仙人の祈り

日本のメカトロ技術と人型ロボット

日本が「ものづくり大国」であることは、今も変わらない。いわゆるアナログとか、職人技による「メカトロ系」の技術では、高い競争力を保ち続けている。

世界のトップを走り続けている自動車産業や機械産業がその好例である。一方で、半導体や液晶のように、製造工程と装置が標準化され、お金を出せば誰でもつくれるような製品では、衰退の一途を歩んでいる。

doraemon201590年代後半からは、インターネットの普及によって、米国系のデジタルや、ソフトウェア系の技術が脚光を浴びているが、長期的な時代の流れを読んでいくと、日本のこの「メカトロ」系の技術が再び世界を席巻する可能性は、十分にあると思う。

そのシナリオを具体化する上での最有力候補は「人型ロボット」だ。「鉄腕アトム」や「ドラえもん」、「ガンダム」のように、日本人が潜在的に夢見てきた近未来の世界は、いよいよ産業として本格的に立ち上がる準備が整ってきた。
[ 2015/07/14 18:00 ] 投資全般 | コメント(12)

ギリシャの「Xデー」とその後のシナリオ

ギリシャの救済プログラム(ELA)の期限切れが迫るなか、依然としてギリシャ政府とユーロ圏の債権団との議論は終着点が見えておらず、予断を許さない状況が続いている。ここで今後のギリシャ問題を、重要な日程とともに、あらためて整理してみたい。

【6/30】この日は、上記の救済プログラムが終了し、かつIMFへの€1.5bnの償還期限を迎える。一般的にはこの日がXデーのように報じられているが、実はそうではない。何故ならIMFのような公的機関の債務不履行は、格付け機関の評価として「デフォルト」とは見なされないため、イベントのトリガーは発生しないからだ。

greece2015【7/17】この日は、ギリシャ国債の利払い€0.07bnが発生する。この支払いができない場合は、民間の債権者への支払い不能と見なされるため、間違いなく「デフォルト」となる。しかし、金額が小さいことと、30日間の支払猶予が設定されているため、現状の混沌とした状態の中では、それほど大きな問題とはならないだろう。

【7/20】この日は、ECB(欧州中央銀行)が保有するギリシャ国債€3.5bnの償還日であり、大きな山場を迎える。6/30に終了する救済プログラムが延長されていない限り、返済は不可能であり、ギリシャ政府は、この数日前から国内銀行への資本規制を導入し、預金の移動が禁止されることとなるだろう。
[ 2015/06/22 18:00 ] 経済社会 | コメント(17)

ネットとリアルの境界線

この度の著書における一部のネット界隈での盛り上がりは(ex. 痛いニュース)、曖昧となったままで浮遊する「ネットとリアルの境界線」に関して、興味深い問題提起となっているように思える。

言うまでもないことだが、私は五月さんのアクションを全面的に支持している。五月さんからは、自身のブログで述べていることと同じ要旨で、事前に相談頂いており、私も情報開示請求を行うことに賛同している。

Amazon-review2015ネット上では、Amazonのレビューで☆を低くつけた人に対して、情報開示請求を行っているかのような引用をされているが、これは事実ではない。本当の目的は、創作話で人を貶めるようなアンフェアな行為に対して、異議を唱えることにある。

ネットの匿名性は、人の内面にあるマイナスな感情を、増幅して引き出してしまう。リアルであれば「社会性」という名のストッパーがかかるが、ネットの場合は、まるで自分だけが透明な存在であるような錯覚に陥り、巧みな嫌がらせができてしまう。
[ 2015/06/17 18:00 ] 経済社会 | コメント(32)

社長が8割

「会社を見る上で最も大切なことは何かと問われれば、間違いなく「社長の質」と答えます。会社の業績が伸びるか伸びないかを決める要素の8割以上は、社長しだいといっても過言ではありません。」

著書の中で述べたこの一節について、多くの読者から反響の声を頂いているが、この「社長が8割」説は、私が機関投資家として数多くの失敗を繰り返しながら発見した、効率のよいリサーチ手法の一つであると思っている。

80%2015ビジネスモデルや競争力の分析というのは、経験を積んだ人ならば、ほとんどが同じ結論に達する。皆が同じ結論に達するということは、ギャップがないことを意味しており、株で利益を得ることはできない状態と言える。

だが、皮肉なことに、現実にはまずそのようなことにはならない。会社と言うのは良い意味でも悪い意味でも、市場参加者の予想を大きく裏切り、まさかの展開を見せるのが世の常だ。まさかの大ヒット、まさかのシェアアップ、まさかの粉飾決算,,,etc。
[ 2015/06/03 18:00 ] 仙人 | コメント(11)

【告知】「勝つ投資 負けない投資」

表題にありますように、著名投資家の五月さん(片山さん)と共著で、本を執筆しましたので、告知させて頂きます。

勝つ投資 負けない投資
究極の個人投資家である五月さんと、不敗の機関投資家である小松原、それぞれの立場のトッププレーヤーがタッグを組むという、ある意味で史上初の投資本となっています。

本書を執筆するにあたって五月さんと何度も打ち合わせをさせて頂きましたが、二人の間で共通の思いとして『これまでにない、誠実な本にしたい』というものがありました。ですので、もしかしたら読者の中には、もっと具体的な手法などが公開されているものと期待して購入される方もいるかもしれませんが、私たちはそれよりも大切な根っこの部分に、あえて絞って執筆しているということをお含みおき下さい。

私自身も、五月さんという有能な投資家のたどり着いた境地に直接的に触れることができて、本当に多くの示唆を得ることができました。読者の皆様にも、それを共有して頂きたいと思っています。これから投資を始めたいという方から、今よりもスキルアップしたいという方まで、すべての投資家にとって新たな発見があることと思いますので、ぜひお近くの書店やオンラインでお求め下さい。

