿を見ていることになる。我々人類は、すでに過去を見ることに関しては、ある意味で究極まで達している。

宇宙物理学などとはまったく無縁のキャリアの私であるが、プロジェクトチームのおかげで勉強をするようになり、その深遠の果て無き世界を知れば知るほど、もっと早くにこの世界(本当の世界)に出会っていたら、これまでの人生の選択も、少しはまともなものとなったのではないかと、後悔の念が湧いてくる。

若気の至りと言えばそれまでだが、人付き合いでの失敗、仕事での失敗、お金での失敗、時間の使い方の失敗と、どうして人は失ってから気づき、失敗を犯してから反省するものかと、しみじみ思えてくる。もっと自分を俯瞰して見る視点を持っていたら、晴れやかな気持ちで、命の炎を燃やしてきただろう。
[ 2014/08/28 18:00 ] 雑感 | コメント(10)

自分の夢に生きるということ

創業社長とミーティングをする時に、私が相手に必ず聞くことがある。それは「貴方の夢は何ですか?」ということだ。機関投資家からそのような抽象的な問を投げかけられたことに対して不意をつかれたようなリアクションを見せる人もいるが、大概の社長がとても嬉しそうに、そして少しあらたまって話しを始める。

「戯言だと思って聞いて下さい」と言いながらも、力のある人物ほどにその眼差しは強く、イキイキと話をする。「時価総額1兆円の会社になりたい」とか「世界中の人々に自分たちのサービスを届けたい」とか「圧倒的なパイオニアである競合他社をいつの日か抜き去りたい」というようなことを語る社長が多い。

NYC201406大風呂敷を広げているなどとは誰も思うまい。彼らはある程度の成功を収めて上場企業にまでなったわけだし、今も無我夢中(我なし夢の中)で夢の軌跡を歩んでいる最中である。逆に、今の延長線上にあるようなものを夢として語るようでは、この先の成功は期待できないだろう。

こうした中で、特に印象に残っている人物がいた。私がいつものように夢を聞くと、彼は「自分で描いた夢」を生きることが如何に大切なことかを切々と語り始めた。学生時代から他の誰にもできない新しい価値を創造したいと思っていたため、卒業後もどこにも就職せずに自宅で新サービスの構築を黙々と準備していた。
[ 2014/06/19 18:00 ] 雑感 | コメント(10)

気圧の変化と気持ちの変化 - 謎の飛行機頭痛とともに

飛行機での移動は何度繰り返しても好きになれない。上空にいる時は機内の気圧が低いためか、血の巡りが悪くなり、気分が陰鬱になってくる。

もっと酷いのは着陸に向けて飛行機が降下し始める時で、地上が近づくにつれて機内の気圧が上がり、眉間の奥の副鼻腔のあたりがその変化に対応できずに激痛を返してくる。経験上、行き先が海沿いの空港であるほどにその痛みが大きくなることがわかっているのだが、それが何故なのかは現代の科学では未だ解明されていない(多分)。

移動中このことは私の周囲の人間にいつも訴えているのだが、理解してくれる人は誰もいない。「耳栓をすれば?」とか「寝てればいいんだよ」という返事はまったく頂けない。それで万事解決するくらいなら誰も苦労はしない。今のところ考え得る策としては、与圧ができるヘルメットを開発し、移動中ずっと装着するというものであるが、そのようなことはまず航空法が許してくれまい。

これまでに、唯一この悩みを共有できたのは、カナダのオタワ空港の待合室で出会った初老の紳士だけであった。私が雑誌を捨てる前に、折り目を付けて記事を切り取っていると、近くにいた彼が話し掛けてきた。元大手エナジーで掘削機の開発をやっていたらしく、私がそれっぽい記事を読んでいたことと、雪でフライトが遅れており暇だったことが重なり、たわいもない会話のパス回しをしていた。
[ 2014/06/11 18:00 ] 雑感 | コメント(9)

遥か東国の梅の花

「梅の花 散らまく惜しみ 我が園の 竹の林に 鴬(うぐいす)鳴くも」
今年も忙しすぎて日本で桜を見れそうにないが、某社訪問の折、社長の所有する広大な梅林に連れて行ってもらった。

2012年の夏頃に、日本株が力強く上がる可能性が高いことを会議で発言したがために、日本株ポートフォリオの再構築というミッションが与えられた。しかし、実際に現地で活動をしてみると、日本株で大化けする企業を見出すことは、グローバル投資家からみると非常に効率の悪いことを実感した。

梅の花201403「己を知り、世界を知る」というのは、成功する企業が必ず通る道だが、日本企業の多くは「己を知らず、世界も知らぬ」という状態である。それぞれの業界で、海の向こうでは新たな潮流と、それを捉えた将来の勝ち組が台頭し始めているが、残念ながらそれを知る経営者は少ない。

組織の上層部は私をNYへ呼び戻すことを考えているのかもしれない。「マサとキャッチボールができる」という発言を聞く限り、ヤンキースのマー君と同じマンションを手配しているということだろう。ミッドウェストのあの鏡張りのビルのことだ。私は日本のポートフォリオはまだ完成していないと主張するが、組織がそれを聞いてくれるとは限らない。
[ 2014/03/21 18:00 ] 雑感 | コメント(7)
筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

By 管理人:

Macoちゃん♀・x・)

記事の募集

社会全般や政治・経済に関して、記事の寄稿を募集しています。お名前、タイトル、本文を以下のフォームにてお送り下さい。採用・不採用は当ブログへの記載を以ってご連絡とさせて頂きます。

お名前:
メルアド:
タイトル:
本文:

人気記事(当ブログ内)
記事検索