東証Project(五月さんのブログ)
Flier
四季報オンライン

*Kindle版はこちら
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*【御礼】6/10 第4刷が決定しました。
[ 2015/05/01 18:00 ] 仙人 | コメント(37)

日本の貧困率増加とその元凶

厚労省が公式発表している日本の貧困率は、年々増加の一途をたどっており、足下では16%の世帯が、貧困層に分類されている。

この貧困の定義はOECDで定められた統計的な基準によるものであるが、具体的には、日本の場合、世帯当たりの手取り収入で240万円、労働者一人当たりで120万円がそのボーダーラインとなる。ちなみに意外かもしれないが、日本のこの16%という貧困率は、加盟34カ国のうちメキシコ、トルコ、米国についで、第4位という不名誉な状態にある。

the-difference-in-Mexico2015さらにこれを性別・年齢別にわけて、それぞれを時系列で見ていくと、日本社会のゆがみが見えてくる。直近20年の変化では、24歳以下の男女の貧困率が大きく上昇(約+10%)する一方で、65歳以上の男性の貧困率は大きく低下を見せている。つまり、すでに社会問題となっているように、若者世代の困窮が、数字の上でも確認される状態となっている。

この要因の一つとしては、これまでの不況や、それによる就職難、非正規社員の拡大などがある。しかし、あまり知られていないが、もっと大きな理由としては、政府による所得の再分配が、まったくと言ってよいほど機能していないことが、この問題の根底にある。
[ 2015/04/21 18:00 ] 経済社会 | コメント(7)

新入社員へ贈る5つの言葉

新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。それぞれの会社の選考を勝ち抜いて、あるいは何かの縁あって、新たにビジネスマンとして歩まれる皆さんに向けて、少しだけ先輩の私から、心に留めておいてもらいたいことを書いてみました。以下は昨年、私が自社の新卒向けにコメントしたものです(和訳)。皆さんのご健闘を祈ります。

リセットすること

優秀な大学を出た皆さんには、他の同年代の人たちと比べてアドバンテージがあります。しかし、それは僅かなものでしかありません。社会に出ると、それは無情にも簡単に覆ってしまいます。過去から積み重ねてきた実績は本日をもってリセットし、初陣の心持ちで新しい道を歩み始めましょう。ここでそれができないと、後の人生でかえって伸び悩むことになってしまうでしょう。今、ゼロからスタートするというマインドを持てるかどうかが重要です。

20150404誰よりも努力すること

プロの世界で勝ち抜くことは、これまでに皆さんが経験した競争とは次元の異なるものです。生き残る術はただ一つ、「誰よりも努力をする」という言葉に尽きます。「努力しても、努力しても、結果に結びつかないのでは?」と恐れるようでは、この世界では生きていけません。何故なら、結果の出ない努力など、それはまだ努力と呼べるようなものではないからです。横並びの中で相対優位に立ちたいという程度であれば、器用であれば可能でしょう。しかし、勝ち残る者に必要なことは、器用さではなく、ひたむきな努力です。

大らかに正しいこと

皆さんがこれから歩む道には「ルール」はありますが、「レール」はありません。先輩の歩んだ道をたどっても、同じ場所には到達できないでしょう。環境は日々変わり、物事の定義ですら変わるのがこの世界です。皆さんが目指すべきことは、大らかに方向性だけは正しいと思う道を歩むべきであって、先入観や固定観念によって、決められたゴールを目指すようなことはしないで下さい。皆さんそれぞれに道があり、それぞれのゴールがあるということを忘れないで下さい。
[ 2015/04/04 18:00 ] 雑感 | コメント(7)

「地方創生=農業改革」はメディアの描いた幻想

全中から監査権を奪い、単なる社団法人へ格下げしたことは、農協解体へ向けた第一歩として評価できる動きである。中長期的には、莫大な予算を持つ農林水産省も格下げに向かうだろう。ただ、安倍首相としては、農業改革を断行することにそれほど思い入れがあるわけではなく、その本心は、TPPに反対して日米関係の足を引っ張る彼らを押さえ込むことにある。

日経新聞のような”一流メディア”が、このような事態の本質を見抜けずに、「農業改革こそ地方創生の第一歩」と盛り上がっているが、これは明らかに論点がずれている。日本の農業はGDPに占める割合は1%程しかない、零細産業である。それが効率性を今の倍に上げ、輸出額も現在の4,000億円から引き上げたところで、地方はまったく潤わない。

shatter mall 201503それどころか、200万戸の農家に本当の効率化の波が押し寄せたら、地方から人はいなくなり、都市への人口集中が更に加速するだろう。海外の事例を参考にすれば、農業に係わる人口は100人に1人の割合で十分である。技術力、開発力に優位性のある日系の食品メーカーは、すでに海外での現地生産へシフトしており、日本の「農業」や「食」は、所得収支として国内に還元されている。

農業改革それ自体は、農協、県連、全農という無用なピラミッド構造を排除し、農家の赤字を補填しているだけの助成金を減らすという意味では意義のあることだが、地方創生には決してならない。この2つの事象をごちゃ混ぜにして、「地方創生=農業改革」という考え方で様々なことを進めていくと、多くの努力が徒労に終わってしまうだろう。
[ 2015/03/20 18:00 ] 経済社会 | コメント(18)
筆者紹介

check 小松原 周 (あまね);

ファンドマネージャー・アナリスト。日本株(東京)や米国株(ウォール街)の経験が長く、取材した会社は5,000社を超える。徹底したリサーチと業績予想に基づき投資判断を行うファンダメンタリスト。

*ブログ記事は、どのような場合であっても個別銘柄の投資判断に関して述べることはありません。

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